goo blog サービス終了のお知らせ 

足田家のなぞ

哀しくも楽しい家族の日常

はじめてのうみ 2

2008-07-29 01:09:46 | 脱力日常劇場
つづき

「どぅおっ、どぅおっ、こっこれは…」

さて、水着のポケットの中にあった硬く四角い物とはなんでしょう?

1、 印籠
2、 切り餅
3、 携帯電話

「どぅおーーーっ!海に携帯漬けちゃったよ、電源入んないよ、半年バックアップとってないよ、NO-----!」

つる×∞ちゃんいわく、
「海水はだめなんですよね、真水ならまだしも、海水はちょっと…」
どうやらポカリスウェットが乾いた体をうるおすように、塩水は携帯にぐんぐん吸収されてしまうらしい。
いや、そういう話ではないかもしれないが私はそう理解した!
「なんでもっと注意しててくれないの?『たこすけさん、ポケットふくらんでるようだけど、携帯もってない?』って、なんで突っ込んでくれないの?」
八つ当たりしてみたがだれも相手にしてくれず、電池をはずしてティシュで拭いてみたがまるでダメなので、そのダメ機械を砂まみれのビーチサンダルと一緒にビニール袋に放り込んで、しばし浮世のしがらみを離れ(ここは無人島なんだ)と思い込むことにした。


さて、日も傾きバーベキューの支度である。
切って焼こうとうちの畑から持ってきた、玉ネギだのカボチャだのピーマンなんかが、料理人の手にかかってラタトィユとかカルパッチョになっていたのは驚いたが、どれも屋外料理とは思えないおいしさでまたしっかりご馳走になってしまった。
しかしなんとも困ったのは蚊の多さ。えっこがトイレだというので宿に戻ったら、廊下で20匹くらいの蚊がうようよしてるのを見た。狼の群れの中で生肉連れて歩いてるようで、おそろしくて逃げ出した。

一方かぽ子は、虫刺されにはアロエがいいと聞いて、宿の外にうじゃうじゃ生えていたアロエを勝手に切って両手に持って、バーベキュー場に座っていた。しかし自分は虫除け塗りすぎてまるで蚊が寄ってこないので、周りの大人たちに意味もなくアロエ汁をこすりつけ始め、しまいには「美肌になる」との触れ込みで男性の頭皮にまで塗りまくっていた。


暗くなってきたので海辺で花火を始める。
えっこは怖がりなので、花火は苦手である。
海も怖い。暗いのも怖い。
しかも夜の海にはいろいろな生き物がいる。
まずはフナ虫。手持ちのランプが照らした砂浜にはとんでもない数のフナ虫がぴよんこぴよんこと跳ねていて、えっこは砂浜に降りることもできず、ずっとおんぶで花火をながめていた。
つぎに現れたのは裸族。
隣で若者が騒いでいて、酔っ払ってるんだろうと気にもしなかったが、ふと見ると全員真っ裸だった。
20人くらいはいただろうか、体育会系の男子が裸で火を囲み、みんなでつめたい海に入ったり、台の上で踊りまくったりしていた。マネージャーと思われる女子がその様をずっと撮影してるのも気になった。好きでやってるならいいが、命令されてイヤイヤだとするとかなり不憫である。

子供によくないなとは思いつつ、リアクションが見たくてついかぽ子に教えてしまった。
「ねえ、かぽ子かぽ子、見て見て、あの人たち裸だよ。」
するとクールな口調で返された。
「知ってるよ。」

大人の階段をひとつ登ってしまったね。
海、海、やっぱ海ってすごいや。


冒頭の絵ですが、炒餌さんが砂浜でカニを獲って、えっこに見せてくれました。
でもえっこは「怖い~」と嫌がりました。
さて、えっこは何が怖かったのでしょうか?

1、カニ
2、もっと全体的な何か

(すいません、こんな怖い絵になって。本物の炒餌さんはもっとお茶目です。ちなみにえっこは明くる朝、開口一番「海、楽しかったね」と言っていました。二人ともいい思い出になったようです。)

詳しい海レポートは瞳ちゃんのマヨネーズ革命で。

ダレヲくんもよろしくね

はじめての海  1

2008-07-23 06:18:23 | 脱力日常劇場
海に行った。千葉の勝浦。
かぷ彦は将棋教室に行ってしまったので、その他のメンバーが車で千葉の勝浦まで行って、現地で山登りの面々と落ち合う。
かぽ子とえっこは海はじめてである。
かぽ子はなにしろ水遊びマニアなので、行く前から
「うみうみうみうみうみうみうみうみ」
と、縦ノリでジャンプしまくる興奮ぶり。

この海行き、かぽ子のいい子ポイントが貯まったら決行されることになっていて、
本人張り切って手製のポイントカード(27ポイントで満点。なんで27?)まで作って
奴隷のように家事を手伝い、ポイントゲットに励んでいたのだが、
善行を上回る数々の悪行でことごとく帳消しになり、
結局当日まで6ポイントしか貯まらなかった。
「バーベキュー手伝ったらボーナスポイント30あげるよ」
というこれぐすさんのお言葉に救われ、張り切って出かけたが
今思うと、奴、食べるばっかりで全然手伝ってなかったなぁ…

「ひょほーッ!うみうみーーー!」
パラソルの下でとりあえず牛カルビ弁当食ってビールを飲み始める母と
お砂遊びを始めたえっこと父を尻目に波に向かって駆け出すかぽ子。
時々帰ってきては
「いやー、海、最高―だね、しょっぱーい。」
などと言いつつ浜に寝転び、お砂隊に全身埋められたりしていた。

えっこは予想通り、海にびびっていた。
保育園のプールでも顔に水をちょっとかけられたくらいでお友達を厳しくにらみつけてるらしいので
水に対して慎重で、とにかく近づかない。
無理に浅瀬に立たせると、波で足元の砂がすくわれて
「ううっ、すべるー!」
と困惑していた。
波が来るたびに走って逃げるし。
私が抱っこしてちょっと水に浸けたが、うっかり波をかぶってしまい、
泣いちゃったので二人でシャワーをあびて砂をながした。

