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日韓関係改善に一歩…解決策には溝
岸田首相と韓国代表団会談 5月にも首脳会談か
2022年4月28日 06時00分
岸田文雄首相が26日、韓国の尹錫悦ユンソンニョル次期大統領が派遣した政策協議代表団と面会したことで、日韓両国は関係改善に向けた一歩を踏み出した。東アジアで軍事的な緊張が高まる中、日韓の協力強化は喫緊の課題だ。ただ、元徴用工や慰安婦などの懸案に解決のめどは立っておらず、日本側には韓国政府に対する不信感も根強い。課題を乗り越えるには、早期の首脳会談などを通じた信頼回復が重要になりそうだ。(上野実輝彦、ソウル・相坂穣)
◆徴用工問題「日本の厳しい認識共感」
「徴用工問題での日本側の厳しい認識に共感していると伝えた」。代表団長の鄭鎮碩チョンジンソク国会副議長は首相との面会後、記者団に語った。日韓が妥協点を見いだせていない徴用工問題で、首相に一定の配慮を示した。
首相も「現下の国際情勢で関係改善は待ったなしだ」と応じ、日韓、日米韓の連携を強化したい考えを表明。鄭氏によると、双方は日韓、日米韓の協力が重要との認識で一致した。
面会に慎重だった首相が応じた理由について、官邸幹部は「相手も関係を改善しようと、それなりの思いを持ってきた。それをくみ取った」と説明。外交筋によると、代表団は自民党議員との面会で、徴用工問題での日本資産現金化による関係悪化は避けたいとの強い意向を伝えた。首相は日米韓の連携を重視する米国の意向もくんだとみられ、尹氏周辺は「直接話せたのは好調な滑り出しだ」と喜んだ。
◆参院選、少数与党…双方に政治の壁
尹氏は大統領選時から対日関係改善に意欲を示し、代表団には複数の著名な日韓専門家が随行。27日には安倍晋三元首相とも面会するなど、日本側に秋波を送る。だが、具体策の溝は埋まっていない。
首相は26日の記者会見で、関係発展は「1965年の国交正常化以来築いてきた友好協力関係」に基づく必要があると指摘。65年の日韓請求権協定により元徴用工問題は解決済みで、司法判断を受けた補償問題は韓国政府の責任で解決すべきだーとの原則を改めて強調した。自民党では安倍氏が最大派閥を率い、岸田首相に対する保守系議員からの風当たりは強い。夏に参院選を控え、首相に近い中堅議員すら「代表団と会うことが政権にプラスなのか分からない」と話す。
尹氏が所属する「国民の力」は少数与党になり、内政運営では日本に厳しい現与党「共に民主党」の協力が必要。日本側では「尹氏のやりたいことが実現するとは限らない」(防衛省中堅)と不信感がくすぶる。
◆就任式への首相出席に期待感
鄭氏は「懸案解決には双方の努力が必要だ」と日本に協力を求め、代表団関係者も「われわれだけ譲歩しても国民が納得しない」と訴える。カギを握るのは、両国首脳が政治的に妥協するための信頼回復だ。5月10日の尹氏の就任式や、同月下旬に予定されるバイデン米大統領のアジア歴訪が、その契機になり得る。
就任式に岸田首相が出席すれば、2008年の福田康夫首相(当時)以来。韓国側には「関係を一気に前進させられる」(ベテラン議員)との期待感がある。
バイデン氏は韓国訪問後、日本で開かれる日米豪印の「クアッド」首脳会談に参加する予定。これに合わせて尹氏が訪日すれば「直接対面できる大事な機会」(日韓外交筋)にもなる。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/174259
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■ 2009年7月9日
「我が郷は足日木の垂水のほとり」 はじめました。
本稿はその保管用記事です。
■ 2010年3月2日
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