文学史に名を残した作家ではあるのですが、もしこの人が自分の友達だったとしたら、あまりのいい加減さに腹を立てて絶交してたかもしれません。それくらい実生活はめちゃくちゃでだらしなかった人です。でもそういう荒んだ生活の中で書かれたものには傑作が多いというのは文学の世界ではよくある話です。(その筆頭は太宰治でしょうね。)もがき苦しみながら生きていく状態を逆に材料にして書いているので、私小説が多いです。この作品もその一つです。ただねぇ、やっぱ故郷に妻と子がいて、東京にも愛人がいて、その愛人にも子どもができちゃって、でもどっちも心底愛してるわけじゃないなんてあまりにいい加減すぎでしょ?創作のために自らそういう生活を選んだそうなんですが、それにしても友達にはしたくありませんねぇ・・・。