そしてその時気が付いた。
私の水着のポケットの中の、不自然に硬く四角い異物に。
「どぅおっ、どぅおっ、こっこれは…   つづく

こんな駐車場はいやだ

2008-05-19 16:28:54 | 脱力日常劇場
去年初めて駐車場を借りた。今まで畑にとめていたのだが、私が免許を取ったので、住んでる公団の敷地内に借りたのだ。
公団の駐車場は毎年一回場所が変わる。抽選会があって、当たった順に好きな場所をとっていく。
私はなにしろ初めてだったので、どこがいいのかさっぱりわからず、とりあえず家に近くて一番端にあるところを取った。駐車テクニックにものすごく不安があったので両隣車よりも気が楽だったから。それ以上深く考えてはいなかった。頭の上のことなんて。
そこは大きな木が生い茂る公園の真裏、特に端っこは、まさしく大木の根元だった。

「樹脂被害を考える会」というのがあって、車が汚れるので木を切ろうと持ちかけ、自治会ともめているという話が耳に入ってきた。
「えーーっ、なんか油とか垂れてくるのかなぁ、いやだなぁ」
と思ったが、『樹脂』ってのがどんなものか見当もつかなかったのであまり気にしなかった。
みんなの木だし。木好きだし。一部の車好きな人が神経質になってるだけだと思ってた。
そもそも私も旦那も、車が汚れててもかなり平気である。少なくとも洗ったことなどない。
旦那は「ときどき洗ってるよーー」というが見たことない。だから大抵のことには動じないと思ってた。

甘かった。

恐るべき木陰駐車場の実態。

まず、落ち葉がすごかった。
一晩で「忍者?」っていうくらい車が隠れてた。
そのまま走ると道すがら葉っぱを落として尾行されてしまいそうだし、ぱっと見
「葉っぱが走ってるの?」と思われそうで恥ずかしかったが、我慢した。
車の回りも落ち葉が山になっててすごかった。焼き芋焼けそうだった。
「あれって自分で掃除するのかなー?」
と思っているうちにいつの間にかなくなっていた。
季節の移ろいとともに落ち葉は去っていった。きっと風に飛ばされ土に帰ったのだろう。もしくは親切な人が見るに見かねてなんとかしてくれたのだろう。

しかし木の恐ろしさはそんなものではなかった。
春になると、なにやら実だか蕾だかなんだかわからない小さい粒状のものが落ちてきた。毎日毎日たっぷりと。しかも車全体がベタベタするようになった。ジュースこぼして拭いてない床のようにベタベタなのだ。ウチの車は濃紺なので目立つ。クランチトッピングしたチョコアイスみたいになってしまうのだ。
これにはさすがの私も参った。ドアを開けるたんびに手がベタベタなのだ。ホースで水をかけてみたがすっきりしない。流れた実がワイパーの下のあたりにコップ4杯ほどたまってしまった。ちょうど点検の時期だったのでそのまま車預けたらすごくきれいになってもどってきた。「ときどき洗車しましょう!」というお手紙とともに…

そして今、もっともホットなマイカー汚染物質はアブラムシである。
すくなくともウチの近所は今年、アブラムシが大発生している。
とにかく口開けてたら毎秒3匹飲み込んじゃうほど濃い密度で空を飛んでる。
はじめ、(あの虫はなにかなー?)と思っていたのだが、車を見てびっくり。
白くて小さいアブラムシおよびその抜け殻がびっしり…。ゴミのようでいて、よーく見るとミリミリミリミリ動いてるのだ。しかもなぜかドアと車体の間により一層いるので、車に乗るときすんごく気持ちが悪い。
「ギャーッ、おかーさん虫拭いてーーっ(かぽ子)」
えーーっ、やだよ、かぽ子拭いてよ、100円あげるから…。
羽が生えて飛んでいるのはそれらが育ったやつなのかなんなのか、やっぱり車にくっついてる。拭くのも気持ち悪いので、恐る恐る水をかけると、死骸はいくらか流れたけど、羽の生えたヤツは飛び上がって、水がなくなると戻ってきたりする。

畑ももちろん被害甚大である。アブラムシは単為生殖で交尾しないで雌だけで増えてしまう。しかも卵を産まないで、直接子供を産んでしまうのだ!
だから条件がいいとどんどん増えてしまうらしい。例えばビニールハウスにメスが一匹もぐりこんじゃえば、ときめきの出会いなくして一人でバンバン増えちゃうわけで。天敵もいないし。(じゃあアブラムシの雄って一体…?と思った方、詳しくはコチラ

でもそろそろアブラムシも終わりかな。それにしても、あの木の実と一緒にベタベタしてたのが『樹脂』ってヤツなのかな。それともまだ『樹脂』のシーズンじゃなかったりして…。これからだったりして…。ある日いきなり車がヌルヌルのテカテカに…。

もう絶対、この駐車場は選ばないぞっ!

掟破りのゆる登山 

2008-04-26 00:21:53 | 脱力日常劇場
高尾山に登ることになった。
「山って初めてだなー。なに着てけばいいのかなー」
などと私がはしゃいでいると、
もとワンダーフォーゲル部で、遺跡と同じくらい山を愛する主人が口を出してきた。
「高尾なんてね、山じゃないよね。」
「高尾で遭難するなんて考えられない。」
「山行くなら磁石と地図は基本。」
「遭難したら沢じゃなくて尾根を目指せ。」

言ってることが矛盾してて高尾が危ないんだか楽勝なんだか分からない。
主人にしてみれば山というより単なるお寺なのだが、
彼は私が病的な方向音痴だと思い込んでいるので、警戒を促しているつもりなのかもしれない。
「とにかく、酒は飲むな、山をなめるな。」
といわれたが、一緒に行くメンツからしてしらふで帰れるとは思わない。
「あっあー、むにゃむにゃ…」
と濁った返事をしておいた。

当日は、かぷ彦の通学リュックを借り、万全の装備を整えた。追いすがるかぽ子とえっこをごまかしごまかし、いそいそと待ち合わせの高尾山口駅へ。
えっこの世話を押し付けられる運命のお義母さんは遭難時非常食として手作りの草団子を持たせてくれた。
気分は桃太郎である。

