癒し系獣医師の動物病院開業日誌

アニマルセラピー団体で活動している癒し系獣医師。農業団体職員から脱サラし、動物病院を開業しています!

現在の鉄の肺

2010年01月31日 | Weblog
昨日、鉄の肺について書かせていただきましたが、アクセス数が異常に高かったです。
珍しい用語がでるとあがるの?

昨晩は大学の所属していた教室の会がありまして、少し遅い新年会でした。
我が大学も受験生の減少に晒されることになり、大学改革が必要な時期になってきたようです。農業系単科大学が存続するには今の時代は厳しいようです。そのため思い切った改革が必要なんでしょうね。校名問題もその一端です。

まあ、それはともかく、同じ仲間というのは世代を超えていいものです。
飲みながらいろんな話しができました。

写真は鉄の肺の進化したものですね。
人工呼吸器です。
こんなにスマートになりましたし、動物病院でも普通に見られます。
気管挿管して一回換気量、回数、換気時間とか設定すればOKだそうです。
挿管するための鎮静には獣医師によって手法は様々ようで、何とか方式というのが沢山あります。単剤でなくミックスすることで全体の薬剤が少なくてすんだり、すぐれた鎮静効果が得られたります。
この辺が、獣医師のこだわりの部分のようです。

それにしても、今の麻酔は本当に安全ですよ。人工呼吸器もありますし、心電計を初めとしたモニターをそろえているところが多いですから。

鉄の肺

2010年01月30日 | Weblog
「鉄の肺」という言葉をご存知ですか?

ポリオや重症筋無力症などで呼吸麻痺に陥った患者を収容する人工呼吸器械。1927年アメリカのフィリップ・ドリンガーによって発明されたそうです。
鉄製円筒形の気密室で,患者は首だけ外に出してこの中に封じこまれるので自由が利きませんが。

患者の首から下を気密タンクに入れ、タンク内を間歇的に陰圧にする。タンク内を陰圧(-7 - -15センチメートル水中)にすると、患者の胸郭が広げられて吸気がおこり、平圧に戻すと胸郭の弾性によって肺がしぼんで呼気がおこる。
1928年、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンのハーバード大学公衆衛生スクール(Harvard School of Public Health)のフィリップ・ドリンカー(Philip Drinker)、ルイス・A・ショー(Louis A. Shaw)らが、ポリオによる呼吸不全を治療するために実用化したそうです。
1950年代までは広範に用いられていましたが、装置が大がかりで高価なこと、頭部以外の全身をタンクが覆うために患者のケアが難しい等で今は使われていません。

ものものしい装置ですが、この時代はこの装置で生き延びた方がいるのです。
今は博物館にしかありませんが。

何より、陽圧換気による人工呼吸器が普及したことなどもあり、現在では使われていない
所謂現在のベンチレーター(人工呼吸器)です。
ちなみにベンチレーターを使って気管挿管して抜管したあと、自発呼吸が再開するのですが、それまでの間には妙な緊張感があります。
「戻ってこいよ!」ってね。

インドの医療ビジネス

2010年01月29日 | Weblog
you tubeの画像をイロイロ観ていたら、2007年のBSで放送された「インドの医療ビジネス」という動画がありました。

インドのメディカル・ツーリズムの現状を紹介していました。つまり、医療を受けにインドにきてついでに観光もしていくというものです。
インドに先進国から患者がやってくるのは単に医療費が安いという理由だけではなく、インドから積極的に欧米に留学して技術を身につけて母国に帰り、インドで技術を行使するのです。人件費の安さから、アメリカで行なえば600万円はかかる心臓血管バイパス手術がインドでは60万円で済みます。これだと渡航費用と観光をしても相当まだお得です。

インド人の国民性からして理数系に強く、技術力も先進国に引けを取らないばかりか逆に優れているのです。
何せ人件費が安いのですが、母国に還元する姿勢がインド人の強みでしょうか。
インドの医療システムはもともとは公的医療機関が主流だったようですが、巨大な病院グループもできているようです。Apollo Hospitalやfortisといった民間企業が巨大市場を形成している。

医療ビジネスはもはや国策となっているようです。
日本もアジアの市場に支えられていますが、何か国家プロジェクトで国を発展させていくことも考えないと、中国やインドにあっという間に差をつけられるのでは?

アルゼンチンおよびメキシコの医薬品市場が拡大しているそうですよ・・・・・・

何かないですかね、いいビジネス?


