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「ヒトラーに学ぶ」を実行か?―戦争をしようとする政府にとって必要な秘密保護法

2013年11月10日 | 日記・思い出
 どうやら安倍政権は麻生副総理の発言通りに、「ヒトラーに学ぶ」方向へ進んでいるようです。
 ヒトラーは、当時のドイツ経済の停滞を現政権のせいにして攻撃して、支持を得て、政権に着くや労働組合や共産党、社会党などを弾圧し、法律を勝手に作り「合法的」に政治をしていったのでした。政府のポストはもちろんヒトラーの思い通りにやる人につかせ、教育、報道、文化などもすべて統制していったのでしたが、多くの国民もそれを支持してあの大虐殺や大戦に至ったのでした。

 政権への高支持率、外国人へのヘイトデモなどの不寛容な雰囲気の醸成など重なると思われる部分が戦争体験のない私にも気になります。


 このヒトラーのやり方に学ぶということを最近では、小泉元首相、橋下市長などが実践してきたように思います。ともに、マスメデイアを利用して、国民の心をひきつけて支持拡大という面で。二人に共通しているのは、演説のうまさで、ヒトラー張りにワンフレーズで、敵(悪)と味方(正義)に分けてしまうという方式。例えば「郵政民営化に賛成=正義、それに反対するのは守旧派。」など、よく考えると、民営化で全て世の中が良くなるはずがなくても、マスメデイアも国民の多くも熱狂的に支持したのでした。

 さて、安倍政権ですが、首相はオリンピック招致演説で、
「福島原発は完全にコントロールされている。」と驚くような嘘を国際社会に向かって平気で発信できる心臓の持ち主です。 
 
 私なりに戦争前夜のヒトラーのと比較してみると、
 ①改憲や集団自衛権、消費税増税などは争点にせずに、ヒトラーのように「経済政策で支持を得る」ということは功を奏しました。小選挙区制という民意を反映しない制度や、民主党の失敗にも助けられての大勝でした。

 ②次に「人事で政権の思い通りの政治」を進めはじめました。首相のかねてからの主張である九条を削除することが簡単ではないとみると、「集団的自衛権は憲法九条のもとでは不可」という見解の内閣法制局長官を更迭にして、首相と同見解を据えて九条の骨抜きにかかりました。

 ③「マスコミを支配下に置く」。これは情報操作で国民を操れるのでヒトラーが力を入れた分野でした。戦前の日本もそうでしたが、ラジオ、新聞、雑誌の検閲弾圧があり、国民は真実を知ることができませんでした。
 今、安倍政権は、テレビ、新聞各社の幹部との会食会を重ねてきて一定の成果ありとばかりに、次はNHK人事を安倍首相の思い通りになるように入れ替えを行いました。これではNHKはますます政府の宣伝機関になってしまいます。
 「政府の都合の悪い国会中継はしない」とか、「ニュースは政府の見解のみで反対意見は紹介しない」、「デモなどの国民の抗議行動は伝えない」など、いまでも疑いのあるこれらのことが一層強められていくのではと心配です。事実を知らせないというのが国民を操りやすくする手であると。

 ④「秘密保護法で国民を処罰」。上記①~③でも、国民の目、耳、口をふさぐことはできないというのでしょう。「国民の知る権利」(言論の自由、情報公開など)を奪う憲法上は、許されない「特定秘密保護法」で、自由な報道も、国民の知ろうとすることも政府の恣意のままに取り締まることができるようにというのでしょう。
 情報公開という民主主義国の流れに、逆行し、国民を政治的無知に貶めることによって政権を維持しようとする驚くべき政権の考えです。自公内からでも疑問の声が出ていますが、「報道に配慮」の文言でその声をひっこめています。沖縄返還時の秘密交渉内容を暴露した西山記者が逮捕された事件を思い出します。山崎豊子の「運命の人」にも描かれましたね。

 今回の悪法には、毎日新聞、朝日新聞、地方の新聞など多くの新聞社は連日反対の声を上げています。政治や宗教などで違う考えの人でも、言論の自由など民主主義を守ろうとする人は、この法案には共通して反対していけるのではないでしょうか。
 
