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秋風

アキバ系評論・創作

月下の舞姫vol.21

2012-09-10 00:10:35 | Weblog
「わぁー、屋上って気持ちいいね! 普段から解放すればいいのに」
「安全管理上そうはいかなのよ、怖いでしょ?」
あゆが通っている単位制三部制の都立秋葉原高等学校をサヨリが見学する事になりあゆの副担任が案内する事になった。
あゆの母は店舗を開店させるべく戻った。
弁護士とあゆの父は最後の詰めとして崇谷家側と正担任を交え和解交渉をしている。

あゆが屋上の低い手すりを掴みながらやや身をのりだしつつ思わず歓声を上げる。
サヨリはあゆのスカートのベルトを掴みバックアップしながら遠くを見ている。
副担任の女の先生は高いところが苦手らしく三歩離れたところから背を向けて答える。手にはマスターキー用大型キーホルダーを握っている。まるでホテルの客室キーだ。
「怖くないですよ、サヨリは……本職のパイロットが怖いはずないか」
「地上から約300フィート、天気もよく気流も安定してて飛行日より」
秋葉高は30階建ての高層ビルの中にあるが普段は誰も屋上に出られない。
サヨリはあゆと一緒に屋上ヘリポートの中心に立ち間合いを計っている。緊急用ヘリコプター発着の為に高いフェンスなどがない。
「も、もういいでしょ? 次はどこを見たいですか? 秋月さん達」
副担任はそこから一刻も早く離れたいのか学校案内パンフレットを取り出す。
「屋上塔屋の屋上が見たいです、Googleマップの航空写真を見ると何かオブジェっぽいものが有りますよね?」
あゆが更に高見を目指す。
「日本の高性能な避雷針を見たいです」
サヨリは更にその上を目指す。
「き、企業秘密です!」
副担任が悲鳴を上げる。
「うち都立じゃないですか」
「PMC(民間武装警備会社)の装備?」
「秋月のあゆさんの方はそろそろ授業ですから教室に行きましょう!」






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