Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●Newton『新・進化論』読了 (1/2)

2007年12月12日 12時10分29秒 | Weblog


2007
12月号 (pp.16-45)。進化は進歩 (ダーウィン「生存・生殖に有利な変異を持つ個体が生き残る = survival of the fittest) ではなく、変化。退化も進化。夜行性の生物にとって視覚遺伝子の一部は退化しても差し支えなかったし、ヒトはビタミンC を作る遺伝子 (酵素) が退化している。たいていの哺乳類はビタミンCを体内で合成できる。つまり、ヒトの祖先が住んでいた森には、ビタミンCを含む果実などが豊富で、この遺伝子を失うことは生存に有利でも不利でもなく、中立だった訳。実際には、「適者生存」でなく、「好運者生存 = survival of the luckiest」。つまり、中立論 (中立説)。分子レベルの変位では、生存・生殖に不利なものを除けば (もともとその場合、死に到る)、有利でも不利でもない『中立な変異』がほとんどで、有利な変異は無視できるほど少ない。例えば、コドンの縮退のところ。あるいは、遺伝子重複のところ (重複して新たにできた遺伝子コピーは突然変異したとしても、もとの遺伝子が機能するので生存に何の影響もない)

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ●Newton『新・進化論』読了 (... | トップ | ●「発病率と動物実験」 (B3の... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして。 (mitamura)
2007-12-13 21:53:10
私は進化論より知的設計論を信じているんですけどね。

象の鼻が長くなったり、キリンの首が長くなったりする様な変異は理解できますが、種の壁を超えた変異が理論の根幹を成す進化論は、ちょっと理解し難いです。

 そんなダーウィンの進化論が、約150年経った今でも支持されているのは、他に人類の起源を説明できる理論がなかったからです。

 しかし最近、クローン技術で生命を創造することができるようになり、新たに知的設計論という新たな理論が台頭するきっかけになりました。

 そんな中、「クローン人間は倫理的に問題である」という団体をよくみかけます。しかし、よく考えてみると、私達の祖先がクローン技術で地球に誕生したというのに、それを倫理的に問題というのはちょっと本末転倒という気がします。

 ダーウィンの進化論が発表されて150周年の節目の年を迎える2009年に、人類の起源を巡る理論についての新しい動きがあるのではないでしょうか。
返信する
●宗教教育か、科学教育か? (AS (Activated-Sludge))
2007-12-15 16:07:30

ASです。コメント、ありがとうございました。

「種の壁を超えた変異」というのは、魚が鳥に進化すると云った意味でしょうか? 未来においてそのような進化は私には想像できません。でも、過去 (大昔) においては、原核細胞が真核細胞に進化した、といったことは十分に想像できますし、それがさらに「種の壁を超えた」方向へと分岐・変異したことも。

「クローン人間は倫理的に問題である」と私も思います。私も大反対。
エホバの方々が問題視される輸血については、私は構わないと思います。臓器移植については微妙。あまり賛成ではありませんが、いざ身内がそういう場面に遭遇した時にどう判断するのかは、現時点では、分かりません。遺伝子治療については性細胞については反対、一方、体細胞については反対はしません。

「私達の祖先がクローン技術で地球に誕生」というのはいつ頃のお話でしょうか? 2007年ぐらい前でしょうか? もっと別の神あるいは神的なものを想定されていて、数億年前にクローン技術があり、それが利用されて人間が”設計”されたというお話でしょうか?

今回の記事 (p.23) にあるように、地球上の大半の生命でコドン表が共通であることなどは有力な"現在の進化論"の裏付けだと思います。この表は中立説の裏づけにもなっていると思います。遺伝子DNAはわずか4つの塩基の単純な羅列ですが、「種の壁を超えた」生物間でも似ていると云えます。ましてや、ヒトとチンパンジーには相当の相同性があります。“設計者”は、どうしてそこまで似せてDNAを”設計”したのでしょうか?
発酵を行う原始原核細胞→光合成細菌→シアノバクテリア→[寄生:葉緑体]→藻類→独立栄養、原始原核細胞→呼吸可能な細菌→[寄生:ミトコンドリア]→原生動物等→従属栄養といった一連の流れの方が、私にとっては、IDよりも、また、「私達の祖先がクローン技術で地球に誕生」よりも説得力があるように思うのですが?

ID推進派の方々は神という言葉はお使いにはならないようですが、宗教としてのお話であれば何を信じられても別にかまわないと思います。しかし、特に初等教育の場で、科学としてIDを教育することには大反対です。
人の心の中は覗けませんが、"信じること"が目的化されていなければ良いのですが (自戒を込めて) ・・・・・・。
返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事