待ち合わせ場所に大遅刻(ごめん!)してついてみると、
友人の手にはすでにビールやカクテルの缶が…。
なんか、もう、飲んでるし!
しかも私があんなに装備に頭を悩ませたのに
約1名すごく普通の格好。肩掛けカバンだし靴も革でパンプス的な…
「いやーはき慣れてないスニーカーとどっちがいいか迷ったんですけど。
でも、遭難したとき用に板チョコ2枚持ってきましたよ!」
うんうん、ある意味正しいね。

さて、山はというと、大半はリフトで登ってしまったので
お寺めぐりをしているうちに山頂に到着。
あれれ、拍子抜け。たいしたことなかったのだった。

山のてっぺんに着いたと同時に、お弁当と称した酒宴が始まる。
「前の人たち帰ってベンチが空いた、ちょうどよかったね」
と言いつつテーブルに持参した食物を並べる。
しかし今考えると、前の人たちは正確に状況を把握した上で、下山を選択したのかもしれなかった。

なぜかと言うと、その日は朝から微妙な天気だった。
「山を知ってる人間なら、こんな日は絶対登らないな」(某もとワンゲル部)
実際、小雨が降り始めていた。
そしてもう一つの懸念事案、時刻は2時をまわっていた。
山的にはもう『蛍の光』とか流したい時間である。
「だいたい、山登るのに12時半集合なんてありえない。」(某もとワンゲル部)
しかし出てくる出てくる、皆のリュックの中からビールに酒に焼酎、泡盛。
手作りのお惣菜やおいなりさん、お菓子の数々…。(本当にご馳走様でした!)

結局、雨の中、飲んで食べた。
「雨降ったら動くな。」(例のワンゲル部)
この言いつけは守ったな。動かなかったもん。寒かったけど楽しかった。
私はレインコート着てたけど、無防備に濡れてる人が多かった。
遭難した時ずぶ濡れはまずいんじゃないかなぁと思いつつ、気がつけば雨は上がっていて、帰る頃には晴れ渡り、新緑の景色が一望できた。

へべれけで下山する。
まだ明るくて、太陽があったかくて、バカみたいにへらへらしていた。
酔っ払いは、お出かけではしゃぐ男の子(小1 サッカー部)のように、楽しい小石を拾って歩く。
世界が甘やかしてくれるような気がしてくる。
まともな大人は日常的にバカ不足なのだな。
だからお花見とかするのかな?

下山途中、電波が入るようになると、かぽ子がストーカーのように電話しまくってきた。
「遭難してない?おかあさん、遭難してない?」


はいはい、今帰ります。

春休みはバタバタ

2008-03-29 07:02:16 | 脱力日常劇場

春休みでなんだか忙しいです。

おとといは苺狩り、昨日はサーカスに行きました。

四月からえっこは保育園なので、シーツやら、バックやら

縫わなくてはいけません。

バタバタでで疲れますが、

子ども達は春休み楽しんでいるようなので、

まあいいでしょう。

保育園には長期休みがないので

みんないっしょの春休みは最後かもしれないね。

えっこが学校に行くころには

お兄ちゃんは家族で出かけたりしなくなるかもしれない。

朝から晩までものすごくうるさいけど

「あのにぎやかさがなつかしい」なんて

思う日が来るんだろうな。

てんやわんや

2008-02-23 23:44:23 | 脱力日常劇場
(しかし『てんやわんや』って普段使わないなぁ。)

今日は忙しかった。
朝から子ども会行事『6年生を送る会』があり、
役員なので早く行かなきゃいけなかったんだけど、
6年生にあげる図書カード買い忘れてて
かぽ子とえっこと私、
あせってジャスコに行ってから小学校に飛んでいく。

そのあとも、みんなに食べさせる
ハンバーガー30個、マックに買いに行ったりなんやかんやしつつ、
なんとか会は終了。

そのままフットベースの練習に子供6人連れて行く。
隣の小学校まで自転車で行くつもりが
A子ちゃん、鍵がなくて自転車に乗れないと言い出す。

よし、おばさんが車で連れて行ってやると言ったはよかったけど、
車で行ったことないところへは、車で行かない主義の私。すごい不安。
4年生以上は自力で自転車で行ってもらう事にして(これも不安)
A子ちゃんとかぽ子、なんとか車で送る。
途中、一方通行っぽいところで対向車とバッティングするも、
まごまごしてるうちに相手がどこかに行ってしまった。
若葉マークに感謝!一生君を手放さないよ。

やっとえっこと家に帰り、一息ついて洗濯物を干したりなんかしてると
電話。
「市民会館のT橋ですが…」
やっばーーーっい、忘れてた。
保育付きの市民講座に申し込んでて、
その保育の打ち合わせがあったのだ!

以前同じような育児に関する市民講座があって、
講座の間、子供を預かってくれるというので参加した。
えっこと同じ年頃の子達15人くらい。
保育室デビューの子も多くて、泣いてる子もいたけど、
親同士仲良くなって、子供達も楽しそうだった。
またみんな集まるかなぁーって思って新たに応募したのだった。

しかし、今回は子供が3人しかいないらしいのである。
えーっと思ったがしょうがない。
なにしろT橋さんは昨日の夜、保育の打ち合わせに必要な書類をわざわざ家のポストまで届けてくれたのだ。(投函し忘れてたんだろうけど)
そこまでしてもらって、しかも子供3人しかいないんじゃ
絶対忘れないで行かなきゃ、って思ってたのに

ぎゃーーー忘れてたーーー!
「すっすいません、今すぐ行きます!」

慌てて家を飛び出してエレベーターに乗ったはいいが
例の書類を忘れてた。
「えっこ、帰るよ、忘れ物しちゃった。」
エレベーターを降りると、背後から不気味にくぐもったえっこの泣き声が…

