重火器(じゅうかき)とは一般的には地上部隊が使用する火器のうち、砲兵等の専科兵が運用するものすなわち榴弾砲、カノン砲、臼砲、地対地ミサイル、地対空ミサイル(個人で携行できるものを除く)などを指す。
重火器に対し、歩兵科で扱う火器を小火器という。砲兵が使用する火器であっても個人防衛用に使う拳銃・小銃・短機関銃などは重火器には含まない。また、砲であっても歩兵砲や迫撃砲は小火器に分類される。
重火器、小火器の分類は必ずしも威力の大きい小さいでは決められているのではない。古い時代は威力の大きいものは砲兵、小さなものは歩兵と単純に分類できたが、技術の進歩、戦術・用兵の変化により境界がわかりにくくなっている。
日本では自衛隊海外派遣に関する議論の中で、自衛隊が携行する武器は小火器に限定するという文言から、「小火器とは何か」という議論が起きた。結果として自衛隊が携行できる武器に重機関銃や、迫撃砲、携帯対戦車ロケット砲などが含まれないことになり、こののち一部のマスメディアではこれらを重火器としているようである。
また第一次世界大戦後のドイツはヴェルサイユ条約において重火器の保有を禁止されていたが、当時の概念では重火器とはいわゆる大砲を指し、現代では重火器に分類されるミサイルは未知の技術であったことから重火器に含まれておらず、結果としてミサイルの保有は禁止されていなかった。このためドイツはミサイルの研究に取り組み、世界に先駆けてV2ロケットなどの弾道ミサイルの実用化に成功することになる。
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