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菅総理は「決断」できるか…じつはいますぐ 「五輪中止→総選挙」 で “大勝利” できるワケ
2021 05 08 (土) 6:32配信
菅政権が「東京五輪開催」にこだわるワケ菅政権が、オリッピック開催にこだわっている。
どの世論調査でも、国民の大半は、中止か延期を求めている。三度目の緊急事態宣言が出た。それでも、コロナの感染は収まるどころか、深刻になるばかりだ。自民党の二階幹事長が、そして尾身分科会会長が、中止をにおわせる発言をした。
菅総理は、オリンピックにまっしぐらの姿勢を崩さない。
大東亜戦争の末期に似てきたという話もある。負けると言えないまま、ずるずる敗戦に向かっている。
菅総理にとって、なぜオリンピックがそこまで大事なのか。
だいたい、こういう段取りを考えていたようだ。
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(順風シナリオ)
(A)コロナ対策でいろいろ手を打ち、うまく感染を抑え込む。
(B)そんななか、オリンピック・バラリンピックを開催し、日本中が熱狂する。
(C)その余勢をかって、衆議院を解散し、総選挙で勝利する。
(D)自民党総裁選で、無投票で再選される。
(E)長期安定政権となる。
----------でもこのままだと、こうなりそうだ。
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(逆風シナリオ)
(a)コロナ感染がますます拡大し、オリンピック中止に追い込まれる。
(b)菅政権が、オリンピック、パラリンピック中止の責任を追及される。
(c)解散もできず、任期満了の総選挙に追い込まれる。
(d)菅総理では戦えないと、菅降ろしの動きも広がる。
(e)総選挙で議席を減らし、最悪の場合、自民党が下野するかもしれない。
----------こうなれば、菅総理はボロボロになって退陣するほかない。後世の歴史家は、菅政権に辛い点をつけるだろう。
菅総理がほんとうに(A)~(E)のように考えているのか、それはわからない。けれども、広くそう信じられているのは確かだ。
菅政権が「総選挙で勝利」する方法
多くの国民は延期を望んでいるが… 順風シナリオは、逆風でもみくちゃになっている。
国民の8割がオリンピックの中止か延期を望んでいる。感染対策を優先してほしい、オリンピックどころではない、と考えている。自民党支持層だって、そう考えているということだ。
そんなとき、無理やりオリンピックを開催しても、自分たちは置き去りにされた、とみな思う。「日本中が熱狂する」にはならない。(A)(B)が崩れれば、(C)~(E)も崩れてしまう。
菅政権はまだ、オリンピック開催にこだわっているようだ。こだわればこだわるほど、逆風シナリオが現実になってくる。
では、どうすればよい。
逆風シナリオにならないで、「総選挙で勝利」する。いまならまだ、チャンスがある。オリンピックを中止にすればよいのだ。
小池都知事より先に菅総理は、苦言をのべる側近を遠ざけたので、アドヴァイスできるブレーンが周囲にいないのだという。私が菅総理のブレーンだったら、こう忠告しよう。
まず、オリンピック中止を決断しましょう。
オリンピックは、開催できるかできないか、不確定だ。このままだと、どんどん逆風シナリオになって行く。世論やメディアや、関係者が中止を訴え、菅総理がそれに押し切られるかたちになる。オリンピック中止に加え、最後まで決断できなかったことで、二重の打撃を受けるだろう。
みながまだ言い出さないいまこそ、決断のタイミングだ。早いほうがよい。小池都知事あたりが言い出してからでは遅い。その決断が政治的資産になるのだ。
菅総理がオリンピック開催を念願していたことは、国民が知っている。感染拡大とのあいだで板挟みになっていたことも。
その菅総理がオリンピック中止を決めれば、文字通りの「決断」である。これまでどちらかと言えば「決められない首相」とみられていたから、なお鮮烈な印象を与える。
この決断は支持される。感染拡大とオリンピックのあいだでやきもきしていた国民は、こぞって賛意を示すだろう。中止を決めたとたん、内閣の支持率は少なくとも10%はね上がるはずだ。
根回しは禁物
決断は、決断にみえなければならない。中止を発表する前に、IOCのバッハ会長や、小池都知事そのほかに根回ししてはいけない。根回しすれば話がもれる。誰が決断したのかわからなくなる。「日本政府はオリンピックを中止します」とまず決め、交渉や調整はそのあとにする。「決断するのはIOCです」とゲタを預けるような発言をしていたことは封印する。
これまでオリンピック開催に向け全力で動いてきた、組織委員会や関係省庁や、地元の自治体は混乱するだろう。けれども、肩の荷が下りたとも思うはずだ。中止の場合、事後処理が残るだけだから、混乱はすぐ収束する。不満があっても、国民の圧倒的支持の声にかき消される。
関係する組織や内輪の人びとの合意を積み重ねるやり方で、これまで政治を進めてきたかもしれない。だが今度ばかりは、それを飛び越えて「中止を決断」しないと、「決断」にはならない。
政府が中止を決めると、IOCは約束が違うと賠償を求めてくるだろう。お金で人びとの安全が守れるのなら、と受けて立てばよい。
こうして「決断できる政治家、菅総理」の印象が、国民に鮮明に刻まれる。
コロナ感染に脅かされる国民の生命・安全と、オリンピック開催と、両立できない選択肢のあいだで選択をした。苦渋の決断だった。政治的な利害や、人脈や、しがらみをふり切って、より大事な価値を選んだ。菅総理の決断が、どれだけ苦しいものだったか国民は容易に想像できる。だからこの決断は、国民に評価される。
解散の時期は…
では、オリンピックを中止した菅総理は、つぎに何をすべきか。オリンピック、パラリンピックが中止になり、スケジュールの空白が生じる。解散・総選挙は、このタイミングしかない。
解散は、首相の専権事項である。菅総理のもとに自民党は結束するしかない。オリンピック中止で、世論の追い風を受ける菅総理に、菅降ろしをかける余地がない。
総選挙に、自民党は勝てるか。負けはしないだろう。野党は分裂して弱体である。コロナもオリンピックも攻撃の決め手にならない、野党に勝ち目はない。選挙結果は、おおむね現状維持になるはずだ。
総選挙で負けなかった。自民党政権を維持した。この功績は、菅総理のものになる。自民党総裁に再選され、首相も続投することになろう。オリンピック中止を決断すると、順風シナリオの(D)(E)がかえって実現するのである。
私が菅総理のブレーンであれば、以上のように進言する。ほんとうにブレーンだったら、疎まれるかもしれない。でも私はただの民間人。びくびくする理由はない。
菅総理が、政治家として国民と世界の利益を考え、オリンピック開催へのこだわりを捨て、勇気ある決断をすることを願う。国を混乱から救い、国民の犠牲を最小限に抑えることができるかどうかは、菅総理の決断にかかっている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4cffc1057727204aac03cc4048ec2430c78e596c
記事の紹介終わりです。
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■ 2009年7月9日
「我が郷は足日木の垂水のほとり」 はじめました。
本稿はその保管用記事です。
■ 2010年3月2日 人気blogランキング(政治)にエントリーしました。