癒し系獣医師の動物病院開業日誌

アニマルセラピー団体で活動している癒し系獣医師。農業団体職員から脱サラし、動物病院を開業しています!

口蹄疫 その後

2010年05月31日 | 動物一般
とうとう、宮崎の黒毛和牛49頭の種牛は安楽殺されました。
これは仕方ありません。前向きに再建してほしいです。

離れた地区、えびの市はその後の感染の拡大がないようで、記事では

「家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)問題で、農林水産省と宮崎県は30日未明、えびの市で実施した清浄性確認調査について、発生農場から半径3キロ内と、周辺の牛飼養農家の計155戸の計1384頭を対象とした牛の血液検査は、動物衛生研究所(東京)でいずれも陰性と確認されたと発表。今後、移動制限区域内(半径10キロ)での牛、豚などの目視検査を実施し、ウイルスが残っていないと確認されれば、6月4日に移動・搬出制限を解除し「終息宣言」を出す。」

早くも終息宣言に向けて動くのでしょうか?
やはり、早期の対応が必要なのですね。

川南町を中心とした地域では、ワクチン接種した家畜の安楽殺と埋没作業には2ヶ月以上かかるとか?気の遠くなるような日々ですが、なんとかしのいでほしいものです。

便秘の漢方薬

2010年05月30日 | 動物医療
昨日から息子の学校に友人が5、6名家に泊まり、今日は昼からシンギスカン!
まあ、準備も大変でしたが、みんな喜んでくれました。
地方の子も多く、家庭で食べるジンギスカンもいいでしょう。

家の犬が便秘だと言ったら、東洋医学を実践している友人が「漢方」を処方してくれました。
「麻子仁丸料」と「竜胆瀉肝湯」です。前者をBID(1日2回)で3錠ずつ、後者が2錠ずつです。

麻子仁丸料(マシニーンV)は、漢方の古典・傷寒論収載の処方に基づいて作られたエキスを、飲みやすい錠剤としたものです。マシニーンV(麻子仁丸料)は、潤下(腸を潤し、蠕動を促す)のある漢方便秘薬です。便が固めの常習便秘に用いられます。

竜胆瀉肝湯リュウセーヌ)は、一貫堂・森道伯の創方による処方に基づいて作られたエキスを飲みやすい錠剤としたものです。リュウセーヌ(竜胆瀉肝湯)は、尿道や膀胱、外陰部などに炎症(充血、痛み、腫れ)のある場合に用いられます。漢方ではこの炎症を下焦の湿熱といっています。尿が濁ったり、排尿時に痛む、あるいは出しぶる、その場合しばしば下腹部が重苦しいといった方、またそういう症状をよく繰り返す場合に適しています。

投与して3日目、効いてます。
ウンチが今までのウンチと違いしっとりしてます(笑)。いかにも出やすい。

ツボ

2010年05月29日 | 動物医療
風邪をひいたのか体がだるく、なんとなくイライラします。
「肝」がやられたか?

結構分厚い「中獣医学」の本を読んでいますが、中々すっとこないですね。
何回も読まないとわからないし、読んだだけでは不十分でしょう。

いわゆるツボと何か?経路とはなにか解剖学的に調べたこともあるそうですが、解剖学的にはツボは「リンパ管」であるとの説明もあります。

果たしてそうなのか?
わかりません。

最近、我が家の犬の「ツボ」?をひとつ見つけました。
排便がなかなかできないとき、写真のように肛門をやや遠くからはさむイメージで刺激・圧迫することで、90%スムーズに排便が起きることを「経験的」に覚えました。
果たしてこのツボは?

