日中線とは旧国鉄の鉄道路線で、福島県の喜多方と熱塩温泉を結ぶ全長約12キロの路線であった。所謂「赤字ローカル線」であり、他の多くの赤字ローカル線が「第3セクター方式」で存続を図ったのに対し、日中線は国鉄末期の1984年に廃止されている。繰り返すが、国鉄時代に廃止されたのである。その旧・熱塩駅が現在でも整備メンテされ続け、「日中線記念館」として残っているのである。JR転換後、または第3セクター移行後に廃線となった路線の駅ですら残っていることは希なのに、国鉄時代の駅がここまで綺麗な状態で残っていることに対し、僕は少なからず衝撃を覚えていた。
しかし、である。今は冬季であり、現地は豪雪地帯。さすがに内部に入ることはできないだろう。せめて外観だけでも見に行こう。そんな思いで会津東山温泉からの帰路に立ち寄ったのだ。正直驚いた。この豪雪の中、入り口までの除雪がされ見学できる状態となっている。内部では照明すら点いている。喜多方市で管理しているようだが、通常こういうものは形だけ残して実情では廃れていくものだ。現在の状態を維持するには強い意志と相当の努力が伴うだろう。率直に頭が下がる想いだ。
X-PRO2 / XF14mm F2.8R
国鉄時代になぜ廃線に至る。数奇な物語がありそうですね。
でも駅舎は綺麗に保存。ロマンと謎がありそうです。