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■■2代目が3代目に遺したことば

2016年04月13日 10時42分07秒 | ◆◆戦国武将名言 温故知新◆◆
科学技術は日進月歩ですが、人間の心理は今も昔も変わりませんね。
それにしても先代の伝え方がすばらしい。

北条氏綱公御書置(五箇条の御書置文)
後北条氏の2代目、北条氏綱が嫡男である北条氏康の器量不足を心配して遺した5か条の訓戒状です。


一、大将だけでなく、諸侍たちもをひたすらに守るように。
義を違えてしまっては、たとえ1~2国を攻め取ったとしても、後世の恥辱は拭い難いでしょう。

天運が尽き果てて滅亡するのだとしても、義理を違えまいと心得るなら、後の世で後ろ指を指される恥辱はありません。
(義理・・・正しい行い、良識な判断のこと)

人の命は僅かの間ですから、さもしい心がけは絶対にしてはなりません。

古い物語でも、義を守っての滅亡と、義を捨てての栄華では天地のような違いがあります。大将の心がけがこのようであれば、諸侍も義理を大切にするでしょう。
さらに、無道を働いて利を得る者は、天罰を逃れがたいことです。


二、侍から一般の百姓などにいたるまで、誰でも愛情を注ぐようお考えなさい。
総じて人というのは、捨てるべき者はありません。

器量・骨柄・弁舌・才覚が人に優れて、道徳も弁えて素晴らしい侍だと見えた者でも、意外にも武勇がないこともあり、逆に何をやっても駄目で皆が馬鹿者だと見ていたら、武道では剛勇無双の働きをする者も必ずいます。


それぞれの役に立つところを引き出して、役に立たないところでは使わなければどのようにも役に立ちます。これをよい大将というのです。


この者は役立たずだと見放すなら、大将として浅ましく狭い心情です。一国を治める大将の下の者たちでも、本当の善人・悪人がどれほどいるでしょう。

馬鹿者であっても罪もないのに罰することはできません。
侍の中に「自分は大将に見限られた」と思う者がいれば、士気も落ちて本当の馬鹿者になって役に立ちません。

大将はどのような者にも愛情を持っていると万人に知らせたいものです。皆が役に立つかどうかは大将の心によります。

古代でも賢人はまれですから、現代ではさらにいないでしょう。大将でも万能ではありませんから、見間違い・聞き違いなどはいくらでもあります。

たとえば能の興行で大夫に笛を吹かせて、太鼓打ちに舞わせては見世物になりません。大夫に舞わせ、笛・太鼓を担当者に任せれば、人を変えなくても能が出来上がります。

国持ちの大将が人を使うのはこのようなことなのです。



三、侍は驕らずへつらわず、自分の分相応を守るのがよいでしょう。

たとえば500貫文の知行で1,000貫文の者の真似をする者は、遠からず苦労するでしょう。なぜなら、人の収支は天から降ってきたり地から湧いて出る訳ではありません。知行を失うこともあるでしょう。

軍役が多い年があったり、火事になったり、親類縁者が多くなったりもするでしょう。この内1つでも身に降りかかったならば、1,000貫文の収入が900貫文にも800貫文にもなるでしょう。そうなればこのような者は、百姓に無茶な課税をしたり商売に介入して町人に迷惑をかけるか、賭博で逆転を狙うか、どのようにしても資金を用意し、実力者に賄賂を贈って工作します。

これで家老も目がくらみ、こういう者が忠義者だと呼んだりします。そうなると大将も500貫文の所領で1,000貫文の侍を雇っている訳で、見栄もはれます。
そうなると、家中がこのような流儀で、大将は風流と華美を好んで何かと大身の真似をするので、借金がかさみ、資金の流れが次第に逼迫、町人・百姓から搾取し尽し、後は賭博に頼るでしょう。

そうでない者は、衣装が粗末なので今回の出仕はどうしようか、人も馬も少なくて見苦しいので今回の供はどうしようか、
大将や同僚の目など色々と思うものの、町人・百姓に負担を強いることも商売も賭博もできないのでどうしようもない。
仮病を使って出てこなくなる。そうやって出仕の侍が徐々に少なくなっていく。

一般の百姓たちも華美を好み、その上武家に搾取されて家財や田畑を捨てて他国に逃げていく。
残った百姓たちは、何かあれば武家に思い知らせてやろうと企む。
だから国が弱まり大将の戦力も弱い。
今の上杉殿の家中はこんな状況です。よくよく覚えておくように。

他人の財産を狙い、親類縁者も少なく、自然に福が来ると言っているような輩は、500貫文の収入で600~700貫文の真似をするだろう。1,000貫文の真似をするには、色々な苦労がなければ覚束ない。しかしながら、こういったことも分相応であることには劣ると考えておくように。貧乏な者の真似は上記のような結末になるだろう。



四、万事倹約を守るように。華美を好む時は、民衆から搾取しよいことがない。
倹約を守る時は、民衆を痛めず、武家も民衆も富貴である。

国中が富貴であれば大将の戦力が高く、合戦の勝利は間違いない。

亡き父は、身分が低い頃から天性の福人であると世間で言われていました。天の恵みでそうだったのではなく、第一に倹約を守り、華美を好まれなかったからです。
概して武家は古風であるのがよいのです。流行を好むのは、恐らく軽薄な者だと常々おっしゃっていました。



五、手際だった合戦でおびただしい勝利を得たら、驕りの心が出るだろう。
敵を侮り、行儀の悪いことが必ず出てくる。慎んで用心深くあるように。
こうしたことで滅亡した家は古来より多い。この心得は全てに言える。勝って兜の緒を締めよということ、お忘れにならないように。


■追伸 あなたは万事において私より生来優れているように見えますから、言わずもがなのことですが、昔の人の名言を聞いても忘れてしまうこともあるでしょうが、親の言い置いたことであるなら、心に忘れがたく残ることもあろうかと思い、このようにしました。

■■<うつ>宿坊349日連続勤務 京都地裁が仁和寺に賠償命令

2016年04月13日 09時49分09秒 | ■人事労務情報
毎日新聞 4月13日(水)8時9分配信 ヤフーニュースより

世界遺産・仁和寺(京都市右京区)が運営する宿坊の元料理長の男性(58)=京都市北区=が、過酷な長時間労働で抑うつ状態になったとして、寺を相手取り約4700万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が12日、京都地裁であった。堀内照美裁判長は「極めて過酷ともいうべき長時間労働を強いており、労働時間規制を軽視する態度は顕著」と指摘し、仁和寺に総額約4253万円の支払いを命じた

 判決によると、男性は2005年から境内にある宿坊「御室会館」の料理長を務めていたが、11年には月100時間以上の時間外労働が常態化。月200時間以上になることや349日の連続勤務もあった。男性は12年に「抑うつ神経症」と診断されて仕事を休むようになり、13年には労働基準監督署から労災認定を受けた。
 原告男性は判決後に記者会見し「これで人生を一歩前に進めるが、私の体が治ったわけではない。これまで仁和寺から謝罪は一切無く、誠意のなさにショックを受けている」と語った。

 仁和寺の担当者は「主張が認められず大変残念。内容を精査して控訴を検討したい」としている。【川瀬慎一朗】