No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

Another Story~伊豆三島の街を歩いた昨秋

2024-09-19 | 街:静岡













<おまけ:鰻の老舗、桜屋でのひと時>






会津の三島町に行ったことは、日本全国の「三島」の町について考える機会になった。僕にとっての三島は、伊豆の三島市が標準原器となっている。忘れていたわけではないが、昨年の11月に僕は伊豆に戻っている。実家関係の所用なので、詳細は割愛する。その時に短い時間だけど三島の街を歩き、で真も撮った。当時はブログを休んでいる時期だった。後になってこの時に見た富士山の写真だけはブログに掲載した。三島の街の写真自体はボツになっていた。これは何かの機会なので、当時の写真を掲載する。お得意のボツからの救済である。今見返すと悪くない写真のような気がする。

見返して思い出した。帰省中は雨の日ばかりだった。墓仕舞いした永代供養墓に行った時だけ、何故か空は晴れ渡った。青空の向こうには富士山があった。三島の町はその後に行ったのだけど、やはり終日の雨模様だった。鰻の老舗、桜屋にも行った。雨の中、多くの人が待っていた。それでも雨でなければ、もっと多くの人が並んで、僕は食べることを断念したかもしれない。全てのピースが僕のことを待ってくれていたような気がする。これはスピンオフなので、今回一回で終わりです。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR
(おまけを除く)

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本に抱かれて微睡む日

2024-09-17 | 



我が家の猫、銀次郎さん。屋根裏部屋(僕の部屋)がお気に入りで、格好の昼寝スポットになっている。特に本棚の前が好きである。でもそこは窓に面しているので、夏場は恐ろしく暑くなる。しばらくは別の場所を使っていたが、また最近ここで昼寝をするようになった。つまりは暑さが和らいだことを意味している。室内で過ごす猫にも四季がある。

どう使って良いか分からず、思い悩むフィルムシミュレーション「エテルナ」。今回のシチュエーションにはぴったりだった。

X-PRO3 / XF35mm F1.4R
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喜多方ラーメンの哀歌(エレジー)

2024-09-16 | 街:福島









僕は喜多方の町が大好きだ。事ある度に立ち寄っている。今回も旅の岐路に立ち寄った。喜多方ラーメンの老舗「あべ食堂」のラーメンを食べようと決めていた。行列ができる有名店で、その行列に並ぶ根気がなく、一回も食べたことがなかった。一度、台風の時だったか、コロナ禍だったか、喜多方に立ち寄った際に、最大のチャンスがあった。実はどうせ混んでいるだろうと別の店でさっさとラーメンを食べた。食後に散策すると、あべ食堂に行列はなかった。滅多にない奇跡だ。喜多方ラーメンはあっさりしているので、2杯くらいは食べることはできると思う。だが僕はカロリーとか塩分のことを思い悩み、絶好の機会を逃してしまった。どこかで「ここで食べないと一生食べることが出来ないかも」という想いがあった。

今回はそんな想いを払拭すべく、例え1時間でも並んで食べようと、並々ならぬ覚悟を決めていた。そして店に行くと・・・・。嗚呼、営業していない。というか店は廃業していた。知らなかった。移転したのかもと思ったけど、聞けば間違いなく廃業だった。仕方なく僕はいつも通りの喜多方の町の巡回を続け、いつも通りの写真を撮り、あべ食堂の代わりに別の知らない店に入った。こうして旅のおまけも終わってしまった。