安楽死

2010年01月28日 | 動物一般
今朝は暖かでしたが、夕方から急に寒くなりました。
まだまだ朝は暗いです。

日本では犬の管理センターで保護されて、譲渡先の見つからない犬や猫の処分がどの程度行なわれているかわかりませんが、恐らく何十万頭という数に昇ると思われます。
不幸な動物を作りたくありませんが、行政も一所懸命やって、結果はしかし、最後は安楽殺をせざるを得ないのだと思います。想像するだけでも本当に胸が締め付けられる思いで、一番辛いのは処分している方々本人でしょう。安楽殺ではなく、「処分」にならざるを得ません。
何よりも動物も安楽殺とはいえ、二酸化炭素で窒息される場合はかなり苦しんで死ななくてはなりません。

欧米では日本よりアニマルシェルターが多くあるのでまだいいのかもしれませんが、最後は同じような対応だと想像します。

何とかいい方法がないかととも思うのですが、永遠のテーマでしょうか?

一方、日本人の死生観からすると、通常の「安楽殺」は忌避したい行為で、我々獣医師も忌避したいのは同じです。しかし、止む無く安楽殺をしなくてはならないときもあります。また、動物を病気の苦痛から解放するために行なわなくてはならないときもあるものです。

安楽殺というと、ブラックジャクの「Dr.キリコ」を思いだいます。
ブラックジャクは絶対に安楽死に反対でした。

欧米の飼い主は一般的にこう考えると言われています。犬が苦しんでいる時に、それ以上苦痛を与え続けないために安楽死を選択することは、飼い主ができる最後の愛の行為なのだ。」
しかし、日本人のほとんどは安楽死を考えようとはしないでしょう。

悩ましい問題です。
最近なぜか「安楽死」という言葉が気になるようになりました。
年のせいかなぁ・・・・・・

乳母馬

2010年01月27日 | 動物一般
今日は比較的暖かく、雪も結構融けました。
寒さもこれくらいがいいのかもしれませんが、寒い期間は寒い方がいいかな?

突然「乳母」ということばが浮かびました。
理由は深い理由はないのですが・・・

乳母とは母親に代わって子育てをする女性のことですが、乳母馬というものがあり、
母馬が死亡したりしたことで子馬を育てられなくなった場合に乳母馬をあてがうことがあります。人工哺乳という方法もあるのですが、本物の母乳で育てたほうがいいという考えがあるようです。
軽種馬の場合、乳母馬は軽種ではなく重種馬である場合がほとんどのようです。
馬の性質上重種馬のほうが扱いやすいらしいですね。

それにしても、この乳母を用意すること事体が結構大変のような気がします。
母乳のでる馬を借りてきて、子馬を育てるわけですから、タイミングよくそういう馬がいるかどうか分かりませんね。

人工乳だと栄養素の点で母乳にはかなわないでしょうし、経費もバカになりません。
子馬に乳牛の乳をあたえてはどうかな?と思いましたが、悪くはないと思いますが、どうか?牛の乳なら沢山あるので。でも種が異なるので栄養面では問題ありうそうですね。

ちなみに、人間の母乳育児率はおよそ4割でこれはここ20年くらい変動がないようです。
僕は母乳で育てられましたとさ!

森林浴

2010年01月26日 | Weblog
今日は強烈に寒いですね。
早朝の気温より下がっています。
冷蔵庫ではなく、冷凍庫の中のようです。

昨日はアニマルセラピーの効果について科学的分析がどうなっているか照会しましたが、
森林浴という言葉があります。森林浴も癒しの代表的なもののひとつですが、言葉としては新しいんです。森林浴ということばは1982年に、当時、林野庁長官だった秋山智英さんが初めて提唱されました。外国にはこういうことばはないようです。
森林浴が気持ちいいことはわかるのですが、やはり森林浴でどのように生理的な効果があるのかがは議論になっています。しかし、少しずつ明らかになってきました。森林浴による快適性の増進効果を、科学的に証明することができるようになりつつあるようです。

脳活動を近赤外線で測る方法で・・・・・
「中枢神経系の脳活動を測る方法として、最近開発された近赤外線を使った分析方法を使います。脳血流の動きが変化すると血液中のヘモグロビンの濃度が変化します。ヘモグロビンの濃度変化は近赤外線の吸収特性の違いとなって現れます。これを利用して、被験者のひたいに近赤外線をあて、脳の前頭前野の血流量を測定します。
 血流量が下がれば、脳活動が沈静化している、つまりはリラックスしていると考えられます。もともとは室内用の測定機械で、野外での測定では、測定器に光の影響を与えないようにするのが大変困難なのですが、千葉県の里山で行った実験が唯一あります。森林浴での脳活動と千葉駅前での結果を比べて、森の方が脳活動は沈静化し、リラックスする傾向が見られる」 

