
「どぅおっ、どぅおっ、こっこれは…」
さて、水着のポケットの中にあった硬く四角い物とはなんでしょう?
1、 印籠
2、 切り餅
3、 携帯電話
「どぅおーーーっ!海に携帯漬けちゃったよ、電源入んないよ、半年バックアップとってないよ、NO-----!」
つる×∞ちゃんいわく、
「海水はだめなんですよね、真水ならまだしも、海水はちょっと…」
どうやらポカリスウェットが乾いた体をうるおすように、塩水は携帯にぐんぐん吸収されてしまうらしい。
いや、そういう話ではないかもしれないが私はそう理解した!
「なんでもっと注意しててくれないの?『たこすけさん、ポケットふくらんでるようだけど、携帯もってない?』って、なんで突っ込んでくれないの?」
八つ当たりしてみたがだれも相手にしてくれず、電池をはずしてティシュで拭いてみたがまるでダメなので、そのダメ機械を砂まみれのビーチサンダルと一緒にビニール袋に放り込んで、しばし浮世のしがらみを離れ(ここは無人島なんだ)と思い込むことにした。
さて、日も傾きバーベキューの支度である。
切って焼こうとうちの畑から持ってきた、玉ネギだのカボチャだのピーマンなんかが、料理人の手にかかってラタトィユとかカルパッチョになっていたのは驚いたが、どれも屋外料理とは思えないおいしさでまたしっかりご馳走になってしまった。
しかしなんとも困ったのは蚊の多さ。えっこがトイレだというので宿に戻ったら、廊下で20匹くらいの蚊がうようよしてるのを見た。狼の群れの中で生肉連れて歩いてるようで、おそろしくて逃げ出した。
一方かぽ子は、虫刺されにはアロエがいいと聞いて、宿の外にうじゃうじゃ生えていたアロエを勝手に切って両手に持って、バーベキュー場に座っていた。しかし自分は虫除け塗りすぎてまるで蚊が寄ってこないので、周りの大人たちに意味もなくアロエ汁をこすりつけ始め、しまいには「美肌になる」との触れ込みで男性の頭皮にまで塗りまくっていた。
暗くなってきたので海辺で花火を始める。
えっこは怖がりなので、花火は苦手である。
海も怖い。暗いのも怖い。
しかも夜の海にはいろいろな生き物がいる。
まずはフナ虫。手持ちのランプが照らした砂浜にはとんでもない数のフナ虫がぴよんこぴよんこと跳ねていて、えっこは砂浜に降りることもできず、ずっとおんぶで花火をながめていた。
つぎに現れたのは裸族。
隣で若者が騒いでいて、酔っ払ってるんだろうと気にもしなかったが、ふと見ると全員真っ裸だった。
20人くらいはいただろうか、体育会系の男子が裸で火を囲み、みんなでつめたい海に入ったり、台の上で踊りまくったりしていた。マネージャーと思われる女子がその様をずっと撮影してるのも気になった。好きでやってるならいいが、命令されてイヤイヤだとするとかなり不憫である。
子供によくないなとは思いつつ、リアクションが見たくてついかぽ子に教えてしまった。
「ねえ、かぽ子かぽ子、見て見て、あの人たち裸だよ。」
するとクールな口調で返された。
「知ってるよ。」
大人の階段をひとつ登ってしまったね。
海、海、やっぱ海ってすごいや。
冒頭の絵ですが、炒餌さんが砂浜でカニを獲って、えっこに見せてくれました。
でもえっこは「怖い~」と嫌がりました。
さて、えっこは何が怖かったのでしょうか?
1、カニ
2、もっと全体的な何か
(すいません、こんな怖い絵になって。本物の炒餌さんはもっとお茶目です。ちなみにえっこは明くる朝、開口一番「海、楽しかったね」と言っていました。二人ともいい思い出になったようです。)
詳しい海レポートは瞳ちゃんのマヨネーズ革命で。
ダレヲくんもよろしくね