追伸:代わりに入った店でのことである。外から見ればラーメン店だけど、既存の別店舗と内部で繋がっていて、どちらも高齢の店主がみていた。若い女性の先客がいた。聞くともなしに聞こえる会話から、いまは県外に出ている元地元民で、店主とは小さな頃から顔馴染みのようだった。女性客は「おじちゃんがラーメンやるなんて思わなかった。凄いね」という意味のことを言っていた。それに対するおじちゃんの応えが衝撃的だった。
「何にも凄くないよ。指導するコンサルタント(多分商工会?)はいるから、誰でも作れるようになる。メニューなんかも考えてくれる。でも本当のラーメン屋は喜多方でも数えるほどで、うちみたいな店は底辺中の底辺だ。客も知らずに来る観光客くらいで(おい!)、数人しか来ない日ばかりだよ。本当にゼロの日だってある。正直、味も底辺だから仕方ない」。・・・・。確かにそうかもしれない。そして自虐ユーモアで大げさに言ったのかもしれない。でも数少ない客である僕がいる前では言うなよ(笑)。でも、おじちゃん。言うほど悪くなかったよ。専門店からの高品質麺はいまいちだったけど、スープは独特のコクがあった。この揺らぎが食の面白さでもある。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR
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会津の奥を目指す旅(終)~世に三島は四つあり

2024-09-14 | 街:福島









僕は西伊豆の出身で、現在は秋田県に住んでいる。伊豆には伊豆長岡町(現・伊豆の国市)という町がある。新潟県長岡市と区別するためのネーミングだと思う。また秋田県には湯沢市という町があり、新潟県には湯沢町という町がある。新潟の湯沢町は「越後湯沢」と称されることが多い。これも区別のためである。僕が知る限り、三島という名のつく市町村は、①愛媛県の伊予三島市、②福島県の三島町、③鹿児島県の三島村、④静岡県の三島市の4つである。他に地区名や市町村内の町名などでは沢山あると思う。状況によっては、静岡の三島市は「伊豆三島市」になった可能性があるし、福島の三島町は「会津三島町」になった可能性もある。何となくだけど、三島と名のつく町は須らく良い町で、水の綺麗なところだと思っている。僕は行く先に、例え小さな集落名であっても、三島という町を見つければ必ず立ち寄るようにしている。

そんなわけで会津の三島町に来た。先へ先へと延びる道。両脇に建つ木造の大きな家屋たち。かつて人々はここを歩いて移動したのだなと容易に想像できる。街道特有の町並みに魅了される。ここはモノクロで撮った。今回の旅では全体の3割くらいはモノクロで撮影したいと思っていた。でも会津の「色」にやられてしまい、三島町が唯一のモノクロ撮影である。こういう時にライカM10モノクロームのようにモノクロ専用機だと悩まなくて済む。例え、色に未練があってもモノクロしか撮れないのだから、嫌でも頭がモノクロモードになる。でもライカはもう手元にない。フジフィルムでもモノクロ専用機を出してくれないかなーと思っている。どことなく色に未練の残る写真になってしまった。次の旅では、この辺りを修正したいと思う。

さて、全4回(+番外編)で掲載した「会津の奥を目指す旅」もこれで終了となる。東北コンプリートも終盤に入り、完全なる未知の町は数えるほどしか残されていない。奥会津は残り少ない未知なる場所という意味であり、心わくわくする旅だった。今回は三島町で終えたが、その先にまだ町は残されている。クルマの運転距離は長くなったけど、わくわく感が勝り、思ったよりスムーズな旅だった。会津奥地への旅は近いうちに再開されるだろう。


X-PRO3 / Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical

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会津の奥を目指す旅(番外編)~緑の会津

2024-09-13 | 街:福島



会津旅シリーズは次回が最終回となる。今回は番外編である。僕は町並みを偏愛し、自然風景などはあまり撮らない。もちろん自然風景が嫌いということではない。うまく撮ろうという意思と努力と技術がないだけである(ほぼ全てないわけだけど)。今回は只見川(またはその支流)沿いにクルマを進め、折に触れ美しい光景が目に入った。少し山を昇れば、JR只見線の橋梁のビュースポットなどもあった。列車通過時間と合わなかったので行かなかったけど、きっと絶景だったと思う。只見川も夕景とか、あるいは朝靄に包まれる早朝は、えも言われぬ美しさに違いない。そういう特別な光景は撮れなかった。それでも適当にクルマを停めて、パシャっと撮るだけでも十分美しい緑の光景があった。会津は山と川と緑、冬には雪を抜きには語れない土地だと思った。



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