「「「乾杯!」」」
最近秋葉原駅の近くに出来たメイドレストラン『オータム ウィンド』の一角で各々ビールやジュースで乾杯する。
一行は秋月夫婦とその娘あゆ、弁護士、そしてサヨリである。
メイドは居るが彼女達がお茶屋遊びよろしく相手をしてくれるタイプの店ではなく単にウェイトレスの制服がメイド服なだけであるので家族連れでもおかしはない。
ウェイトレスがチアリーダーの格好のレストラン、フーターズという先駆者もある。
そうはいっても客の多くが青壮年男性である。
店内は中々盛況で一同が入ったところでちょうど満席になった。
本来は四人のボックス席だが小柄なあゆとサヨリそして秋月婦人の三人は普通に二人掛けのシートに座れる。
反対に弁護士は一人半のサイズであゆの父を圧迫している。
「島嶼首相国連邦というと東南アジアでも日系移民の多いところですな、私のお祖父さんがそこの守備隊に居て終戦を迎えたんですよ」
あゆの父と同世代の弁護士の先生は二人前のWステーキを頬張りながら司令部付き士官だった祖父の思い出話を始める。
「まぁー、祖父は後方の司令部に居た主計だったし現地の日系人が情報や物資を回してくれたそうだし、そもそもあの辺は資源が特に無くて激戦区じゃなかったので命拾いしたそうですよ」
「今は色々地下資源が発見されたそうね、昔から見つかっていたら激戦地だったわね」
あゆはミルクシチュー定食の箸を休め秋月ラジヲ店舗内から持ち出して来た商品検索をする為の新型iPadを繰りながら話を繋げる。
「外資が資源採掘権狙い、反日系人団体が活発化、内憂外患」
ビーフシチュー定食を食べながらサヨリはぶつ切り調の喋り方で答える。
「サヨリさん、階級は? 私の祖父は『やりくり中尉』止まりだったそうで」
弁護士がライスのお替り(無料)をしながら聞く。
「ワラントオフィサー……准尉」
「ほぉー? 今はパイロットはどこの国でも皆少尉以上の士官だそうですが?」
「未成年なので半人前扱い。戦闘任務からは外されている」
「チャイルドソルジャーなっちまうと国際法上もまずいな」
半人前扱いされて悔しそうなサヨリの表情を汲み取ってフォローを入れる。
「学校はどうしているの? 私と同い年でしょ?」
あゆが食後のホットコーヒーを啜りながら聞く。
「士官が家庭教師、通信教育併用、去年国際バカロレア試験に受かった」
「すごーい、飛び級3年なんだ」
「パイロットは優秀でないとな」
あゆの父がわが娘のごとくサヨリを褒める。
「ねぇ? 艦載機は何に乗っているの? 航空母艦なんて無いでしょ?」
あゆが新型iPadで島嶼首長国連邦の軍事情報を見ながら問う。
「フリゲートに搭載している超小型水上機、フライングフィッシュ」
「ああジェットスキーに羽が生えた感じのものよね? 雑誌で見たことがある」
「コーヒーのお替りはいかがですか?」
食後も話しこむ一向にメイドが追い出しに掛かってきた。
最近秋葉原駅の近くに出来たメイドレストラン『オータム ウィンド』の一角で各々ビールやジュースで乾杯する。
一行は秋月夫婦とその娘あゆ、弁護士、そしてサヨリである。
メイドは居るが彼女達がお茶屋遊びよろしく相手をしてくれるタイプの店ではなく単にウェイトレスの制服がメイド服なだけであるので家族連れでもおかしはない。
ウェイトレスがチアリーダーの格好のレストラン、フーターズという先駆者もある。
そうはいっても客の多くが青壮年男性である。
店内は中々盛況で一同が入ったところでちょうど満席になった。
本来は四人のボックス席だが小柄なあゆとサヨリそして秋月婦人の三人は普通に二人掛けのシートに座れる。
反対に弁護士は一人半のサイズであゆの父を圧迫している。
「島嶼首相国連邦というと東南アジアでも日系移民の多いところですな、私のお祖父さんがそこの守備隊に居て終戦を迎えたんですよ」
あゆの父と同世代の弁護士の先生は二人前のWステーキを頬張りながら司令部付き士官だった祖父の思い出話を始める。
「まぁー、祖父は後方の司令部に居た主計だったし現地の日系人が情報や物資を回してくれたそうだし、そもそもあの辺は資源が特に無くて激戦区じゃなかったので命拾いしたそうですよ」
「今は色々地下資源が発見されたそうね、昔から見つかっていたら激戦地だったわね」
あゆはミルクシチュー定食の箸を休め秋月ラジヲ店舗内から持ち出して来た商品検索をする為の新型iPadを繰りながら話を繋げる。
「外資が資源採掘権狙い、反日系人団体が活発化、内憂外患」
ビーフシチュー定食を食べながらサヨリはぶつ切り調の喋り方で答える。
「サヨリさん、階級は? 私の祖父は『やりくり中尉』止まりだったそうで」
弁護士がライスのお替り(無料)をしながら聞く。
「ワラントオフィサー……准尉」
「ほぉー? 今はパイロットはどこの国でも皆少尉以上の士官だそうですが?」
「未成年なので半人前扱い。戦闘任務からは外されている」
「チャイルドソルジャーなっちまうと国際法上もまずいな」
半人前扱いされて悔しそうなサヨリの表情を汲み取ってフォローを入れる。
「学校はどうしているの? 私と同い年でしょ?」
あゆが食後のホットコーヒーを啜りながら聞く。
「士官が家庭教師、通信教育併用、去年国際バカロレア試験に受かった」
「すごーい、飛び級3年なんだ」
「パイロットは優秀でないとな」
あゆの父がわが娘のごとくサヨリを褒める。
「ねぇ? 艦載機は何に乗っているの? 航空母艦なんて無いでしょ?」
あゆが新型iPadで島嶼首長国連邦の軍事情報を見ながら問う。
「フリゲートに搭載している超小型水上機、フライングフィッシュ」
「ああジェットスキーに羽が生えた感じのものよね? 雑誌で見たことがある」
「コーヒーのお替りはいかがですか?」
食後も話しこむ一向にメイドが追い出しに掛かってきた。