秋生のEtude

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『ミス・サイゴン』 9/2 (火) マチネ

2008年09月03日 20時24分10秒 | 『ミス・サイゴン』
夏休みの最後に、1回分観劇を増やしたおかげで、未見だったさとしエンジニアまで観てしまいました・・・なんと、気づけば4エンジニア制覇。
あとは・・・どうしても観たい、照井クリス&聖子ちゃんキム。
というわけで、ずっと9月以降のキャストスケジュールを眺めていたのですが・・・

ポンっと目に入ったのが、この日のマチネ
お目当ての照井クリス&聖子ちゃんキム!!しかも、サカケンジョンだし。
あとは、噂で“なかなかのもんだよ~”と囁かれている神田トゥイがいれば、私的にはBestだったのですが・・・


『ミス・サイゴン』 2008.9.2(火) 13:30開演 帝国劇場


エンジニア    橋本さとし
キム       新妻聖子
クリス      照井裕隆
ジョン      坂元健児
エレン      鈴木ほのか
トゥイ      泉見洋平
ジジ       菅谷真理恵
タム       首藤勇星
(アンサンブル    青組)


お目当ての、
照井クリス
・・・まずは、ごめんなさいっ!!
『ベガーズ・オペラ』初演の時から、何度となく観ているはずなのに・・・
照井さん=ベン・バッチ・・・“造幣局のマット”と友達だったのは覚えてます
本名が“ベンジャミン・ホール”で“エリザベス・スミス”と結婚したのも覚えてます
でも・・・肝心の歌声ってまったく記憶にない
っていうか、『ベガーズ』って曲は多いけどソロで歌う人って限られてるからな~

もとい、というわけで照井さんの歌声は『サイゴン』の博多座ブログの動画で聴いたのが、はじめて、ということにしておきます
で、ここで聴いた♪神よ、何故・・・がとても好印象だったのですごく楽しみでした。
他のクリスたち同様、もちろん美しいお声なんですが、温かいというか、優しさがこもっているというか、ほわんと包み込むような心地よさがあって・・・
以前にも書きましたが、CD『ベストミュージカル2』で聴いた禅さんの「神よ、何故」にどこかしら“似てる”と思いました。

で、実際に舞台で観た照井クリスは・・・見た目はたぶん一番地味目で、(ファンの方、ごめんなさい!)たぶんすごいヒーローでもなく普通の青年なんだろうな~という感じ。
その普通の青年がいろいろ悩んで傷ついてやさぐれて・・・
「ドリームランド」では空虚感が強く、場違いな場所に現れたキムに興味は示すものの、ジョンの計略?でキムと一夜は過ごしたけれど、心は満たされなくて・・・かえってキムの寝顔を見ながら、自分自身をどこかしら責めてそう・・・とにかく真面目で誠実な感じでした。
キムの身の上話を聞きながら、同情でもなく、使命感でもない、(劇的な恋にも見えなかった)強いて言うなら“運命”のような自然さで、キムと一緒に生きていこうと決意。
う~ん、最初からはじけるような唐突な愛じゃなく、静かに自然に進んでいく流れがいいかな。
♪Sun and Moonも、その後の♪世界が終わる夜のように、もキムを包み込むような歌声が、優しくて、温かで。(ここでの“サキソフォン”の発音の良さ・・・結構ツボ
個人的に大好きな「ユニコーン」のシーン・・・ベットの上でキムとじゃれあうようにして、キムが「・・・いいかしら?」と聞くと、
照井クリスは「ユニコーン?」と頭に指を立てて角を作って見せるおちゃめさん!!(クリスのイメージは“一角獣”なのね)・・・ここでの笑顔がさわやかで、本当にかわいかったんだなぁ~
「ウエディング」は、なにがなんだかわからないけど、女の子たちの中ではにかんでいたのがかわいかった。キムの“婚礼の歌”というのに反応してびっくりするところも。

2幕、エレンにキムのことを聞かれての告白シーン、♪あの娘守れないか、俺アメリカン~!!・・・ここ、すごくよかったです!!
苦悩をぶつけるような激しさ。でも“わかってくれ”と言い訳っぽくないところがいい。
それを自分自身に投げつけ、まともに受け止めて崩れる様が・・・床に座り込みこぶしをたたきつける照井クリス。・・・怒りと放心、そのすべてが誠実さゆえと思えました。


