「ねこ背は治る! 知るだけで体が改善する『4つの意識』」(自由国民社)の本の
著者、東京都荒川区で気功治療院を開いている小池義孝さん(39)に話を
聞いた。
2006年に治療院を開いた小池さんは、ねこ背の原因は重心ではないかと気づき、
正しい立ち方を教え始めた。
「知るだけで改善するので、喜んでもらえた。多くの人に知ってほしいと本を書き
ました」。呼吸、ねこ背、腕力、歩行について書いているが、ねこ背を治す知識は
「太い方のすねの骨(脛(けい)骨)」に乗って正しく立つだけ。
指導では実感しやすい呼吸の話から始める。
「肺は普段イメージしている以上に大きい。実際の肺の大きさを図で見せ、鎖骨の
上や背中が動くまで肺に息を吸い込むと、深い呼吸ができるようになります」
次は、姿勢の番だ。
「まずは、ねこ背が困難な姿勢をとってもらいます。それが、ひざ立ちです」。
ひざの1点で体を支えるひざ立ちは、太ももの骨(大腿(だいたい)骨)に重心が
かかり、よい姿勢に楽に到達できる。この感覚を体に覚え込ませてから、立ち
上がってみる。脛骨にまっすぐ乗る意識を持つと、すっと背筋が伸びてくる。
最後に「元気が出る歩き方」を教えてもらった。
「足の付け根がみぞおちの下あたりにある、と意識して歩いてみて下さい」。
大腿骨には大腰(だいよう)筋という筋肉がついている。みぞおちの下あたりの
背骨につながっていて、そこを起点に大腿骨を動かしている。筋肉の「起点」は
股関節よりずっと上にある、というわけだ。
「大腰筋を使っていい姿勢で歩くと、メンタル面にもいい影響があります」と
小池さん。
「ねこ背が治ると、気持ちも前向きになります。いい姿勢で後ろ向きの
ことを考えるのは難しい」。
(2012年10月23日 朝日新聞)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます