岩淸水

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ハルノートと交渉術 参照記事

2011年07月29日 12時00分00秒 | 歴史

 

 

【ハルノートと交渉術】  2009年08月29日 | 政治


あの戦争に関して偉そうに解説してみても、それは後知恵ですから何とでも解説は出来ます。それでももう一度お温習いをしてみる価値はあるでしょう。ジョセフ・ナイの陰謀が有るならあるで、それに振り回されないためにも、冷静に歴史を観る眼は涵養して於くべきです。日本は東アジアで戦争をしていたわけではありません。亜細亜の経営を行っていました。大切なのは間接的には米英との覇権(戦争)を闘っているという実感が有ったかどうかです。平成の現実も同じようなことが謂えます。日本の経済(戦争)の主敵は米英の国際金融資本主義なのだという認識は有るのでしょうか。

1941年(昭和16年)11月26日に日本に提示されたアメリカの文書がハルノートと呼ばれるものです。その内容を列記すれば次のようになります。

1.アメリカと日本は、英中日蘭蘇泰米間の包括的な不可侵条約を提案する
2.日本の仏印(フランス領インドシナ)からの即時撤兵
3.日本の中国からの即時撤兵 - 中国(原文China)
4.日米が(日本が支援していた汪兆銘政権を否認して)アメリカの支援する中国国民党政府以外のいかなる政府を認めない
5.日本の中国大陸における海外租界と関連権益を含む治外法権の放棄について諸国の同意を得るための両国の努力(原文will endeavor to obtain the agreement)
6.通商条約再締結のための交渉の開始
7.アメリカによる日本の資産凍結を解除、日本によるアメリカ資産の凍結の解除
8.円ドル為替レート安定に関する協定締結と通貨基金の設立
9.第三国との太平洋地域における平和維持に反する協定の廃棄 - 日独伊三国軍事同盟.の廃棄を含意する、と日本側は捉えていたようである。
10.本協定内容の両国による推進    
                            Wikipediaより抄出

たとえ、これを交渉の場で飲むか飲まぬのかと迫られても、のらりくらりと言い訳を並べながら、交渉を引き延ばせば良かった。アメリカの大統領は戦争には不参加の公約で選ばれたのであるから自分からは参戦は切り出せない弱みがありました。英国には遙かインド洋と太平洋を押し渡って日本を叩く力などありません。ですから交渉の引き延ばし、これが正解なのです。しかし、欧米の交渉の要諦を知らぬ気一本の日本人はあまりにも単純に理解したために、ぶち切れて先制攻撃、ワル者に仕立て上げられてしまったのです。『戦争ありき』が大前提の交渉では詰まるところは、決裂で交戦となってしまいます。

最初にアメリカ側は、「不可侵条約」の提案をしているのです。最初にそう書いてありますね。ですから日本としても大前提は不可侵条約の締結が交渉の目的であると宣言すれば良いのです。最期の10項にも協定内容の双方による推進と謳ってあるのですから、この交渉は平和交渉だったのです。戦後になって『日本軍国主義が戦争を起こした。』と謂われてしまった、原因は此処にあるといわれてしまいます。

問題なのは、仏印からの撤兵を迫られ、汪兆銘政権は彼等は否認するという内容でした。交渉ごとには最初には相手には大きくふっかけるのが常でしょう。弐千万円で売るつもりでも最初は、何があっても八千万以下では売らぬ等というのが彼等の常套手段です。今となってはどの程度の妥協で手を打ったものか、相手の腹の内は知るよしも有りません。正解なのは延々と手をかえ品を変えて交渉を引き延ばせば良かったのです。日本はすでに満州帝国の宗主国であり、汪兆銘政権も中国の中心的な政府でした。コミンテルンにいくらかは支援されていた毛の共産党は満州では、正規戦を挑むことなど夢のような話でした。アメリカと経済的などでは敵対的な関係になっていたのは事実ですが、実際の戦闘行為は控える戦略は持つべきでした。現在の日本は米国との戦闘は、安保条約の担保があるので一安心なのです。しかし骨の髄まで従米では、毟られるだけです。日本の要人を狙ったテロの実行者はもとより、其れを教唆したものをも糾明すべきです。そして予防は其れにもまして重要な懸案です。

http://blog.goo.ne.jp/wagasato/e/482a010084d5ed08ac7da2b44e282527

 

 

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