あっ、えっこいない
エレベーター閉まってる
しかもエレベーター勝手に降りてる…


どうやらえっこがまだ乗ってるのに
エレベーターが呼ばれて下に降りちゃったらしいのだ。

          どうなる?えっこぉぉぉぉ  つづく




MUGO・ん...恵方巻き

2008-02-06 21:42:30 | 脱力日常劇場
ここ3年くらい『恵方巻き』というのをやっている。
その年の良い方角を向いて、太巻きを食べるというやつである。
ちゃんと太巻きも自分で作っている。
不恰好だがなかなかうまい。
しかしなんつーか、あれだね、あの
『食べ終わるまでしゃべっちゃいけない…』
っていうルール、あれがつらいですね。

マヌケなんですよ、モーレツに。
テレビも消して、なんとなく正座しちゃったりして、
普段どおりに食卓を囲んでいるものの
みんなで南南東(部屋干しの洗濯物方面)を眺めながら、
両手でささげ持った太巻きをかじる。無言で。

シーン…

いけない、客観的になっちゃいけない
バカみたい…
ダメッ考えちゃ、食べるのよ、

もぐもぐもぐもぐもぐもぐもく

結構みんなまじめに食べている。
笑いをこらえてるのは私だけ?

そのうち、えっこがしゃべり出した。
「きょう、えっこちゃんねー、おばあちゃんち、いったんだー」
  
 もぐもぐもぐもぐ…

「おかあさん、おすしおいしいねー」
 もぐもぐもぐもぐ…

(ごっごめん、えっこ、返事できない…)

「しゃびしいなー…」

誰にも相手にしてもらえないえっこは一人、歌いだした。

「おてらのおしょさんはかぼちゃのたねを~♪」

誰とも目を合わさず息ぐるしい沈黙の中、
南南東を見つめ咀嚼嚥下を繰り返す太巻き隊の頭上を漂う哀愁のおしょさん…

そうこうしてるうちに
「ごちそうさまでした!」
「ごちそうさまでした!」
一人、また一人、完食。
食卓に会話がもどってきたのでした。

来年は、太巻き食べるだけでいいかな…。普通に。

生パンツ強盗問題

2008-02-02 17:31:03 | 脱力日常劇場
ちょっと前にこういう事件があった。

東京・昭島市の小学校の校庭で、遊んでいた中学生の少年を男が刃物のようなものを使って脅し、ジーパンやパンツなどを脱がせて奪っていたことが22日、分かった。男は「ズボンを脱げ」と怒鳴ったといい、少年8人のうち6人がパンツなどを奪われた。

この小学校、主人の母校で、私の直売所のすぐ近くなのだ。
私はニュースを見ないので、全然知らなかったのだが
孫のパンツを心配して、実家の母から電話がかかってきたりした。

事件発生当初は現場の小学校もどこか分からなかったし、
容疑者に関しても『素足にサンダル履きの30~40歳ぐらいの男』
というような情報しかなかったので、
私はかなり挙動不審で怖いおっさんを想像し、そんな人に怒鳴られたらパンツ脱いじゃうだろうなぁと思った。
でも、主人は
「おかしなニュースだなー、だって8人対1人だよ?逃げちゃえばいいじゃん。」
といって不思議がっていた。
「えーっ、だって刃物持ってるんだよ、へたに逃げてつかまったらヤバイじゃん!」
「しかし、8人もいるんだから…」
「でもその8人が全員かぷ彦だったら?脱ぐよ、絶対脱ぐよ!」

意見の分かれた夫婦は現役中学生かぷ彦の部屋になだれ込んだ。(勉強中なのに)
「ねえねえ、かぷならどうする?」
「脱がないよね」
「脱ぐよね」
「脱がないよね」
「脱ぐよね」

「えーっ…(この間30秒)逃げれそうだったら、逃げるかなぁ」

でも、でもっ、かぷ彦ものすごく足遅いし、(ごめん!)
周りの友達も捕まるかぷ彦のこと思ったら不憫で逃げられないのでは…

実際には2人逃げおおせて通報したので、
みんなはノーパンで帰らないで済んだわけだ。
よかったね。多感な時期だし。


後日容疑者は捕まり、(おっさんではなかった)
ご近所噂力で、容疑者の住んでいたアパートの場所と部屋番号まで耳に入ってきた。
これが事件現場と警察署のすごく近くでびっくり。

「今回の事件について学校で何か話があったの?そういう時は脱ぎましょうとか、逃げましょうとか。」
と、かぷ彦に聞くと、
「いや、夜遅くまで遊んでいないようにって…。」

まー、そんなとこだろうね。

インフルエンザ二次被害

2008-01-26 21:14:37 | 脱力日常劇場

かぽ子が頭痛を訴え、40度近い熱を出して一晩苦しんだ。

インフルエンザだ…

去年もかかったのですぐわかる。
頭痛以外の風邪の症状はなく、熱だけバンバン出る。
いきなり来る。
普通の風邪だったら熱出しても眠れるんだけど、えらく苦しんで寝ないのだ。

しかし、経験上、タミフル飲んだらすぐ治るって知ってるので慌てない。
翌朝病院に連れていくまでが勝負である。

具合が悪いとき、かぽ子は本当に大げさである。
「痛いよー、あついようー、ふらふらするぅー、きもちわるいぃー
ううっ、うううー、いたいよー
体をあたためたり頭を冷やしたり、なにか飲ませたり、看病も大変。
そしてこんなにバタバタ騒いでるのに主人は熟睡。不思議である。
子供が夜泣きして起きるときもそうだけど、
男の人ってなんであれで起きないんだろうと思う。
家族が共倒れにならないように、エネルギー保持の法則が働いてるのかも。
でもなんかちょっとムカつく。

それはさておき、やっと朝になって外を見てびっくり。
白い。むやみやたらに白い。
雪降ってるじゃん。
東京なんて普段全然雪降らないくせに、
こんなときに限って景気良く降ってる。

グルグルに厚着させたかぽ子の肩をかかえて
降りしきる雪の中、病院まで歩いた。
なんか『八甲田山』とか『北の零年』とかそんな感じ。良く知らないけど。
(えっ?車?だ、だって雪降ってるし、無理っす。)

