今、世界の人々にとって大事なことは、「唯物論に基ずく科学文明の発達はあるけれ、そのままだと人間は、自分自身がいったいどういう存在であるかということを忘れる危機にある」と言う事を知ることです。
例えば、「自分自身の肉体に魂が宿っており、実在界(あの世)とこの世を行ったり来たりしながら、魂修行をしている」ということなど、昔の人であればみな知っていました。
ところが、そうしたことを忘れ去って、この世のものだけが豊富になったり、便利になったりしているわけです。
それだけでは人間として本当に進歩したと言えるのか、非常に疑わしい部分があるでしょう。
「自分を機械とおなじように扱って、喜ぶ人間」というのは非常に悲しい存在だと思います。
「人間には、自分自身にも、他の人にも、そのなかに尊いもの、つまり神の一部としての尊い光が宿っている」ということが分からないのは悲しいことだと思います。
それは、「そこまで心が曇っている」ということですが、この曇りを晴らしたら、見えてくるものがあるわけです。
やはり、そうして見えてくる、人間としての本来のあり方をきちんと持って、この世で生きるべきでしょう。それから、、「あの世の世界が実在の世界であり、そちらにしっかりとかえれるような生き方を、この世でしなければならない」ということです。
また、「神様、仏様はあの世にかえると消滅してしまい、二度とこの世に帰ってこない存在ではないのだ。
この世において人々を導いたような立派な人たちは、あの世に帰っても、きちんと地上の人々を指導しているのだ」ということを知っていただきたいと思います。
簡単なことではありますが、宗教の根本の部分は、こういうところにあるわけです。
大川隆法 著「日本建国の原点」より抜粋