『誘拐』、9月に読了。本田靖春著。ちくま文庫。2005年10月刊。
解説は佐野眞一氏。「吉展ちゃん事件」を取り上げた、「戦後ノンフィクションを代表する傑作」(p.358)、「わが国の事件ノンフィクションの金字塔」(p.361)。「・・・のような誰からも忘れられた人間に何一つ手を差し伸べてこなかったこの国の政治の無策さに、あらためて激しい怒りを覚えることだろう」(p.361)。「高度成長の光がまったく差さない陰画世界の、さらに暗い彩り・・・世間から完全においてけ掘りにされたそうした影の部分に目をこらした作家がいただろうか」(p.360)。非正規雇用で使い捨てていく現在の政治状況下で記者たちはどうだろう?
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山岡さんのアクセスジャーナル(http://accessjournal.jp/modules/weblog/)からのコピペ。
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2009/06/18
<心声天語>(125)子を「自供させた」母の言葉
カテゴリ: <連載コラム>心声天語 :
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執筆者: Yamaoka (4:20 pm)
「吉展ちゃん事件」は、昭和の犯罪史において忘れることのできない事件である。1963年、台東区に住む村越繁さんの長男・吉展ちゃん(四歳)が行方不明になった。二日後、犯人から身代金五十万円を要求する電話があり、営利誘拐事件と判明した◆この事件を題材にしたノンフィクションが文藝春秋読者賞、講談社出版文化賞を受賞。NHKで放送された『ついに帰らなかった吉展ちゃん』は、ワイドニュースの視聴率日本記録(59.0%)をつくるなど、日本中の関心が注がれた◆捜査本部は、吉展ちゃんのチラシを全国に配布、脅追電話から割り出した「東北ナマリの中年男」の“声”をラジオ・TVで流すなど、大々的な捜査を展開した。すると、「東北ナマリ」から小原保(32歳)が容疑線上に浮かんだ。だが、物的証拠も自供もなく、嘘のアリバイを崩すこともできない。捜査陣は、自供だけが解決の鍵、として捜査を強行した◆小原の取調べにあたったのは、名刑事といわれた「平塚八兵衛」であった。平塚は、頑なに口を閉ざす小原の、“心のひだ”に目を向け、小原の母を訪ねた。母は、『あの子がもし犯人だとしたら、どうか真実を語らせてください~この母の言葉をあの子に伝えてください』、と平塚に頼んだ◆小原にとって、自分が犯した罪の大きさよりも、自分が犯人であると知った時の、母の悲しみの方がより、重大であったのだろう。「母のために自供してはならない…」と決心した小原ではあったが、平塚から伝え聞いた母の言葉に、すべてを自供したのである◆最高裁で死刑が確定した小原は、死刑が執行される日、『これで、母が言っていた“真人間”、になって死んでいけます』と語ったという。享年38歳であった。(和光)
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