羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-

2015-04-03 20:28:48 | 日記
実話ベースで賑やかせないから戦争物にしては地味に展開するが、後半は物語としては地味でも『そりゃあそうなる』ということの積み重ねでグッとくるものがあった。
勿論フィクションで根本的な付け足しもあるけど、普通もっと派手に付け足すところをやらない作風。左派的煽りも右派的煽りも薄く、わりとあっさり。最後、結構生き残っちゃうもんね。実際生き残った人達の話って、止める切っ掛けを上手く選べた人達、選べる所まで生き残った人達だから案外状況の整理の結果で、そこでの思想云々っていうのは状況を構成する要素に過ぎなかったのかもしれない。交渉で上官の命令を求める件も精神論というよりその場で使われているシステムの問題。それを理解して、実行する実在モデルの主人公が何だか斬新だった。
看護婦から赤ん坊を受け取るシーンや最後半痩せた大尉が茂みから出てくるシーンは見せ場で、地味ながらそれはキッチリ成立していた。受け取る女は憎しみを持って銃を取った経緯が有り、ちゃんと痩せこけた大尉は非常に地味な主人公ながらそういうことする人物だった。
収容所の警備がユルユルなのはちょっとウケたが、米軍としては『もう戦ってるという程の状況じゃない』訳で、幕は降りてるのに舞台から降りれない日本兵達の暖簾に腕押し感も出てた、かな?