「孤狼の血」 作者=柚月 裕子
「第69回日本推理作家協会賞」受賞、「本の雑誌が選ぶ2015年度ベスト10」第2位、「このミステリーがすごい!」(2016年度版)第3位、「第154回直木賞」ノミネート。
作者は「『仁義なき戦い』なくしては生まれなかった作品と云っているようです。女性作家ですが、男性的な感性を感じます。
刑事ものハードボイルド小説です。
暴力団担当の刑事 大上 は暴力団以上に暴力的な印象で、通称は、ガミさん。
暴力団との癒着が噂され監察も調査対象としているらしい人物。
その大上巡査部長の下に配属された新人 日岡 が絡み広島の暴力団の抗争を中心に物語が進んでいきます。
暴力団担当の刑事としての矜持が強く感じられる作品で、毒をもって毒を制すという思想が流れていると感じられます。
周囲を固めるキャラクターも面白い。
来春には、映画化される予定で広島県で撮影中らしい。