症状から医者も私もインフルエンザと決めてかかっていたが、
テストしてもウィルスの反応が出なかった。

「インフルエンザだと思うんだけどなー。」
「そうですよねー。」
「タミフル、出しちゃう?」
「ああ、もう出しちゃってください。」
「じゃあ、お母さん了承済みってことで…」
そんな馴れ合った会話のもと処方されたタミフルを飲んで
半日もすると症状は落ち着いてきた。

そしてインフルエンザの本当の恐ろしさはここから始まるのだった。

頭痛と吐き気がおさまると、今まで寝ていた分を取り戻そうと遊び出す。
熱はまだ高いのにふらふらと動き回っては
テレビ見たりマンガ読んだりツマミ食いしたりし始める。
じっと寝てて欲しいのだ。
学校休んでるんだし、何より感染者が増えるから、
隔離されてて欲しいのに。
布団に入ってなさいというと、15分置きにトイレに行く。
なんとか理由をつけて起き出してくるのだ。
こんなアホな争いが5日も続くのである。
伝染病なので、元気になったからといって学校にやれないし、
タミフル飲んでるので変なことしないように見張ってなくちゃいけないから
出かけることもできない。
私が出かけられないのでえっこも家にいるしかない。

3人で5日軟禁状態。
しかも、暇と元気をもてあました仲良し姉妹を一緒に遊ばせないように引き離しておかなくちゃいけないのだ。

ああ、あと一日…つらい…


魚に喰われる(ちょっと)

2008-01-17 00:31:29 | 脱力日常劇場
かぽ子と村山温泉に行ったら
『出張フィッシュセラピー』というのをやっていて、
ペットの金魚の健康診断でもしてくれるのかと思ったら
魚が先生だというのだ。

(以下説明文)
ガラ先生のフィッシュセラピー

 内容 
     ガラ先生の本名は、「ガラ・ルファ」といい
     トルコ地方の温泉に生息するコイの仲間です。
     トルコでは古くから、皮膚病の治療に使われてきました。
     現在ドイツでは皮膚病やアトピー等の症状が改善されるとされ、
     健康保険適用の医療行為として認められています。
     ※日本では認められていません。
     水温35℃位の水槽の中に素足を入れていると、最初は少しくすぐった
     いですが、すぐに気持ちよくなり、
     人間の古い角質を食べてくれます。
     フィッシュセラピー効果で「美足・快足」♪



水槽の中には2~3cmの灰色の小魚がいて、お客の足にたかっていた。

きっ気持ち悪い。

と私は思ったが、かぽ子は一瞬でその催しに心奪われてしまった。

「足ツルツルになるんだって、美肌だって、やりたいやりたいやりたいーー!」
「お前、小学生なんだからもともと足ツルツルでしょ?それに10分500円なんて、高いよ。」
「やりたいやりたいやりたいーーー!」
「これやったらお風呂の後のコーヒー牛乳とかアイスとかなしだよ。」
「いいよ!」
「フィッシュに賭けるのか?」
「フィッシュに賭ける!」

というわけで、かぽ子はガラ先生のところに行ってしまった。
私はもつ煮を食べていたので詳細は不明だが
とりあえず「ツルツルになったー!」と言って帰ってきた。

そのあと、彼女は一人温水プールで2時間泳ぎまくり、私は温泉につかりまくるというクールな別行動の末再会し、迎えの車を待ってる間、すごく暇になってしまった。
「ねーーっ、おかーさーん、フィッシュやりなよー。」
かぽ子がしつこく勧める。
実は私の足の角質はすごい。
大きく鱗状にはがれかかって、パカパカしてるし、
かかとには深いひびが入ってる。
これがきれいになるというなら
500円でも高くないのだが…。

まぁ、無理だろうけど。
ちょっと期待しちゃったりして。
暇だし。
結局やってみた。

6人そろって10分間水槽に足を入れる。
よーい、ドン。
お湯は人肌、透明。
早速ガラ先生達がやってきた。
うわぁ、つっついてる、つっついてる、
くすぐったいような、痺れるような
電気風呂に入ってるよう。

「やだぁ~ん、私のとこいっぱい来てる~
お風呂入ってないからかな~」
若い女の子が言った。
でも、はっきり言って、私のほうが断然多い。

私の足、圧倒的に一番人気。

違うんですよ、きたないんじゃないんです。
私の足の裏のゴージャスな角質が
お魚達のハートをわしづかみにしてるだけなんですよー。

いつのまにか私の周りには子供達が、そしてその周りには大人たちが
集まっていた。

見世物になってる…

しかし10分動けないので、開き直って質問を受け付ける。

子供A「痛くないの?」
 私 「痛くないよ」
子供B「くすぐったい?」
 私 「ちょっとね」
かぽ子「うわー、おかーさんのとこだけ、でっかいのが来てる、ボスだ、ボス魚だ ー!」
確かに、変に大きいのが、私のところだけ…。


それで結果はどうだったのかというと、
うーん、たしかに少しは薄くなったかな…。
でも微妙。
軽石で擦ったほうが…。
いっいや、一回くらいじゃダメなのかも。

自分の足を餌にガラ先生を飼育したら
面白いだろうね。




腎臓なのか

2008-01-09 00:34:46 | 脱力日常劇場
あけまして背中が痛い。

3日くらい前から筋肉痛っぽい感じで、
マッサージに行ってもまれまくった後
フットベースの練習でボール投げまくって
症状がさらに悪化、もはや何が原因なのかも分からなくなってしまったのだが、
痛くて寝ていられないくらいに。
昨日の午前中に痛む場所が下降して、一番下の肋骨のあたり、
脇腹の近くに移動した。

『家庭の医学』で主人が調べてくれた。
「うーん、脊椎過敏症ってヤツかな、20代の若い女性に多いって書いてあるけど…」
そうか。若いって罪だな。
などとほくそ笑んでたまでは良かったが、
数時間で痛みはどんどんエスカレート、ちょっと姿勢を変えただけでも骨の奥までジンジン響くようになった。

そうなるとなんだか怖くなってきて、すごい病気なんじゃないか、場所からすると腎臓かと思って、それにしても痛すぎて、笑えるほど痛くって、怖くて涙が出て、泣き笑い状態になった。