 署名や抗議行動などの声をあげないことには、「今となってはもう遅い」と後悔することになるかもしれません。いろいろな場所で話題にしていきたいと思います。できるうちに。
                
              参考
 ネットからの記事にて「神奈川新聞」「毎日新聞」「法案要旨」を紹介します。
    
 ①カナロコ by 神奈川新聞 10月16日(水)14時0分配信  
特定秘密保護法案を問う(1)ジャーナリスト・江川紹子さん「流れは止められない」(記事の配色は当方)
 
 安倍晋三政権は秘密情報を漏らした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案を今臨時国会に提出する予定だ。防衛や外交分野で指定した「特定秘密」の情報管理をうたうが、広範囲の情報が秘密とされる可能性があり、情報の取得も処罰対象とすることから「国民の知る権利の侵害につながる」との指摘がある。識者らに聞いていく。

 >〈言論を封殺する。これが戦争への道の第一歩だった。人々は「見ざる、言わざる、聞かざる」を強いられ、真実を知らされないまま戦争へ駆り立てられた
 巻頭でそう記す「『言論』が危うい」は1987年、本紙連載をまとめて刊行されたものだ。
 当時、中曽根康弘政権が成立を目指した国家秘密法(スパイ防止法)をテーマにしたこの連載を、社会部記者として担当した。
 
防衛や外交に関わる情報を秘密に指定し、漏えいした場合の罰則を最高で死刑とした国家秘密法。その本質が、特定秘密保護法案に二重写しになる。
 では、その本質とは。

 「民間人、いや国民を取り締まる法律です」
 そう言い切った。

情報漏えいはいまでも国家公務員法、自衛隊法で罰せられる。

 新たな法案は、情報を漏らした公務員らの罰則を強化するものだが、それだけではない。情報提供を求める行為が、そそのかしたり、あおったりしたと見なされれば処罰の対象となる。

 強まる罰則、広がる処罰対象。その先に何が待つのか。

■言論の封殺
 連載では、戦中にスパイ容疑で逮捕されたキリスト教の司祭やさまざまな規制の中で記事を書かざるを得なかった新聞記者、横浜事件で有罪判決を受けた元編集者らを訪ねて回った。

 ある記者は言った。
 「ジャーナリストの自己規制が一番怖い」
 記者は、戦争未亡人が3人の子どもを育てるため、授産所で懸命に働いているという人情モノの記事を書いた。真珠湾攻撃から1年がたったころだ。哀れにも読める話だったためか、社内で「戦争批判に通じる」と、ボツになった。

 以後は「この手の記事は出せない話」と自分で判断するようになり、同じような話を書かなくなった。「お上からの制約以上に自粛して、どんどん小さくなってしまった」

 最初はささいな変化かもしれない。しかし、世に出回る情報の「幅」が狭まるということは、国民の知る権利が損なわれるということだ。

 そして、その幅は権力の側により恣意的に操作されることは歴史が教える。

 政府に不都合な情報が表に出てこなくなる。政策を判断し、政府を批判するきっかけがなくなる。つまり言論が封殺される。「報道の自由や表現の自由の基盤である『国民の知る権利』が保たれていなければ、民主主義が危機に瀕する」

 そうして戦時下の報道や言論は戦意高揚をあおり、国民の楽観を生み、日本は戦争へと歩を進めていった。

■実感なき世代
 国家秘密法案が議論されていたころはまだ「言論の封殺」を経験した人々がいた。「感覚的に『大変だ』と感じて、たくさんの人が反対の声を上げた」。結果、法案は廃案になった。

 それから30年余。「戦時中の空気」を語れる人はほとんどいなくなった。

は湧きにくい。理屈で考えるのはとても難しい」

 メディアの危機感も薄い、と憂う。「戦争の生々しい記憶が残っていたあのころと今とは、全く雰囲気が違う」

 戦前戦中といまでは社会情勢は異なる。 反対に、戦争の名残すら感じたことのない世代が増えた。「感覚というのは理屈に勝る。『戦争になる』と想像力に働きかけても、実感
でも、本当に違うだろうか。