ということらしいです。
そのほか

・ 血圧、心拍変動とホルモンでストレス度を測る
・NK細胞活性などで表される免疫能
・唾液中のコルチゾール濃度
・森林の空気中にあるさまざまな物質
・光、温熱環境
等々で癒しの検証が行なわれているそうです。

まあ、なんだかんだ行って癒すの本質を分析するのは難しいというのが僕の感想です。
分析できないからいいのです・・・・・

僕も「森林浴」 大好きです。

癒しの科学的検証

2010年01月25日 | アニマルセラピー
最近はメード喫茶に続いて、執事喫茶があるとか?
男が女性に「お嬢様」とか言うのでしょうか?まあ、これも一種の癒しなのでしょうかね?
初めて「執事喫茶」と聞いたとき、一瞬「えっ、ひつじ喫茶?」と聞き返してしまいましたが?

さて、
ペットが人に与える「癒し」は、如何なる生理的な変化であるか調べたレポートがありましたので読ませていただき、概要を紹介させていただきます。

「ペットが人の心を癒し、人の健康増進にも深く関わっているのではないだろうか」という疑問を科学的に検証する研究の中では「1980年Friedmann博士らの、ペットの飼い主が、飼い主でない人よりも心臓病退院1年後の生存率が高かったことを報告した。」ものが有名です。

人がペットから受ける健康上の恩恵には2つの仮説があり、仮説の一は、飼い主がペットと共に運動することによる健康への効果。仮説の二は、ペットそのものがストレスを軽減するという健康への効果ですが、本当のところはまだ不明と言っていいでしょう。

人の体の様々な機能は、神経系と内分泌系(ホルモンと呼ばれる)によって調節されていまして、神経系には人の意思により制御できる神経(運動神経や感覚神経)と、意思により制御できない自律神経系の2種類があるのはご存知でしょうか。
さらに自律神経系には相反する作用を持つ交感神経と副交感神経がありますね。
心臓を例に取ると、交感神経が働くと心拍数は増加し、副交感神経が働くと心拍数は低下する。これら自律神経は全身の臓器に分布し、交感神経が働いている時は「緊張しているような状態」であり、逆に副交感神経が働いている時は「リラックスした状態」です。

研究サポートでは、犬が人に与える効果を自律神経の変化という面から検討されていて、第1の研究では健康な高齢者(男女13名:平均年齢67.5歳)に、犬との散歩を30分行い、その間の自律神経活性の変化を測定。また、この犬との散歩を3日間連続で行い、自律神経活性の変化を測定。第2の研究では高齢者(女性4名:平均年齢71.0歳)に自律神経解析装置を6時間装着し普段の生活を過ごしてもらい、その間2回の犬の訪問を実施し自律神経活性の変化を測定したそうです。

犬との散歩による自律神経の変化については、単独の散歩と犬との散歩を比較すると、副交感神経活性は犬との散歩の方がより高かったそうです。また、3日間連続で実施した犬との散歩では回を重ねるごとに、副交感神経活性値は増加し、交感神経活性値は抑制されたそうです。

さらに、高齢者が日常生活を過ごす中で犬の訪問を2回実施した研究では、犬の訪問に一致し、かつ訪問時のみに副交感神経活性値が高いことが観察されたとのこと。注目すべき点は、犬が訪問した普通の生活時(非運動時)と犬との散歩時(運動時)を比較すると、犬と過ごす非運動時の方が、副交感神経活性値は高く、交感神経活性値は低いと言う結果が得られた点だそうです。

これらの結果が示すところは、犬の存在そのものが人の自律神経に影響を与えると言う可能性を示唆していると説明しています。他方、犬との散歩は楽しく運動できると言う点で、運動による健康上の効果も期待できますね。しかし、犬が人に与える効果は、犬そのものにあると言う可能性を示唆しています。つまり、現在提唱されている人がペットから受ける健康上の恩恵についての2仮説のうち、今回の結果からはペットそのものがストレスを軽減すると言う仮説がより強く支持できるとの結論です。

では、犬と触れあうことが如何にして自律神経の変化を招くのであろうか。近年の研究報告によると、人が犬と接した感覚は大脳皮質へ入り扁桃体から視床下部・中脳をへて自律神経系へと伝わることが報告されている。つまり、ペットが人に与える効果について、様々な学問分野の研究が加わり、科学的にその詳細が解明されつつある。

ともかくも、ペットと過ごすことで副交感神経がより働けば、ストレスを緩和し、様々な疾患を回避し、高齢者における予防医学的観点からも有用であることは疑いのない点とされているようです。

僕自身はやはり、一緒に散歩して運動との相乗効果があるときに最も効果が高いのではないかと考えていますが、皆さんはどう感じますか?


