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ハードボイルド作家 原 尞 氏が作った 私立探偵・沢崎 

2017-06-17 22:22:55 | 日記
原 尞 (ハラ リョウ )

西新宿の外れに探偵事務所を構える 私立探偵 沢崎 が主人公となるシリーズです。
 
「天使たちの探偵」を除きすべて長編となります。

暫くすると再び、読みたくなるハードボイルドな空気が濃厚な作品群です。

1988年4月  「そして夜は甦る」 ハヤカワ文庫   長編デビュー作です。

1889年10月 「私が殺した少女」  "  "  直木賞受賞作
    
1995年1月   「さらば長き眠り」  " "

2004年11月  「愚か者死すべし」 " "

1990年4月   「天使たちの探偵」 "  "   短編集


デビー作「そして夜は甦る」の裏表紙に「・・・いきのいいセリフ、緊密なプロツト。
チャンドラーに捧げられた記念すべき長編デビー作」と書かれているとおり、
日本版チャンドラーの匂いが濃厚です。
著者は、フリージャズのピアニストでしたが、推理小説に傾倒し、この処女作を早川書房に送り出版されました。

気が効いたセリフと物語にどんでん返しが効果的に配置され、ミステリーの要素も強く、楽しめます。

なにより「沢崎」という魅力的な探偵を登場させることができた点が素晴らしいところです。

現在は故郷の佐賀県鳥栖にいるらしいですが、2004年11月 「愚か者死すべし」以降 作品の発表はないようです。

水墨画的世界へ向かう日本的な書き方をせず、欧米的な厚塗りな小説です。

チャンドラーを意識すると、やはり圧倒的な比喩と諧謔の世界になるのだと思われます。

テンポの良い簡潔な文章で描かれるハードボイルド物語もよいですが、油絵的な厚塗りの物語には、それなりの魅力があるようです。

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