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足田家のなぞ

哀しくも楽しい家族の日常

ポロねぎレシピ

2008-01-20 00:33:31 | 直売所日記
おいしいんだけど、ちょっと変わってるもんだから売れない野菜へのオマージュをシリーズでお送りします。

今日のお友達はポロねぎ君です。
ポロねぎは別名リーキといいます。
(今作ってるものの品種名は協和みかどのスノーリーキ)
もともとヨーロッパのものでフランス料理のブーケ・ガルニやミル・ポワに使われる香味野菜でもあります。

よーく煮るとトロトロにやわらかくなって、おいしいスープが出来ます。
ベーコンとコンソメで煮るのが一番お勧めかな。
家では、おでんや鍋物、味噌汁なんかにもいれてしまう。
何にしろよく煮るのがポイント。
コンソメで煮てジャガイモとグラタンにするなんてドイツ風の食べ方もあります。

しかし、こういうオシャレな野菜って売れないんだよねー。
下仁田っぽいけど全然ちがうし。
味はタマネギに近いかな。
一本50円くらいで売ってるけど、
これってたぶん相場よりすごく安い。
オシャレなレストランかなんかに販路拡大したいなぁと思いつつ、
今日も持って帰って自分で食べてしまうのでした。


直売夏野菜の適当すぎるレシピ1

2007-07-25 03:21:57 | 直売所日記
これはウッディーコーンというまぼろし野菜です。
なぜまぼろしかというと、あまりのマニアックな食感と見た目に売れないことが明らかなので
「来年は絶対作らない」
と主人が明言しているからです。
でも、もったいない。食べようによっちゃすごくおいしいんですよ。

まず皮をむいてびっくり。まだらに茶色のつぶが混じってます。
ゆでるとそれが青みがかってくる。まともじゃありません。気持ち悪いです。クレーム必至です。
食べるとちょっと苦い。余計に不安になります。

「甘みひかえめ、もちもちした食感、やきとうもろこし向き。」

ということなので、しょーがないから焼いてみました。

うっ、うまい。

たしかにもちもちしてるし、こげた醤油が例の苦味とマッチして絶妙でした。とうもろこしにすっかり食傷気味だった子供たちもがっついて食べていました。

でも来年は食べられないのか。うーん残念!



新物 みょうが
うちでは私しか食べないので薬味にするだけだと余ってしまう。
お客さんにお勧めいただいた卵とじを試したらおいしかったです。
しかし子供は食べない。



これは「ししぴー」伏見唐辛子みたいな感じで
辛くない。種ごと食べられます。
網で焼いてかつおぶしと醤油で食べるとおいしい。大人の楽しみ。





駐車場の空に一万円と叫ぶ

2007-07-20 02:52:29 | 直売所日記
哀しいことがあった。
かなしくってかなしくってとてもやりきれなくて
思いきりスローなフラダンスを踊るように日々を過ごした。
たいしたことではないのだけれど聞いてください。

駐車場の片隅に
鉄パイプとブルーシートで作った野菜の直売所がある。
週二回、そこで家族が作った野菜を売っている。

おととい、60歳くらいの女性(仮にパーマさんとしておこう)が来て
「この間買ったにんじんを袋に入れてイスに吊るしておいたら
腐って水になって床がぬれた。」と言った。
クレームだ。
うちのにんじんは採ってきて洗ってすぐ売っちゃうので濡れてる事が多い。
濡れた野菜をビニールに入れて夏場に放置すれば、腐るよ。
でもね、にっこり笑って
「今度から冷蔵庫に入れてくださいね。」
と言いつつ、にんじん3本あげたのさ。

それからパーマさんは買っていく野菜を選び
お金を払うだんになって
「一万円しかないんだけど…」と言った。
…えっ?
もちろん零細直売で一万円は禁じ手。
でもあっちこっちからかき集めて
なんとかおつり9千円を渡し、パーマさんは帰って行きました。
私はなんとなくほっとして、いつまでもあけぬ梅雨の曇天を見上げたそのとき、
どぶに足突っ込んだかのような衝撃に見舞われたのでした。

一万円もらってないじゃん

ダッシュで追いかけたかったけど、そんなときに限ってお客さんが来てしまって
結局、私はパーマさんを取り逃がしてしまったのでした。

がっくり力が抜けて、少し涙が出てきました。
その一万円は大事な一万円だったのです。
その日は朝から雨で、主人もお義父さんも濡れながら野菜を取ってきました。
それを洗ったり、無駄な葉や根を落として整えて、測って、袋に入れて
手間をかけて用意して、店に並べて
でも雨がやまなくてお客さんがあまり来てくれなくて
たくさん売れ残ってしまいました。
そこでこの痛恨のミス。
その日はほぼ赤字でした。
つまり、みんなの苦労も、野菜の命も、みんな全部、なかったことになってしまったのです。
それがすごく悔しかった。


がっくり気分をひきずったまま、今日も店を出しました。
もしパーマさんが来たらどうしよう。お金のこと言おうか、なんて言おうか
そればっかり考えていました。
日にちも経ってるし、すんなり払ってくれるとは思えない。
でも野菜をタダで持っていって、その上9千円ゲットするなんて
一人だけうんと得しちゃって許せない、と思っていたので
嫌味の一つも言ってやろうかと身構えていたのです。

そしたら、来ました、パーマさん。

パーマさんはニコニコしていました。
花束を2つ選んで、野菜も買っていきました。
その態度から、例のことにまったく気付いてないのがはっきりとわかりました。

それで私は
もういいや、と思ってしまいました。
花なんか買っちゃって、なんか、パーマさんが幸せそうだったからです。
それで、なんかもういいやと、思えました。

                     おしまい