「せっせなかが、げへっ、えぐっ、せっせなかが、あうっ!」
泣きながら笑いながら気味の悪い電話をかけて主人を呼び戻し、病院に連れて行ってもらった。

病院はめちゃめちゃ混んでた。
休み明け初日なので無理もない。
どこに行っても同じだろうと腹をくくって待ちまくったが、
じっと座ってても痛いので、眉間にしわよせ腕組みして上半身を揺らしながらジャズ喫茶の常連おやじのように座っていた。
いや、尿意を我慢しながらテレビを見続けるかぽ子のようにと言ったほうがいいか。
実際、トイレに行きたかったが、腎臓病を疑っていたので尿検査されるだろうと思って我慢していたのだ。

そんなこんなで2時間待って、ゲットした診断が
「風邪による筋肉痛」だった。
えーっ?風邪でこんな変なとこ痛むの?
と思ったが、確かにもらった抗生物質ですぐに症状はなくなってしまった。


そういえば去年の今頃は股間が痛かった。正確には足の付け根。
あまりの痛さに笑い出したのも一緒だ。
そのときもわけがわからなくて、病院に行くにしても何科なのか見当もつかないし、ちょっと症状が落ち着いたので義父と義母と子供達とで温泉旅行に行って、帰ってきてから病院に行き、インフルエンザだったことが判明。そのまま旦那の実家の2階に隔離され、タミフル飲んで闘病生活。明くる朝窓を開けて換気しつつトイレに行っている時に主人が食事を持ってきて、私がいないもんだがら「うわっ」とか言って慌ててベランダの下を覗き込んでた。
飛び降りたと思ったらしい。
タミフルでラリって。


まあ、とにかくこの時期は体調を崩しやすいようなので気をつけようと思った次第です。
風邪の症状にもいろいろあるみたいだし。
「あなたはのどから?鼻から?股間から?」
って感じで、あーっしょうもないなー、新年から。


でもどうぞ今年もよろしくお願いします。



イルミネーションと膝軟骨3

2007-12-27 21:05:39 | 脱力日常劇場
急げっ、急げっ、急げっ、急げっ、
激寒の夜道を疾走する自転車2台。
先行車、前かごにはえっこ、ぐるぐる巻きに厚着させられ
寡黙なエスキモーのように細い目をして黙っている。
自転車こぐは母たこすけ。
寒くはない。心も体も燃えているから。

    「おかーさーん、まってよー、はやいよー、とまってよー」

後ろの自転車こぐのは、かぽ子。小2。なにか叫んでる。

     「おかーさーん、まってよー、足がいたいよー、とまってよー」

かわいそうに。
でも止まれない。許せ娘よ!

しかし早い。確かに早い。我ながらすごいスピード出てる。
体感時速30㎞/h。
そして、怖くて時計を見れないでいるが
体感時計はもうとっくにライブ開始の時間を過ぎている。

   「おかーさーん」
いつまでつづくんだこの道は
   「おかーさーん」
脇からなんか飛び出してきても絶対止まれない。そんなスピード。
   「おかーさーん」
えっこがずっと黙ってるのが不気味。
   「おかーさーん」
あった!あれだ!あれが立川口だ、勝った、俺達やったぞ、かぽ子!

他の入り口と違って立派な門構えの立川口、C地点。
まっすぐにつづく並木道の向こうに、きらめくイルミネーションが見えた。
もうすぐだ、もうすぐだから、お父さん、待っててね。
楽しそうに歩く家族連れやカップル達の間をすり抜けて、
私とかぽ子は走った。光に向かって。

ピピーッ!笛の音?
「あーお客さん、ここ自転車入れないんですよ。」
はあ?
「臨時自転車置き場がありますんで、そこに止めてください。
自転車置き場は、ここを戻って…」
戻って?
「一回外に出て…」
外に出て?
「右に曲がって陸橋の下の小道を20mくらい行ったところに…」

怒りで、案内の内容が頭に入らない。

「ところで、その駐輪場とやらは、ふれあい広場にものすごく近いんでしょうねぇ?」
無意味と分かっていつつも、ドスの効いた声で脅さずにはいられない。
「さあー?とにかく駐輪場、そこしかないんで…」

私達は戻った。D地点Cから地点へ逆もどり…。
そして駐輪場に自転車を止めた。
私達の前には、イルミネーションに彩られた道がどこまでも、遠く、長く、まっすぐに続いていた。

私はかぽ子に荷物を持たせた。
主人のコート、防寒用毛布、途中で脱いだ私の衣類、そしてカバン。
そして私はえっこを背負った。
「行くよ。」
二人交わした目と目の約束、そうそれは、決意。
文句一つ言わずかぽ子は走り出した。大荷物抱えて。

走った、二人は心臓バクバク言わせながら、走った。
でも長くは続かない。えっこや荷物は重かったし、
もう、足がもつれてうまく走れない。

やっと有料エリアの門にたどり着き、チケットブースで入場券を買う。
「ハァハァ…ふれあい広場ってどこですか?」
「あの噴水の向こうです」
ああっ、遠い。まだかなりあるな。急がないと。

「あーーっ!」
その時かぽ子が叫んだ。
「手袋がないー!」
あほかーーーっ?
「ほらもう早く探してきなよっ、ばかばかばかっ」
走ってきた道を戻るかぽ子。
荷物とえっこを抱えてしゃがみ込み、私は星空を見上げた。

もうだめだ。どうせ間に合ってないし。
きっともうとっくに終わってるだろう。

かぽ子が手袋を見つけて戻ってきた。
「ハァハァ…お母さん、ごめんね。」
子供にこんなに無理させて、なんだかむなしくなってきた。
「かぽ、もう歩こうか?」
するとかぽ子は意外にもこう言った。
「ダメだよ、お母さん、がんばろうよ、走ろう!」

すごい根性。まぶしい、お母さんイルミネーションよりお前がまぶしいよ。
そうだよね、ここまで来たら、最後まで走ろう。
今までがんばってきた意味がなくなっちゃうもんね!

