帯とけの古典文芸

和歌を中心とした日本の古典文芸の清よげな姿と心におかしきところを紐解く。深い心があれば自ずからとける。

帯とけの枕草子〔六十六〕歌の題は

2011-05-10 00:02:11 | 古典

 



                     帯とけの枕草子〔六十六〕歌の題は



 言の戯れを知らず「言の心」を心得ないで読んでいたのは、枕草子の文の「清げな姿」のみ。「心におかしきところ」を紐解きましょう。帯はおのずから解ける。



 清少納言 枕草子〔六十六〕歌の題は


 歌の題は、宮こ、くず、みくり、こま、あられ。
 
(歌の題は、都、葛、三稜草、霰……女の心の種の主題は、宮こ来ず、身繰り、股間あられ)

 

言の戯れ

 「歌…人の心を種として万の言の葉と成ったもの…人が繁く心に思うことを見るもの聞くものにつけて言葉で言い出したもの(古今集仮名序、紀貫之)」「題…表題…主題」「宮こ…都…京…山ばの頂上…絶頂…感の極み」「くず…葛…崩ず(る)…屑…来・ず…来ない」「みくり…三稜草(水草)…身繰る…身をくねる…見眩る…めが眩む」「こま…駒…騎馬の武士…股間…陰」「あられ…霰…荒られ…騒乱の状況…あられもなく激しく荒れている」。



 このような、言の戯れとその意味を全て引き受ければ、寄物陳思(物に寄せて思いを陳べる)この短文は、ほぼ上のように聞こえるでしょう。

 

 伝授 清原のおうな

聞書  かき人しらず  (2015・8月、改定しました)



  枕草子の原文は、新日本古典文学大系 枕草子(岩波書店)による