中獣医学

2010年05月28日 | 動物医療
んー、今日はいろいろあって疲れました。
昨日、耳のつぼに刺激してもらいましたが、風呂に入って刺激したら一層よくなったようです。しばらく貼っておきます。

獣医東洋医学の普及に奔走する2名は帰っていきました。
また来てくれると思います。

幸いにも大学の同級生に会う機会が身近でも、遠くでも多くあり、これは大変ありがたいことであり、無常の喜びです。

昨日は中獣医学の講義を2本も聞かせていただいたのですが、本当に反響が大きいです。
学生さんにも好評でした。
しかし、まあ友人も言っていましたが、西洋医学を修めてから習うほうがよりいいそうです。
西洋医学だけでも東洋医学だけでも不十分で両者のバランスが必要のようです。

生命を小宇宙ととらえ、一個体として出なく宇宙の中の生命体としてとらえて、よい方向に向かわせる医学のように思いました。

漢方
鍼灸
推掌:マッサージ

この3つの手段を用いるのですが、血気を調整するということです。

病気を病名でとらえるのでなく、陰陽論と五行論により弁証法等で検証していくのだと思います・・・・・まだ感覚的に思うだけですが。

なかなか、中獣医学は本を読んでも理解が難しいですね。
実際に言葉として聞いていかないと理解ができません。
そう言う意味では特殊な学問でしょう。

写真はいただいた教科書の一部ですが、このマークは陰陽を現し、しかも耳を付けて動物を現しているようです。

今読んでいるのですが・・・・・やはり難しい。


中医学の特別講義

2010年05月27日 | 動物医療
今日もさぶかった・・・
大阪と東京から同級生が来たのですが、北海道の気温に驚いていました。

きょうは、同級生2名が母校の大学で、中医学の特別講義をするので聞かせてもらいました。
大学に東洋医学のカリキュラムをとりいれているところはないのですが、特別講義という形で実現しました。今後カリキュラムにはいればいいなぁと思います。

僕も東洋医学にも興味がありますし、小動物の現場で実践している先生ですので、大変面白く、また理解しやすかったです。
内容の詳細はまた紹介させていただきます。

今日は僕の首が回らなくて困っていたのですが、耳のつぼに刺激をあたらるテープをつけてもらい刺激したら、うそのように利きました。いや、ホント。

東洋医学は理解が難しく、効果の評価の仕方も難しい面があるのですが、勉強する価値はあります。
耳のつぼで身をもって体験しました。
ついでに二日酔いのつぼも刺激してもらいましたが・・・・・効いた。

年齢換算表

2010年05月26日 | 動物一般
何でしょう、今日はまた寒い。東京の人は「冬」とかに感じるのでは?


ある獣医系の雑誌を見ていたら犬の年齢についての表がありました。
犬の大きさによる年齢換算表は珍しいので紹介します。


犬の年齢  9kg未満    9kg以上     22.5kg以上   40.5kg以上
      22.5kg未満  40.5kg未満
5歳      36歳    37歳       40歳       42歳

6       40     42        45        49

7       44     47        50        56

10      56     60        66        78

12      64     69        77        93

15      76     83        93        115

20      96     105       120  


家の犬は9kg以上22.5kg未満ですから、目指せ15歳(現在9歳)かな?さすがに20歳はきつい。105歳ですもの!     


カプノサイトファーガ感染症

2010年05月25日 | 動物医療
庭の椿が初めてたくさん咲きました。
こんなところに少しの喜びを感じるとは・・・・

こんな記事がありました。
ズーノーシスに関する記事です。

「犬や猫の口の中にいる細菌に、2002年から14人が感染、発症し、うち6人が死亡していることが、国立感染症研究所のまとめでわかった。「カプノサイトファーガ感染症」と呼ばれるが、実態がよくわかっていない。見逃されている患者も多いとみられ、厚生労働省は24日、関係機関に文書で注意を促す。

 この細菌には、ひとが犬や猫にかまれたり、ひっかかれたり、傷口をなめられたりすると、極めてまれに感染、発熱や腹痛、吐き気などの症状が出る。発症すると血圧が急に下がり、血中で菌が増え、敗血症で亡くなることがある。高齢で免疫機能が低下した人、ステロイド剤で膠原(こうげん)病や腎炎などの治療をしている人などは注意が必要だ。抗生剤で治療できる。欧米を中心に世界で約250人の患者が報告されている。

