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まだ間に合う「戦わない日本」という価値を武器にすること!

2018年02月27日 | 政治・社会
「憲法九条の軍事戦略」(松竹伸幸著)平凡社新書760円(税別)2013年を読みなおしました。

 著者は護憲派、改憲派双方の問題点を「九条の価値」の戦略的な見直しから指摘する創造的な発想で提示しています。「国民の多数は外交の大事さは百も承知しているが軍事力も必要な場合があると認識している。」そこからみると、「護憲派は軍事というものを全否定する勢力だと思われてしまっては護憲の主張が広がるのも難しいように感じる。」という思いから、9条の価値を見直し、戦略として位置づけるというのです。

 いま、北朝鮮問題や尖閣列島の問題が先鋭化する中で、多くの国民は彼らの行動だけではなく、日本政府自身のいたずらに脅威をあおったり、トランプのアメリカと一体の日米同盟を盾に圧力一辺倒のやり方にはいろいろな戸惑いを感じています。沖縄にミサイル基地などと言いだしており、中国の軍事的な対抗措置まで招きかねません。

 そんな中で、恐怖にとらわれている人々は相手がミサイルならこちらもという安倍政権の発想に容易にのりがちです。その結果、この機会に武器を購入し、軍備を強化して、先制攻撃も辞さない(首相発言は先制攻撃の方が効果的と)ような方向へと向いて来ています。
 外交を最大限追求するのではなく、圧力一辺倒の政権の考えが日本を危険な目に合わせる恐れがあることには、目を向けずに目には目を歯には歯をという力の政策のみを選択することのないようにねがいたいのですが・・・。

 そんな時にこの本は、かなり現実的に専守防衛という常識をもとに、従来の政府の安保依存の立場の問題点を示し、9条を持つ日本ならではの強みを発揮していく手立てが描かれています。
 国連で「核兵器禁止条約」が採択されるなど、世界的に核兵器を禁止しようという流れが始まっている中で、「九条の価値」をとらえなおす意欲的な著書は運動している人々にもきっと自信と勇気をもたらしてくれると思います。

「北朝鮮があのような中で丸腰でいいの?」とか「九条だけでやるのは理想的すぎない?」と思っている人やそういわれて困っている人にもお勧めできるタイムリーな本です。

 著者は1955年生まれ、ジャーナリスト、日本平和学会会員。内田樹氏も「9条と防衛の両立をめざす実にプラグマチックな論考」と推薦していました。

 主な目次
1章 九条の軍事戦略が必要とされる理由
2章戦後日本に軍事戦略は存在したのか
3章九条の「制約」は「優位性」に変えられる
4章九条の軍事戦略を語ろう
5章日米安保条約をどうするか



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