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レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

私的な岩手考察①〜水沢の町が果たした役割

2022-02-20 | 街:岩手








<キーワード①:水沢>

昨年来、「岩手県の全ての市町村で写真を撮る」ことに精力を傾けてきた。近々、そんな大げさではないが、何らかの発表をする予定でもある。今週は趣向を変えて、僕にとっての「岩手県で写真を撮ること」の意味について考えてみようと思う。岩手県は広大であり、その文化や習慣も多種多様だ。「岩手県」という一つの言葉で集約させることも困難に感じるほどだ。そんな岩手県は、僕にとって「5つ」のキーワードで集約される。これは個人的なキーワードであり、必ずしも一般的なことではない。世界遺産みたいに、実際には「及びその周辺並びに関連する云々」という但し書きが必要かもしれない。でも敢えて言えば上記の5つになる。これに関係する写真を載せていくが、新作もあれば過去記事の再掲載になることもあるだろう。使用機材の掲載も見送ることになる。

さて、今回は最初のキーワード「水沢」。東北に移住した当初、まずは物珍しさから何処に行っても面白かった。でも、「そのうちに行く場所が枯渇するのではないか」という恐怖が常に付き纏っていた。仙台とか盛岡とか弘前などの大きな町は何度行っても楽しめるとして、それ以外の町は数回行けば飽きてしまうのではないか、そう思えた。なにしろ僕は、常にどこかに出かけないと満足できない質なのである。そんな中で、偶然訪れた水沢(旧・水沢市、現・奥州市)には驚かされた。まずは写真にある「めがね橋」に魅了された。同時に武家屋敷、商店街、飲み屋街、などなど独特の町並みに好奇心が刺激された。ここは何度も訪れる価値があるかもしれない(例え、いつも同じような写真ばかり撮るとしても)。ガイドブックではなく、実際に歩いてみないと発見できない町並みもある。水沢のような町が他にもあるかもしれない。それが僕を東北中に駆り立てる契機となったことは間違いない。そして亡き、上原稔師匠との縁も水沢を通じて繋がった。今回の写真は新しく撮ったものだ。町並みはいつも通り。僕も全く同じものを撮る。それでも良い。そう思える場所である。

追伸:水沢に行き始めたもう一つの理由は、ハーフノートというジャズ喫茶があるからだ。パラゴンという弩級スピーカーの音を聴ける店だ。今回、行ってみれば閉店が決まったとのことで、喫茶店営業はしていなかった。在庫のレコードを販売しているので買ってきた。パラゴンも既に搬出されていた。寂しい限りだが、奇跡的なタイミングで立ち寄れたことは良かったと思う。



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4 コメント

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行きたかったハーフノート (azumino)
2022-02-20 11:11:16
こんにちは

水沢のハーフノートが閉店ですか。寂しいです。実は、行こう行こうとして、結局果たせなくて終わりそうです。残念です。

一関のベイシーや仙台のカウントには行ったことがあるのですが、東北のジャズ喫茶巡り、今年の春以降行きたいと考えています。コロナ退散が必要ですが。

それにしても奇跡的なタイミングですね。「ハーフノート」の写真がとりわけ気に入りました。
Unknown (上総)
2022-02-20 22:21:00
>ハーフノート
コロナの影響もあったのでしょうか?
レコードと大きなスピーカー。新しい外観。
充分な準備期間と計画があったのではと推察しました。
そして、予期せぬ社会の急変に飲み込まれたのでは。と。

ホント残念。
azuminoさん (6x6)
2022-02-21 05:48:03
残念ですね〜。
色々な想いがありますが、ここは店主の決断を尊重するしかありません。
もうパラゴンを聴ける店は、僕が行ける範囲にはなくなってしまいました。

追伸:秋田にも「ジョー・パス」、「モーニン」、そして土曜日のみ営業の「テンポ」、「ロンド」など結構ジャズ喫茶あります。
上総さん (6x6)
2022-02-21 05:51:45
マスターは、しばらく前から酸素吸入器をつけて営業していました。頭が下がりました。
そういう面に加え、感染症対策の問題もあったのかもしれません。
でもいつもジャズ喫茶なりにですが、ファンが訪れていたので本当に残念です。
完全閉店なのか、スポット的に場所を貸し出すのかなど、詳細は把握していないので、何らかの形で残ると嬉しいなと思います。

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