聖子ちゃんキム
・・・いまさらだけど、ダントツに歌が上手い!!
まずその完璧な(?)歌声に惹きつけられて感情移入してしまった・・・
なんだか、聖子ちゃんキムの歌を聴いていると、いつもと涙ポイントがちがう。
なぜかしら・・・まずうるっときたのは、実は「今も信じてるわ」。
クリスとの時間はすごく短かったはずなのに、その思い出を今も色あせることなく大切にし続けている・・・
♪愛は変わりはしない・・・この強い愛の決心が、クリスが行ってしまったあと、ひとりでタムを産み育ててきた強さなのね、とすごく納得。
トゥイとの対決シーン、真正面からトゥイを見る目線の中に、クリスへの愛とトゥイへの説得、わかってほしい、という必死さが見えて、これも迫力!!
タムを守りたい一心で、撃ってしまったトゥイ。・・・ここで、トゥイの目を閉じてあげるのって聖子ちゃんキムだけなのね。
「命をあげよう」・・・なんだか久々にこの歌に素直に涙が出ました
細かな説明は要らない。子を思う母の想い、愛した人への終わらない想い。
・・・聖子ちゃんの歌声がストレートに私の心に届いた一曲。

2幕でエレンの存在を知って目いっぱい落ち込んでエンジニアの元へ戻ってくるキム。
アメリカへ行ける!と喜ぶエンジニアからタムを受け取って、気丈に♪あの人来るわ~と歌い、涙をそっとぬぐうキム。
ううっ・・・切ない・・・

う~ん、ただ・・・ひとつ難点があるとすれば・・・上手すぎるかもしれない(褒めたりけなしたり、どっちなんだよって感じですが
玲奈ちゃんとは違う意味で声に強さがあり、キムとしての意思の強さがマッチしすぎて、最後の自殺シーンですごく決意を感じ過ぎちゃうのです。
ああ、なんか・・・うまく説明できない!!けど・・・
私の見解では、思いつめた若く未熟な母親のキムが、“それしか方法が見つからなかった”と思い込んだ結果だと思ってるんです。
(だから、その前のシーンで、勝手に自分たちに都合よく、キムのことを「利口な人」と歌うクリスとエレンが、えらく腹立たしいのだけど)
もちろん、どのキムも相当思いつめて決意して自殺するんだけど・・・


サカケンジョン
久々に聴いたサカケンの声!!・・・やっぱり男くさいですね~(褒めてます)
クリスとの関係が本当に対等な親友のように見えるのがうれしいです。
(岸ジョンだと先輩に見えて、岡ジョンだとどうしても上司に見えてしまう・・・
クリスとの電話シーンはシンプルに「な~にが蓮の花だっ!!」??
2幕・・・「ブイドイ」はよかったな~
ただし、後半はなんとなく回りに押されて?存在感が薄くなっていってしまったような・・・残念!!


泉見トゥイ
3回連続です。日に日に増して、キムヘの愛が強く深くなってる!?
最初の登場、結婚式侵入シーンから・・・なんか泉見トゥイの周りにオーラが
・・・ここって、よく考えたら、ここでこの邪な愛のオーラムンムンのトゥイが現れるから、ぼやや~んとしてたクリスは、キムを守るために“超その気”になるのですよね(愛は嫉妬で育つ

3年後、ホーチミン像の前に立つ泉見トゥイ。なんてえらそうで立派なの
・・・はぁ~~(ほれぼれ)なんてキラキラした瞳をしてるんでしょう。
このキラキラがあとでギラギラに変わるのもいいのですよね~(←なんか違う見方をしてる?)
あ、一度も書いてないけど、ここでの「ドラゴンダンス」かなり好きです。
戦争色は濃いけれど、雄雄しくて美しい。アジアンチックなリズムも好き。

エンジニアの手引きでキムに会いに来るトゥイ。
本当に逸る想いを必死で伝えようとする姿が、怖いほど愛しいです。
自分の言うことを聞き入れないキムを罵り、部下を使って痛めつけて・・・
すごく表現方法は屈折してるけど、ここのトゥイって・・・まるで愛の塊。
・・・ごめんなさい、もしかしたら私、このトゥイの泉見くん・・・マリウスよりも、一番好きかもしれません
タムを見せられた時の、落胆ぶり、言葉も失ってガクリっと膝から折れるように落ちるその姿がまたまた痛々しくて・・・愛しくて(おいおい
クリスもタムも、どちらも自分からキムを奪うものが許せないトゥイ。
狂気をはらんだトゥイの暗黒の愛が暴走!!またも、回る運命・・・
・・・きゃ~っ!!今日も死に顔が汗ダクで、目いっぱい瞳を見開いてて怖かった・・・でも撃たれて倒れる一瞬にキムに向かってうっすらと微笑む泉見トゥイ。きゃーっ!!
亡霊になっても、ますますギラギラの泉見トゥイ・・・ス・テ・キ(←あきらかに見所ちがい)