フリーマーチン

2010年01月24日 | Weblog
今日は町内会の新年会でした。
毎回参加者は30名前後ですが、いい交流です。
皆さん高齢の方がほとんどで、話題も病気だとか天気、雪、世の中の変化といったたわいないことですが、それで結構楽しそうです。参加者の中でいつも僕が一番「若い」のですが、今日はお子さんだけの参加が2名いました。女の子で小学校1、2年生です。それだけで盛り上がりますから、いい町内会です。

牛が出産してオスメスの双子だった時、農家の人が「いやー、フリーマーチンだでや」なんていうことがあります。
牛の双子は結構みられるのですが、その内オスメスの双子は要注意です。それはメスがフリーマーチンである確率が高いからです。
フリーマーチンとは牛の異性多胎において雌胎子が生殖器の分化に異常をきたし、不妊となる個体を指します。牛の異性多胎では雌の90%以上がフリーマーチンとなる。フリーマーチンでは外部生殖器は正常に見えるが、雌雄両性の内部生殖器を持つのです。膣長は正常牛の1/3程度で性染色体はXX/XYのキメラを示す。フリーマーチンの発生率は異性多胎の発生率に依存し、その発生率はホルスタイン種では1〜2%であるといわれています。フリーマーチンの原因として雄胎子からのアンドロゲン、メダラリンの作用、Y染色体上の雄性決定誘導体H-Y抗原の関与が検討されているが、未だ十分に分かっていません。

ただし、妊娠初期に異性双子の胎盤の血管が吻合した場合、雄胎子の血液成分が雌胎子に影響し、雌は不妊となります。血管吻合は同時に血液キメラを発生させるので、血液キメラの有無を調べれば、フリーマーチンであるか否かを推定できるので、検査にだして調べるケースが増えてきたようです。

なお、牛だけでなく、他の動物にもあり得ることのようです。
 

不況の中のペット業界

2010年01月23日 | 動物一般
日本のペット産業・市場は、この10年でめざましい成長を遂げ、1兆円超産業となり、日本国内における産業の一区分としてはっきりと認識されるようになりました。推定市場規模は、ペットフード約4,000億円、ペット医療約3000億円、ペット用品約2,000億円、その他ペット関連サービス約1000億円とされ、その拡大規模、成熟度は、アジアのみならず世界各国が注目を集めているとか。
2009年は景気の二番底が言われるくらい非常に厳しい年でしたが、ペット業界だけは成長を維持しています。スーパー業界の食料品といった生活必需品でさえ、5%近く売り上げが減って、節約が進む中でペットが別格なのは何故のでしょう?
答えは分かりませんが、ペットから得る「癒し」がすでに生活必需品以上の存在になっているとしかいいようがありません。
動物病院も厳しい中で、診療収入を聞くと「伸びてはいないけど、大幅に減ってもいない」という返事が多いのです。確かに医薬品の伸びは厳しいものがあるのかもしれませんが、世の中一般よりはましのようです。
犬猫の飼育頭数も2007年現在2,552万頭(ペットフード工業会調査)と過去最高を記録し、ペット飼育に関する関心度も年々高まっています。ペットの位置づけも愛玩、鑑賞のための存在から、家族の一員、共生パートナーへと変化し、ペット関連の消費行動もより旺盛になっていますので、この業界は一番の成長産業かもしれないと思っています。

小さな警察犬

2010年01月22日 | 動物一般
いや、今朝はサブかった。
マイナス10度近かったです。

日本一小さい警察犬の話しです。
体重約6キロ、体高約30センチのかわいい警察犬が、和歌山県で誕生したとのこと。全身がもじゃもじゃの毛に覆われたミニチュアシュナウザー(オス、3歳)で、登録名は「クリーク号」。元の名前は「くぅ」。おそらく日本一小さな警察犬だすです。

 警察犬は大型犬で、精悍(せいかん)な顔つきにすらりとした体のシェパードや、盲導犬としても活躍するラブラドルレトリバーが多いのですが、訓練所や飼い主らでつくる日本警察犬協会によると、「くぅ」のような小型犬が警察犬になったのは「聞いたことがないし、協会の記録にもない」ということです。

 警察犬になれる犬の種類を指定していると思っていたのですが、和歌山県警は「能力があればどんな犬でもオッケー」と、種類を限定していないらしいですね。
匂いの嗅ぎわけと、しつけができれば問題ないのですね。

 「くぅ」は和歌山県日高町生まれで、クウクウと鳴いて甘えることから名付けられた。  6カ月の時に和歌山市内の警察犬訓練所に預けられたそうで、まだ訓練中です。

それにしてもかわいらしいですね。
コーギーの警察犬でないかな・・・・・