 感染研の鈴木道雄主任研究官らが調査すると、02年以降、国内でも14人が発症、6人が死亡していた。14人のうち6人は持病がなかった。年齢は40~90代で平均は約65歳だった。

 04~07年の調べで、この感染症の原因菌が、自治体に引き取られた犬325匹の74%、猫115匹の57%から見つかった。 」

動物の口の中には常在菌はたくさんあるので、驚くには値しませんが、初めて聞く菌の名前です。まあ、パスツレラも同様にありますから、それと同様と考えていいのではないでしょうか。もし、噛まれて発熱や体のだるさを感じたら受診することが大切です。通常の抗生剤でも十分に効果がありそうです。


備え

2010年05月24日 | Weblog
我が家の庭にもようやく彩りがつきました。
いっせいに咲いて、一斉に散りますね、家のばやい。

この庭で朝と夕犬を離して、思い切り走らせてあげます。
そのときの顔はうらやましいほどうれしい?顔をしています。
犬は笑わないといいますが、笑いながら走っていると思っています。

反面、今日のように雨の日は極端に出たがりません。
雨で足が濡れるのが大嫌いのようです。
排尿のため無理して引き出しますが、すぐに帰りたがります。
まあ、わかりやすい犬です。
それでも、庭は濡れていても平気のようで、矛盾しているのですが・・・・

犬が散歩に出たがらない時は、病気の重要なサインですから、「今日はたまたま気が乗らないだけだ」と決め付けず、続くようなら迷わず受診しましょう。
まあ、家の犬の場合のように原因がはっきりと、「雨に濡れたくない」のようにはっきりしている場合は別ですが・・・・・

口蹄疫の支援体制は北海道でも組みつつあります。
道の職員だけでなく、農業団体への支援要請があるかもしれません。
備えあり・・・です。

仮性認知賞

2010年05月23日 | Weblog
今日は天気がよかったので家庭菜園に「種」を蒔きました。
いつもはトマトやきゅうりなどの苗を植えるのですが、今年は方針を転換して
緑黄野菜、インゲン、バジル、しそ等にして「種」で植えました。
やはり、種から育てるほうが楽しそうです。

高校時代の同級生が精神科医になり、メンタルコンサルテーション分野で活躍して本も出していると聞いて、購入して読んでいたのですが、その中に「仮性痴呆」という病状が書かれていました。

アニマルセラピーの分野では「認知症」の方と触れ合う機会が多く「認知症:については結構勉強したのですが、この「仮性痴呆」というのは初めて知りました。

高齢者が配偶者や友人との死に別れによる喪失体験や身体的機能の低下、社会的役割の低下等により、「被害妄想の発現」や「物忘れが激しい」のどの「認知症」の症状がでて、「ボケだからしょうがない」と積極的対応がとられないことがあるそうです。
実際に診察して、「うつ病」が判明して、うつの治療をすること症状が大きく改善することもあるそうです。

うつ病は年代によって症状がさまざますので、特に高齢者の場合は注意が必要なようです。

メンタル医療の分野の本は結構読みましたが、この本はわかりやすくていい本でした。

肝機能とタウリン

2010年05月22日 | 動物医療
今日は休みでしたので、実家の犬の定期健診をしました。
最近、散歩を喜ばないとのこと。

採血から検査まで知人の病院で全部自分でやらしてもらいましたが、肝機能が相当悪かったですね。
GOT185IU/L
GPT265IU/L
と特にGOT(AST)が正常値を大幅に超えています。

即座にタウリンとウルデナシンを処方です。
タウリンは肝臓の機能改善に非常によく、
【タウリンの効用】
・胆汁分泌促進作用
・過酸化脂質抑制作用
・肝細胞膜安定化作用

タウリンには、上記のような作用が急性肝炎にともな胆汁うっ帯や悪化を改善します。
急性肝炎への効果が証明された薬は、タウリンだけだそうです。
まあ、食べ物で言えば「シジミ汁」がいいのでしょうけど、犬は飲まないので。
でも今日検査してよかったです。原因らしいのものがわかりましたので。