男子ベスト8のおさらいから(この書き方は,自分の備忘録という意味合いが強いから).
トップシード8人のうち,ベスト8に進めなかったのは,ナダル(2シード),ベルディヒ(6),フェレール(7)の3人.
まあ,ここまでで最大の驚きは,ナダルに勝ったキルギオスでしょう.元ジュニアランキング1位の19歳で,いまのランキングは144位.今大会は主催者推薦だそうだ.
キルギオスは一言でいうと天才.驚くようなセンスの良さに加えて(見た?あの,人を食ったような,股抜きのドロップ気味のショット!),メンタルも弱くないようで,順調にいけばトップ5の逸材ですね.リオスやバグダディスのような.
で,残ったのは,ジョコビッチ(1),マレー(3),フェデラー(4),バブリンカ(5),ラオニッチ(8)と,ディミトロフ(11),チリッチ(23),ノーシードのキルギオス.
”ベビー・フェデラー”・ディミトロフと,ビッグ・サーバーで実績十分のチリッチが8まで来たことに驚きはないから,ここまで全体としては,波乱の少ない大会,と言っていいんじゃないか.
フェデラーは,さすがに芝でロブレドに負けることはないだろうと安心して4Rをみていたんだけれど,マッチポイントをあっさり決められないあたりがちょっと不安.
ラオニッチに負けた錦織くんは,残念だけれど,順当かなという印象でした.まだトップコンディションには遠い感じで,ベスト16はもちろん立派な成績だけれど,3Rも相手のボレリの方が内容がよかった.
ボレリ戦ではネットにかけないようにびくびくしながらストロークを打ってる場面が目について,これではラオニッチには歯が立たないと思っていたから,ラオニッチ戦の第1セットを取ったのはむしろ意外なくらい.対戦成績のなせる業か(過去,錦織君の2戦2勝).
僕は最初こそニュートラルに見てたんだけれど,実は途中からは完全にラオニッチを応援してました・・・だって,ラオニッチの方が,ウィンブルドンにふさわしいテニスだったから.それに,彼はあの髪型だけでも,いまのテニス界には重要です(ラオニッチの顔を消しゴムに彫りたい).
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ただ,準々決勝は荒れましたね.
まず,ディミトロフがマレーに完勝(3-0).
マレーは,ロンドン五輪を含めるとウィンブルドンで7大会連続ベスト4で,過去3大会連続で決勝に進出し,そのうち2回優勝.この「聖地」では抜きんでた安定感を見せていた.
もちろんディミトロフは,誰もが認める未来のNo.1候補だけど,彼がGSでマレーやジョコビッチあたりに勝つには,もう1年かかると思ってたんですよね.フェデラーあたりに勝って「しまう」エポックメイキングな試合があって,それからかなと…僕の勝手な思い込みなんだけど.まあ,今回はマレーのコンディションもあったかな.
ジョコビッチをセットカウント2-1まで追い詰めたチリッチも立派でした.あと1セットで止めたのは,さすがジョコビッチ.
フェデラーはバブリンカに3-1で逆転勝利.第1セットをとられて,第2セットはタイブレ7-5だから,紙一重ではあった.実はこの試合だけ,録画しそこなってぜんぜん見ていないのだけれど,結果だけ見れば,芝では順当でしょう.
ラオニッチとキルギオスの試合は,準々決勝4試合の中では地味.でも,テニス界の近未来を占ううえでは最重要かもしれない.勝ったのはラオニッチだけれど,キルギオスの潜在能力はやっぱりすごいな,という試合だった.彼は5セットの大会で5試合目を戦ったことなんてないだろうから,そのうち体力がついてきたら,もっとすごいことになるかも.
準決勝は,ジョコビッチ対ディミトロフ,フェデラー対ラオニッチという組み合わせ.
僕の予想(期待)では,決勝はフェデラー対ベビー・フェデラーです.
さ,もう寝ないと.