アナーキー小池の反体制日記

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#273 金川真大というヒトの存在

2009年06月03日 | 犯罪と防犯と審判
昨年5月に起きた土浦8人殺傷事件の第2回公判が、今日地元で行われました。
公判内容がネットで詳しく記されています。

金川真大という名の青年が裁かれています。
検察、弁護双方が、金川本人、その父親に尋問しています。

ボクの予想を越えた"犯罪"です。
近年のサイコパスによる犯罪とは一線を画しています。
宅間守の犯罪にも驚愕しましたが、今回のはそのレベルが違います。

社会に対し恨みを持つでもなく、ある特定の人へ恨みを持つでもなく、ただ死にたかった。
自殺をするにも"痛い"のでしたくない。
たくさんの人を殺せば、安楽に死を迎えられる死刑になれる。
そのために大量殺傷を行った。

逮捕後、彼が言っている事に揺らぎが無いんだそうです。
そして「死刑になるのにこれほどの手続きと時間がかかるとは思わなかった」と嘆いているそうです。
また、判決は罰ではなくご褒美だとも思っているようです。

近年のこの種の犯罪者は、社会に対する恨み、特定の人物に対する(逆)恨みが根底としてあり、自暴自棄になって罪を犯すのがほとんどだと思います。
また犯罪の前も、粗暴な行動が目に付いた人が多いのです。

金川の場合は違います。
その違いが、ボクには理解できず、不気味に感じるのです。

刑罰(それも死刑)が犯罪の動機になる、こんな皮肉なことはありません。
公判でも"早く死刑になりたい"被告に対し、検察が口を極めて悪事を追求していましたが、価値観の全く違う、別のテーブルでのやり取りのように感じました。

死刑制度が凶悪犯罪の抑制になるどころか、死刑制度が凶悪犯罪の動機になってしまいました。
ボクがこのブログで度々取り上げている、死刑制度の廃止にも繋がります。
また同じく度々取り上げている、自死を認め、安楽死を合法化する法制度の整備を行うのも、この手の犯罪を未然に防ぐ方法かと思います。

・・・
この公判では検察、弁護双方から金川真大の父親に対し、「(両親の)子供の育て方に問題があったのではないか?」との質問がしつこく出されています。
そんなものではありません。
社会的な罰を受け続けている両親に、こんな言葉をぶつけるのは「お前!死んでしまえ!」と言っているようなものです。
なんともやりきれない思いがします。
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