そして私達は最後の力をふりしぼって噴水にたどりつき、
白くライトアップされた水の向こうに回りこんでみると、


あれ?やってる。

小さなステージの前に人だかりが出来ていた。
舞台の上は暖かい色にライトアップされていて、
その中で知ってる顔が楽しそうに歌ってた。
一番奥のピアノの向こうで、主人が演奏していた。
シャツ一枚で、震えながら、寒そうに。
着る暇もないかな、と思ったけど
こそっと近づいていって、そばにコートを置いておいた。
すると曲と曲の間、ゴスペルの先生がしゃべっている間に変身完了、ラスト2曲は
予定通り、コートを着て演奏できた。

いいライブだった。
なんかいろんな意味で
やりとげた
って気がした。(見に行っただけだけど)

なんで間に合ったかというと、ライブの開始時間がすごく遅れたんだそうだ。まぁ、私達にとってはありがたいことだった。


帰りも同じ距離だけと、ずっと気楽に走っていけた。
でも空気が抜けちゃったのか自転車の調子が悪かった。
こいでもこいでもなかなか前に進まない。
ギゴギゴ変な音もする。
自分の膝もなんか妙だった。
ギュコギュコ変な音がした。

やっと帰りついて、建物の階段を上り下りするとき、
膝はなんだかロボットみたいにカクカクして力が入らなくって、
かぽ子も「膝が変、変、なんだかおかしいよー。」
と言っていた。

ひょっとして、膝の軟骨全部擦り減っちゃったのかな。
って思ったくらい、よく自転車こいだ夜だった。






(後日談・・・どうやら西立川口は開いていたらしい。見落としたのか?間違って通用門につっこんでしまったのか。しかしどの道、駐輪場は立川口にしかなかった。昭島方面から来る人には不便すぎる。昭和記念公園、来年はなんとかして下さい…。)




イルミネーションと膝軟骨2

2007-12-26 03:38:20 | 脱力日常劇場
と、いうわけで、私とかぽ子とえっこは昭和記念公園のライブに出かけた。
かぷ彦はおじいちゃん家で留守番を選択。
なぜなら、寒かった。めちゃめちゃ寒かった。
しかもライブは屋外なので、これでもかっていうくらい厚着して
三人自転車で出発した。

自宅から地点の昭島口まで20分、そこから目的地ふれあい広場までサイクリングコースを自転車で行って10分、と所要時間を見積もる。

もちろんこれは、ものすごくスムーズに事が運んだ場合の最短時間。
そして私はその方向音痴、地獄級の女。
そして高校時代、始業時間に間に合ったことが一学期につき二日しかなかったという伝説の遅刻魔。

そしてここに一つの法則がある。
名づけて、だめな人間にかぎって最短の見積もり時間を採用しがちの法だ。

それでも珍しく5分余裕を持って出発した。
なぜなら、案の定主人はコートを取りにこれなかったので、
コートを渡す時間を考えたのだ。

せっかく奮発したコムサデモードのコート。
着ずに演奏できようか?


それではレッツゴー!
まずはとにかく昭和記念公園昭島口。
何回も行っているところだが、正直道はよくわからない。
まっすぐ行きたいのだが、なぜかすぐ線路に出てしまう。
いかんいかんと左に方向転換するも、
しばらくするとまた線路。
ここで道に迷っていることがかぽ子にバレると、またギャーギャーうるさいので、ポーカーフェイスで蛇行を続け、やっと昭和記念公園のこんもりと暗いシルエットが見えてきた。
…暗い。あれ?暗すぎる…

昭島口、閉まってる!!

このときすでに蛇行走行による時間のロスで、間に合わないのではとあせっていた私は、漬物石を飲み込んだような重みを胃の辺りに感じた。

いやーな予感。

しかし休んでる暇は無い。急いで別の入り口を探さなくては。
私達は地点の西立川口目指した。

急げっ、急げっ、急げっ、急げっ、

暑かった。ものすごい厚着で疾走してるので、モーレツに暑かった。
マフラー、コート、帽子と、時々自転車を止めては野球拳よろしく順に脱いでいった。
かわいそうなのはかぽ子だった。
小学2年の彼女はついてくるのに精一杯で服を脱ぐ余裕が無い。
もともと彼女は暑がりで、冬でも薄着。
なのに今日はいっぱい着せちゃった。
暑いだろうね、かぽ子。つらいだろうね、かぽ子。
でもごめん。お母さん、今自転車止める余裕が無いんだ。
だって、コムサのコートを届けなきゃ。

やっと明かりが見えてきた。西立川口だ。
砂ぼこり巻き上げズササッと自転車停止、入場料払おうと窓口に突進するも

「お客さーん、ここは入れないよーぅ。通用門だからねーぇ」

はぁ?

「じゃあどこから入ればいいんすかっ!?」
「立川口にまわってよーぅ。そこずーっと行って3個目の信号左ねぇ」

かぽ子が子犬のような目で見上げている。
「おかぁさーん…」
息もたえだえである。
しかし、しょうがない。迷ってる暇も無い。
「かぽ、行くよ!ついてきな!」
通用口のおじさんに行き場の無い怒りのオーラをぶつけつつ、
私達は果てしなく続く夜の道を、また走り始めた。

                    続きは次回

イルミネーションと膝軟骨 1

2007-12-25 00:09:54 | 脱力日常劇場
昭和記念公園は、ちょっと遠いので車で行きたいけど、
ものすごく広くて歩きだと中に入ってから不便だし、
サイクリングコースもあることだし、
がんばって自転車で行くか!という場所だ。
かぽ子の愛するレインボープールもここにある。

ここで今、『ウインタービスタイルミネーション』というイベントをやってる。
夜行くときれいなイルミネーションが見れて、いろんな屋台も出てるし、ときどき花火の打ち上げなんかもある。

先日そこで地域のお母さんたちがやってるゴスペル隊のライブがあって、
主人がベースで呼ばれた。
なんでそんなことになったかというと、あの合唱コンクールでPTA会長に見初められた主人は、
会長の企画した親父バンドのメンバーになった。
そこで知り合ったドラムのM田さんから声がかかって、ライブの手伝いをすることになったのだ。
もちろんまたぶっつけ当日リハーサルのみである

