オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

ストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」

2016年02月02日 13時59分37秒 | 私の名曲アルバム
今まで当ブログではグラシック音楽のカテゴリーは「音楽」「今日聴いたCD」「オペラ」の3つでしたが新たに「私の名曲アルバム」を加えました。
いろいろな作品への思い、思い出などは、こちらのカテゴリーに加えます。
おそらく、かなり気分しだいの行き当たりばったりとなると予想されますが、いろいろな曲目が登場して、長く続くと私の名曲手帳になると思います。
第1回はストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」でスタートしますが、先週の「ブラームスのヴァイオリン協奏曲への思い」も、こちらのカテゴリーに変更しました。
当ブログが続く限り続けたいと思います。


全米フィギュアスケート選手権が終わって欧州選手権を挟んで日も経ってきているというのに、毎晩必ず見ているのが、全米選手権でのグレーシー・ゴールドのフリーでの「火の鳥」の演技である。
このストラヴィンスキーのバレエ音楽はフィギュアスケートのプログラムでよく登場する、すっかりお馴染みの曲となりました。過去では安藤美姫さんや中野友加里さんのプログラムでも、強い印象に残しましたが、今回の全米選手権でのゴールドの演技は最高でした、正に火の鳥が氷上に舞っているようで、目も耳も釘付けになりました。
さて2009年、中野友加里さんが、この年のシーズンのプログラムを「火の鳥」と発表した時、当ブログで、この作品を紹介しました。
この時のコメントを紹介します。何か手抜きのようで申し訳ございません。これ以上のコメントは出来ないと思うので・・・。

(2009年5月9日、再録)
「火の鳥」は「春の祭典」「ぺトルーシュカ」と並ぶストラヴィンスキーの三大バレエの一つであり一番最初の作品である。
世界のバレエ界を席捲していたロシア・バレエ団の主催者ディアギレフの依頼により1909年冬から翌年の春にかけてかなり短い時間に作曲される。1910年の6月25日、パリのオペラ座でディアギレフ・ロシア・バレエ団によって初演され、無名だったストラヴィンスキーの名前が一躍有名となった作品である。当時ストラヴィンスキーは28歳の若さであった。
「火の鳥」はロシアに古くから伝わるおとぎ話から題材を得た作品である。

狩に出た若い王子イワンは夜になって魔王カスチェイの庭園に迷い込む。そこで黄金のリンゴの実る樹の周りをはばたく火の鳥を見つけ捕らえる。しかし捕らえた火の鳥の願いにより放すことになる。そして、その恩返しに1本の羽をもらったが、その羽には魔力を除く力を持っていた。
そこへ魔法をかけられた13人の王女たちが現れ、王子はその中で一番美しいツァレーヴナに恋をする。しかし王女たちは魔王カスチェイの捕らわれの身であり、捕まった男たちは石にされるという事を知らされる。
彼女たちと魔王の宮殿にはいると、魔王の手下に捕らえられ魔法により石にされそうになるが、王子は火の鳥からもらった羽を振ると魔法がかからないばかりか、再び火の鳥が現れる。そして火の鳥は王子に手箱に隠された卵による魔王カスチェイの不死の秘密を教える。
王子はこの手箱を探し出し卵を見つけ、この卵を地面にたたきつける。すると魔法は消え、捕らわれていた王女たちは自由の身に、石にされていた男たちも元に戻る。
そして王子は美しい王女ツァレーヴナに求婚し、大団円のフィナーレとなる。

ストラヴィンスキーはこのバレエ音楽を三度、演奏会用に組曲に編曲している。一般によく演奏されたり録音されるのは組曲形式である。(1911年版、1919年版、1945年版)現在、よく演奏されるのは1919年版である。
私が初めて「火の鳥」を聴いたのは高校生の時、テレビの放送による組曲による演奏で、残念ながら、あまり魅力を感じなかった。その後、1972録音の小澤征爾指揮パリ管弦楽団の全曲録音のレコードを聴いて本当に驚いた。全く違う作品のように聴こえたからである。
全曲は演奏時間が約45分であるが組曲は約20分である。そしてオリジナルの全曲版は管奏が舞台上が34人の4管の大編成のオケによる演奏であるが、よく演奏される1919年版の組曲は管奏は少なくなり18人の2管編成のオケによる演奏である。
全曲版はオケの編成が大きいのはけっして大きな音を出すだけではなく個々の楽器から出る色彩感を多彩に出すためだと思います。はじめて小澤さんの全曲録音を聴いて組曲と別物のように聴こえたのは、この点かもしれません。
組曲を指揮する指揮者は多数いますが全曲を指揮する指揮者となるとかなり限られてくるようです。オリジナルの全曲で録音しているのはブーレーズ、小澤征爾、デュトワ、アンセルメ、そしてコリン・デイヴィスといった顔ぶれでスペシャリストの顔が見えてきます。


今、私の「火の鳥」全曲盤の愛聴盤は1910年オリジナル版によるコリン・デイビス指揮ロイヤル・コンセルト・ヘボウ管弦楽団による録音です。(国内盤 PHILIPS UCCP-3202) 1978年11月アムステルダムにて録音。
PHILIPSは現在DECCAに吸収されてしまいましたが、私の持っているCDのロゴは当然ながらPHILIPSと表示されています。(ここが大切)
名門ロイヤル・コンセルト・ヘボウ管弦楽団の底力のある響きは正に極上で、他にも、いろいろと録音はありますが、やっぱり私は、このデイビス盤が一番好きです。
また当時のPHILIPSのアナログ録音の素晴らしさ!
同じストラヴィンスキーのバレエ音楽の「春の祭典」も、このコンビで最高の録音があり、この時期のロイヤル・コンセルト・ヘボウ管弦楽団は最高だったのではと思ったりします。

さてさてフィギュアスケートのグレーシー・ゴールドの「火の鳥」のプログラム。
音源を当然ながら組曲からではなく全曲版からである。
曲目は演奏順ではなく、ランダムに曲目が並んでいて、ゴールドの演技の要素に合わせて並べられていると言えるでしょう。
演技順に次の曲目が登場しています。

①火の鳥の嘆願
②カスチェンたち一党の凶悪な踊り
③火の鳥の踊り
④王女たちのロンド
⑤カスチェン城と魔法の消滅~石にされていた騎士たちの復活、大団円(終曲)

今年の3月の世界選手権はゴールドの自国アメリカ(ボストン)での開催。
この前の全米選手権同様、大いに会場を沸かせて欲しいものです。




2016年、全米選手権より


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