さとしエンジニア
今回の公演でエンジニア全員を観ましたが、市村エンジニアを除いたら・・・たぶん一番好きです。
大きな身体で一番の小心者!?ギャグの小ネタもツボ揃い。
声がすっきりとカツゼツが良く、聴きやすいのもいいです。
「生き延びたけりゃ」の生命力にあふれた歌声、タムを見せられた時の、タム=パスポートの喜びに満ちた表情。アメリカへ行くことへの強く哀しいまでの想い。
「バンコク」でのはしゃぎっぷりも明るくて好きです。
「アメリカン・ドリーム」は、若干の哀愁も漂わせて・・・ダイナミックに魅せてくれます。

そして、さとしエンジニアの私の最大のお気に入りは、
1幕ラストでキムに差し出す、その運命を変えるような大きな手!!(別名“神の手”!?)
・・・他の誰よりも印象的です。(たぶんその長身の大きな身体から、スッと差し出されるその大きな手のシルエットが・・・インパクトが大きいのもポイント高いのかも)
ちなみに2幕ラストで、キムからタムを受け取る時も、同じように差し出すこの手にドキリっ
・・・キムの人生にはエンジニアの存在が大きく関わっているのですね。



そして、この日は照井クリスが再登場初日でした。
カテコではさとしさんがそれを気遣って、照井さんを前に押し出したりしていたのが、微笑ましくて。(いい人だな~さとしさん
救われない内容の舞台ですが、こんなところが心にほっこりとヒットして、この日のこの舞台が観られてよかったぁ、と満足した私のラスト『サイゴン』でした。




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4 コメント

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ツボが似てます(笑) (えりこ)
2008-09-03 23:43:00
力作読ませていただきましたよ~。
照井クリス、あの包容力のある笑顔がとても
印象的ですよね。それに歌声がすごくきれい!
あの歌声にキムへの愛情がたくさんこめられてました。
カーテンコールでさとしさんに立てられてすごく嬉しそうにしてたのも可愛かったです♪

それから洋平くんのトゥイ!
ついつい熱く語りたくなっちゃいますよね~。
本当に彼のトゥイは「愛の塊」ですよ。
あんなに愛を説いているのに全く報われず…
泣けて仕方ないです。
死の直前に微笑んでいたのも印象的でしたね!
何度でも見たくなります…洋平くんのトゥイ。

明日の1000回記念も見に行きます♪
またレポートしますね。
クリスとトゥイ (秋生)
2008-09-04 00:47:08
えりこさん

照井クリスは穏やかな笑顔とやさしい歌声が魅力でした!
「トゥイの侵入」でキムをはさんで拳銃を構えるクリスとトゥイ。
・・・きゃ~なんて贅沢な・・・なんて思ってしまいました

泉見トゥイは、クセになります(笑)
あのホーチミン像の前に、ずいっと佇む泉見トゥイ・・・ああ、額に入れて飾っておきたい!!
(危険な発言

1000回記念公演、楽しみですね。
レポ、待ってます
Unknown (tiro)
2008-09-05 22:11:40
今回は未見で終わりそうな照井クリス。どんな感じだったかが聞けて、何となく想像できました(^^)
泉見くんは、愛が強くなっているのですね~
彼は当たっている回数が多いので今後が楽しみです!
あ、私もマリウスよりはトゥイの方が好きです。
でも、神田トゥイもキムへの愛がとても感じられるトゥイなので是非に!(笑)
聖子ちゃんは、キムを芯が強い女の人というように捉えている、と何かで読みました。私も最後は決然とした態度に見えたので、それは役作りがそうだからなのかな~?なんて思いました。
サイゴン雑感 (秋生)
2008-09-05 23:08:34
tiroさん

こんなに嵌るとは自分でも思っていませんでした『サイゴン』
・・・悲劇って奥が深いですね。
回を重ねるうちに、トゥイの愛やエレンの想いにもいろいろな思いが生まれてきて・・・

>神田トゥイ
見てみたかったんですがね~

>聖子ちゃんキム
キムの最後の決断は、母としては“究極の愛”かもしれないけれど、同時に親としては無責任な気もしなくはないのです(親の立場で言ってしまうと)
クリスに対しては“絶望の結果”でもあり、ちょっと“当て付け”っぽくもある・・・
こんな風に言ったら、舞台が台無しになりそうですが・・・。
あの結末はもう決まっているので、後はどう見せるか?なのかもしれません。
(見ているそれぞれが、どう納得するかです)
う~ん、まだまだ考えたら終わりそうもない・・・

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