本能寺の変 「明智憲三郎的世界 天下布文!」

『本能寺の変 431年目の真実』著者の公式ブログです。
通説・俗説・虚説に惑わされない「真実」の世界を探究します。

あなたも「本能寺の変」の謎解きに挑戦できる本

2015年10月07日 | 歴史捜査レポート
 秀吉がねつ造し、軍記物に汚染された戦国史を今一度洗濯いたし申候
 あなたも「本能寺の変」の謎解きに挑戦してみませんか!?
 「本能寺の変」について書かれた本は実に多いですが、いずれも以下の欠陥があり、蓋然性の高い答には行きついていません。
欠陥1
 軍記物(江戸時代に書かれた物語)の創作話を自説に都合のよいように史実として用いている。
欠陥2
 謀反の動機を個人的な感情に求めており、「失敗すれば一族滅亡の重さに引き合う動機」という合理性が欠如している。
欠陥3
 謀反の動機論に終始し、いかにして謀反を実行したのか、その経緯(プロセス)については解明していない。
欠陥4
 あまりにも少ない証拠を基にして答を出している。自説に都合の悪い証拠は無視している。

 つまり、読者に提示される信憑性ある証拠は極めて少なく、その証拠からの推論の論理も妥当でない、のです。
 そのような状況を打破するため、信憑性ある証拠を読者に提示し、さらに戦国武将の決断の論理についても読者にご理解いただくことによって、読者自身が「本能寺の変」の謎解きに挑戦できる本が登場しました。『織田信長 四三三年目の真実 信長脳を歴史捜査せよ!』明智憲三郎著・幻冬舎です。

 この本は次の三つの仮説に基づいて「本能寺の変」の最も蓋然性の高い答(謀反の動機と謀反の実行経緯)を導き出しています。
仮説1
 失敗すれば一族滅亡するリスクを冒してでも謀反をせざるを得ないと判断するのだから、謀反を起こさなければ確実に一族が滅亡してしまうという危機認識があったはず
仮説2
 失敗すれば一族滅亡してしまう謀反に踏み切るのだから、「謀反を成功できる」という何らかの目算を立てたはず
仮説3
 謀反は単なる殺人事件ではなく、軍事的に敵を制圧する戦争行為であり、その目的は「過去の清算」ではなく、「未来の選択」である

 つまり、明智光秀の謀反の動機は織田信長がこの先に何をしようとしていたのかがわからねば理解できないということです。信長がこれからしようとしたことで光秀の一族が滅亡するような重大なことは何であったのかを解かねばなりません。
 そして、光秀が謀反に踏み切れた理由、つまり信長も嫡男信忠も無防備な状態で京都におり、光秀の軍勢がいともたやすく二人を討てる状況がなぜ生まれたのか。この状況を生み出した張本人は織田信長自身です。これについても信長が何をしようとして、このような状況が生まれたのかを解かねばなりません。

 『織田信長 四三三年目の真実 信長脳を歴史捜査せよ!』では前半で織田信長の脳の中にあった知識・論理とそれに基づいて彼が何を考えて何をしたかを解明しています。孫呉・良平。信長の父親の弔辞に書かれたこの言葉から信長の頭脳の歴史捜査が始まります。信長の没後、433年目にして初めて信長の頭脳の中身が公開されます。
 それによって、「なぜ大うつけを演じたか」「なぜ桶狭間の戦いで勝てたか」「なぜ残虐な行為を行ったか」「なぜ天下統一を目指したか」などの疑問に初めて合理的な答が得られます。あなたの抱いていた織田信長のイメージが一変すると思います。鍵を握っていたのは信長の父親の葬儀での「孫呉・良平」という言葉です。
 後半では、いよいよ「本能寺の変」の謎解きです。天下統一を目前にした信長が、その先に何を求めていたのかを明らかにしていくことにより、光秀謀反の動機として、もっとも蓋然性の高い答を探り出します。
 そして、最終章「なぜ本能寺で討たれたのか」で光秀謀反の実行経緯を解明していきます。この章では、まず「天正十年三月以降、謀反前日までの3か月間の関係者の証言」として信憑性のある史料の記事を15件、「天正十年六月二日謀反当日の関係者の証言」として10件を提示します。実はこの25件の証言のみから推理によって「答」が得られるのです
 ここで、読者には本を読むのを中断して、これらの証言を読んで疑問に感じることを抽出していただきます。そして、それらの疑問のすべてに妥当な説明の付けられる「答」を推理していただきます。相互にからんだ25件の証言のすべてに辻褄の合う答を見出すのは簡単ではないでしょう。もつれた糸を解きほぐすような推理が必要です。
 ご自分の答が見出せたら、本を読み進めていただき、著者の抽出した9つの疑問と、それに対する謎解きの説明と「答」をお読みいただきます。
 さて、あなたの出した「答」は著者の「答」と同じでしょうか?
 「えっ、違う!」というところから本当のあなたの謎解きが始まるような気がします。
 あなたも「歴史捜査」してみませんか?

【読者書評】
 ある命題に対して、仮定を設定して事実を検証してゆき、丁寧に考察を加え、より納得性が高いものを自分の結論として公とする。これはまさに現代の科学的アプローチと同じ手法なのであるが、はたして著者は工学部の修士課程修了者であった。後半はちょっとした推理小説よりもわくわくする内容となっており、十分に楽しめた。

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