言語分析未来予測

上石高生
言葉の分析からの予測です。分析の正しさは未来に答えが出ます。分析予測は検証可能でなければなりません。

民主党代表、小沢一郎の分析.2

2008年03月06日 10時26分01秒 | 分析
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 民主党小沢代表には、ひじょうに複雑な二面性があることが分かった。
 欠点としての論争下手は、参院選でも政策論争ではなく、マニフェスト・公約を強調した選挙戦となったほどだ。また最近でも02月13日では、衆参の基本政策委員長が小沢氏に党首討論の活性化を申し入れたばかりである。一部で党首討論を避けているのではないかという憶測も呼んでいる。
 これらは彼の口下手に起因してるのである。福田首相との密室会談で大連合をぶち上げたが、それを民主党の役員に反対されあっさり拒否したという記憶も新しい。その後、代表が辞任したり、辞意を撤回したりで、大いに民主党は混乱した。党代表にして、この説明の下手さ、は疑いようがない。

 この政治家にして論争が下手という欠点は党首討論も避けるほどであるのだが、だがそれを補うほど攻撃的なエネルギーが強いのだ。つまり論争が下手だからこそ、対立関係を好む傾向となっているように見えるのだ。
 もちろんこれらは、党首選からの公約である、自民党との対立軸を明確にするという政治手法であるのだが、それらが小沢氏の最も得意な攻撃的な意識と対立関係によってより力を発揮するという能力を見せながら、政治論争を避けていることをうまくカモフラージュもしているのだ。

 もう一つの面としては、合理的な計算が、局面でうまく発揮されていることである。特に参院選での“地方との格差”を引き合いに出した選挙戦略は的を射て民主党を大勝に導いた。
 この2つを別々に分析するとき、今後の小沢代表にどの一面が現われるかが、見所である。


 政治家にしてこの論争下手とは、口下手という言葉の巧みさがないということである。
 その結果、他人との協力関係が希薄となったり、周囲からよく思われてない、などの思いから不安定になりやすいだろう。同士との折り合いが悪くなると、否定的な結論になりやすい。それこそ彼自身の人間関係の難しさを現している。
 かつての大連立の経緯での福田首相との会談では、とても明朗とは言えないものであった。“密室”というイメージがとても陰のイメージを醸し出している。
 それから民主党の役員に大反対された結果、大連立に拒否、としたまではいいが、その後の辞任の表明から、辞意を撤回という展開は、野党第一党の代表にしてはかなりの不安定さを見ていた。
 民主党の幹事長鳩山氏は、代表を孤独にさせすぎてしまったのではないか、との気の使いようで、小沢氏留任を望んだ1人である。
 また陰にフィクサーがいたとしても、「大連立は小沢氏から持ちかけた」というような報道は、自身でも意外なものであったろう。自分の言っていることがうまく伝わってないのもその一因であるのだが、また自分自身の推量が間違ってしまったことでの困惑の方が原因としては大きい。このように自分自身の問題が大きいからこそ、解決が困難となってしまうのだ。

 政治家・党代表という体面を重視しながも挙党一致と党内の援助を求めているのだが、それも小勢力にして民主党にしがみつき、そのエネルギーを吸い取ることで力を付けていくように見える。民主党に合流した頃とは大違いの存在感を見せつけているではないか。
 しかし防衛や国連との関係では党内との一致はなく、ダブルスタンダードであることは間違いなく、相手の理解を期待している、というところなのではないだろうか。譲歩でも歩み寄りでもなく、相手の理解を求めているところに、なかなか党内一致を生まない理由があるのだ。
 この「相手こそ自分を理解すべきだ」という気持ちは、妥協を拒み頑固さを見せることとなる。

 また分析して分かったことだが、政治家小沢一郎という人物が、一般の政治家とは違う特別な面を発見した。
 それは勇気とは違うもので、波乱を恐れない、という個性の本質である。一般的に恐れられることが、彼にはさほどには感じられてない、のではないかというものだ。むしろそんな怖さを望んでいるかのようである。
 そんな個性が、竹下内閣では内閣官房副長官、第1次海部俊樹内閣では党幹事長と、自民党で頭角を現してきた人物が、離党から新党を作っては壊すという波乱に満ちた経歴を自ら描いてきたのだ。
 自民で得られなかった渇望を強烈にも他に求めても、果たせてない。この攻撃欲求と対立関係を恐れない個性が、人を威圧してでも従わせようとしてるのは、かつて得られなかったものへの熱望が原因なのである。それこそ政治家としてのトップ、総理大臣・首相という座なのである。


別の一面としての分析

 政局という政党間での対立が強いほど、合理的な計算を発揮するのは、政治家として鋭く優秀であり、また誰よりも力を尽すからである。
 リクルート疑惑で大揺れに揺れた頃、宇野政権下での参院選惨敗という、その後の総選挙を勝利に導いた実績から「剛腕」と称されたほどである。当時、選挙資金300億円を集めたと言われている。
 それにしても窮地に立つほど能力を発揮するのは、強い攻撃的欲求のエネルギーが、政治活動に置き換わった結果であろう。合理的かつ能率的な考えがありながら、選挙活動という示威運動を展開できるという優れた才能があるのだ。金権政治と言ってしまえば、それも“あざとさ”と批判したくもなることではあるが……。
 このような政治的能力が、野党にして解散・総選挙を自ら口にしてもまったく恐れないでいられるところなのだが、それよりも与党をこの言葉で牽制しているところが、これもまったくすごいところなのである。どの政治家がこのようなことをできるだろうか?
 日本の政治を知り尽くし、さらに経済では経団連とのパイプもある。政治活動中心の生活でありながら、十分な政治資金を確保して、来るべき選挙に備えている。政治家としての沽券という強い拘りが、熱意を生み、その経歴に輝かしい栄誉を書き加えていく。今後の政界には欠かすことがない重要人物であるのは確かだ。

 しかしあまりにも多すぎる政治資金は、マンションの経営に流用されたりで、国民としてはこの人物も1つの悩みの種でもあるのだ。

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