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癒し系獣医師の動物病院開業日誌

アニマルセラピー団体で活動している癒し系獣医師。農業団体職員から脱サラし、動物病院を開業しています!

エゾシカ

2012年06月05日 | Weblog
今日は暑い日でした。
エゾシカの話しです。
 ヨーロッパで鹿肉は“最高級の肉”との評価が定まっていますが、わが国では、野生動物を食べる習慣がほとんどないため、獣の臭いがするとか、肉が硬いなど偏見が強いのではないでしょうか。

私も、バター焼きやシチューで食べましたが、「おいしい」ですよ。
鹿肉は、高脂血症や糖尿病などの生活習慣病(成人病)患者や食物アレルギーの子たちも食べることのできる食材として注目を集めています。
北海道はエゾ鹿やヒグマを代表する野生動物による農作物被害は深刻な事態を招いており、ライフル銃の所持条件の緩和や、狩猟期間の延長といった鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の規制緩和が求められているそうです。
北海道の狩猟期間は10月1日から翌年1月31日だそうですが、エゾ鹿の狩猟期間についてはだいたい11月1日くらいですが毎年見直しが行われているそうです。これらは生態系のバランスを壊さないように解禁日を決めて、そして春はいつ頃に狩猟期間を閉めるか綿密に協議されます。

捕獲頭数はメス鹿は特に制限を決められておらず無制限ですが、オス鹿の狩猟に関しては一日につき一人一頭と決められているとのこと。
エゾ鹿は10月から12月一杯までは特に冬の前になるとこれからやってくる冬を乗り越えるためにたくさんの栄養を採り食料を溜め込むために太っていますが、しかし、1月に入ると雪が積もり、段々と餌である木の実や笹の葉も食べ尽くされ、鹿の食物も少なくなってくるので痩せてくるのだそうです。

エゾシカ肉のカロリーは、牛肉・豚肉に比べて約3分の1、タンパク質はおよそ2倍。脂質は10分の1以下、鉄分は3倍と栄養面でも優れているので適正に捕獲処理することで有効に活用したいものです。

農業や森林への被害を食い止めるのが一番の狙いで、道がエゾシカ対策室を設置しています。今や道内で65万頭を数えるまで増えています。 昨年は車との事故も2306件と過去最多を記録した。列車との衝突も後を絶たたず、安全上も見過ごせなくなってきています。

 2016年度までに40万頭以下に減らす―これが目標だそうで、それには年15万7千頭の捕獲が必要とされています。これまでの最高は10年度の約11万頭だったそうで、初めて10万頭を上回り、取り組みを強めれば結果がついてくる傾向です。
 数字を上積みすべく、11年度は、行政が行う駆除の一環として、初めて通行止めにした公道からの射撃にも踏み出した。 環境省や市町村、猟友会などと連携し、餌でおびき寄せての一斉捕獲や車で移動しながら撃つ手法を試みています。
 捕獲を拡大するためには、そうした方式に習熟したハンターの質と数の確保が欠かせない。そろそろ職業ハンターを制度的に養成する時期に来ているといわれています。
 食肉としての利用は12%程度で広げられる余地があるりますから、ペットフード向けの需要も最近はでてきているので、これに期待したいものです。



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