ライブの少し前、M田さんからメールが入った。

「ライブ当日、出演者は黒白モノトーンの服で統一するそうです。よろしく!」

「黒い服?どうしよう?」
黒っぽい服が多いわりにまともなのは一つもない。どれもボロボロヨレヨレである。
「喪服は?」と私が聞くと
「やだ。」拒否された。
ブルースブラザーズみたいでいいじゃん…

主人は仕事柄、全身泥んこでいることが多い。
作業服でも着てれば
「ああ、ガテンな仕事なのね。」
と思ってもらえるのだが、いつもチノパンにシャツ、ジャンパーというごく普通の格好で畑仕事をしており、ときにそのまま帰ってきたりする。
いい大人が普通の格好で泥だらけなのは結構怪しい。
しかも手はもちろん顔にも泥がついてる。
特に鼻の周辺。
結婚したばかりの頃は、「あっ顔に泥がついてるよ。」
なんて注意してあげたのだが、最近はすっかり慣れてなんとも思わなくなってしまった。
義母も義父も何も言わない。
だから主人は、ほぼ毎日、鼻に泥をつけて生活しているのだ!

話はそれたが、よし、それでは、クリスマスでもあるし、そんな主人に新しい服を買ってあげて(もちろんユニクロ)全身コーディネイトしよう!と思い立ち、
ライブの前日、家族揃ってお買い物に。
コートだけは奮発して、場違いが痛々しいコムサデモードで購入。
かっちょいい真っ黒のトレンチコート。
練習は全然してないが、ひとまずライブの準備は整った!

当日、嫌がる主人の髪型もいじくった。
いつもはくせ毛を5・5分けにしてなでつけるというセバスチャンな髪型なのだが、ここぞとワックスを塗りたくり、
ワイルドでビーストなニュアンスをプラスして満足する私。
なぜそこまで亭主改造に熱心なのかというと、
ゴスペル隊には友達が何人かいて、いずれ自分も入ろうと思っていたので、
さもしい女の見栄が見え隠れしているのかもしれない。(隠れてないが)
しかし主人はとにかくベースの事でいっぱいいっぱいで、持って行く機材も多く、リハーサルにはコートを着ていかないと言い出した。
「えーなんでー?寒いじゃん、着て行きなよー!」
「いや、荷物多いから」
「着ていけばいいじゃん」
「いや、コートで自転車乗ると裾が絡まるかもしれないし…」
ありえない。ハーフコートなんだから。
「とにかく、後で取りに来るから!」
と言って主人は出かけてしまった。

無理じゃないかなー。時間なさそうだし。
と、私は思ったが、
(どうせ見に行くんだし、いざというときには届ければいいか。)
と、楽観的に考えた。

ステキなイルミネーション
友達が歌うゴスペル
オシャレした主人が奏でるベース(今回はエレキ)
楽しみだわ、ふふふ…

そう思っていた。このときまでは。
まさか、まさかあんな状況に陥るとは夢にも思わずに…!

              次回につづく





2in1携帯の謎

2007-12-14 23:48:14 | 脱力日常劇場
実家の母に妹の携帯番号を聞いたら、
「お父さんのと同じよ」
と言われた。
えっ?
「お父さん、新しい携帯買ったから、ぴー子(妹)にあげたんだって。だから番号同じになっちゃって、まぎらわしいのよね。」

…そんなわけないでしょ。

じゃなにかい?その番号に電話かけて、どっちに着信するかわかんないっていうの?
妹の彼氏が「あっちゃー、今日は3回ともお父さん出ちゃったよ」とか?
ない、絶対ない。

しかしその時、私はふと、思った。
これって 2in1?

いや、すみません、ちがいますよね。

実家の人間はビデオ録画も出来ない機械縄文人ばかりなので(いまだに年賀状の印刷を遠方に住んでる私に頼んでくる!)、この件は確認するのもめんどくさくなってそのまんまだが、実はわが家にも携帯に関しては縄文人がいる。

主人である。この人は携帯持ってません。

最近じゃ初対面の人にアドレス聞かれたときに
「携帯、持ってないんで」と言うと
「ええっ?…なにかの主義ですか?」と聞かれてしまう。
この間もそんな場面があって、私が居合わせたので私の携帯情報をその人と赤外線でやりとりした。その姿を宇宙人でも見るように、一歩後ずさって眺める主人。
それ以来、彼への電話を取り次いだり、メールが着たらわざわざ見せに行き、返事を承り、返信を打つってことまでしてるのだ。

たしかにこの体制のもとでは、主人も悪事はできないだろう。
しかしめんどくさいことはなはだしい。
特に彼が遠出するときは、連絡がつかなくて困るので、私のを貸すから持って行ってと言うのだが、これも嫌がる。携帯というのはプライベートなものだから、妻といえども他の人の情報をいじるのは(もしくはいじったと思われるのは)嫌なのだろう。

そこで私は考えた。
それこそ私の携帯を 2in1 契約にしたらどうだろう?
一つの携帯で二つの電話番号とメールアドレスが使えるらしいので、二人で一つの携帯を使い分けるのだ。私がA面、主人がB面を使うとする。設定の切り替えにはパスワードが必要で、それを主人に教えないでおけば、B面に設定された携帯を心おきなく使えるんじゃないかと。片方のモードを使ってるときはもう片方のモードの着信すらわからないらしい。もちろん相手のメールをチェックもできない。

もちろん私にはチェックされて困るメールなんてありませんけどね。ホホホ。

まぁこれで、縄文人を平安京くらいまでひっぱり上げて、
「携帯って便利だな。」
くらい思ってもらえれば上出来である。

しかし主人が携帯電話に目覚めると、困ることが一つ。
携帯欲しがる子供達に
「だめよ、お父さんだって持ってないのに。」
というきめ台詞が使えなくなること。
これは効くからなぁ。




 今回の記事はブログスカウトさんのご依頼で「2in1」をお題に書いております。DoCoMo 2in1ライフスタイル キャンペーンに参加中でして、年内にもう一本書く予定。どうぞお付き合いください。m(_ _)m←顔文字書いて見ましたが、なんか変じゃないですか?