 〈公益及び公の秩序に反してはならない〉
 自民党の改憲草案を読んでがく然とした。個よりも全体、つまり国を優先させることを強調している。

 そして戦後レジーム(体制)の脱却を掲げ、憲法改正と集団的自衛権の行使容認に意欲を見せる安倍首相と、その政権は高い支持率を保つ。

 「日本は安倍首相が望む一つの方向に向かっている」

 戦争ができる国へ-。

 その流れの中に、特定秘密保護法案がある。

 「安倍首相も戦争をやりたいと思っているとは思わないが、戦争という最後の選択肢がないのと、あるのとでは全然違う。戦争を回避しようと尽くされるはずの努力がなされなくなる」

 実感のない世代が戦争という選択肢に向かい始めたとき、報道や言論は異を唱えられるだろうか。

 「それはもう、簡単には止められません」

 静かに、また言い切った。


◇えがわ・しょうこ
 1958年、東京都生まれ。神奈川新聞社会部記者を経て、フリージャーナリストに。えん罪や災害、新宗教などの問題に取り組む。95年、オウム真理教報道で菊池寛賞を受賞。55歳。
   

  特定秘密保護法案の要旨
【目的】
 国の安全保障に関する情報のうち、特に秘匿が必要な情報の漏えいを防止し、国の安全を確保する。

【特定秘密の指定】
 防衛や外交、テロ活動防止などに関する事項のうち、公になっておらず、秘匿が必要な情報を閣僚らが「特定秘密」に指定する。指定の有効期間は5年以内で更新が可能。

【特定秘密の提供】
 閣僚らは、この法律と同様の秘密保護を講じている外国政府や国際機関に必要に応じて特定秘密を提供できる。衆参両院や各委員会が秘密会などにより公開しない場合や、刑事事件の捜査、公判維持のため裁判所にも提示できる。

【取扱者の適性評価】
 特定秘密を取り扱う公務員や、行政機関との契約により特定秘密を保有する民間事業者らが情報を漏らす恐れがないかどうか適性を評価する。適性評価では、外国の利益を図る目的で兵器の輸出入を行う特定有害活動やテロ活動との関係、犯歴、精神疾患、飲酒の程度などについて同意を得た上で調査する。家族の国籍などの個人情報も調べる。

【国民の知る権利】
 法適用に当たって国民の知る権利に資する報道・取材の自由に配慮する。

【報道の自由】
 取材活動に関して法令違反や著しく不当な方法と認められない限りは罰しない。

【罰則】
 特定秘密を取り扱う者が外部に情報を漏らした場合は最高で懲役10年。過失で情報を流した場合は2年以下の禁錮とする。(1)人を欺く、暴行、脅迫(2)窃取(3)施設への侵入(4)不正アクセス-などの行為で特定秘密を取得すれば10年以下の懲役。秘密の漏えいを唆し、扇動した場合も5年以下の懲役とする。

②毎日新聞 2013年11月05日 02時35分
 社説:秘密保護法案を問う 国民の知る権利
 国民が自由に情報を得る機会を持つことは、民主主義の基本だ。知る権利に奉仕するのは報道だけではない。国民は多様なルートで国政についての情報を集める。
 だが、特定秘密保護法案が成立し、特定秘密にいったん指定されれば、その取得行為が幅広く罰せられる。国民も例外ではない。
 法案は、社会の情報流通を妨げ、国民の日常生活を脅かす危険性に満ちていると、改めて指摘したい。
 憲法や刑事法を専攻する学者300人近くが10月28日、法案に反対する声明を連名で発表した。
 特定秘密は安全保障に関わる国家機密で、防衛、外交、スパイ活動防止、テロ活動防止の4分野が対象だ。別表で規定された項目は広くあいまいで、行政の判断でいかようにも拡大できる。一方、情報を得ようとする側は、何が特定秘密か分からないまま、取得行為が罰せられる。
 法学者は、こうした基本的な枠組みに危惧を表明した。国民の人権を侵し、憲法の国民主権の原理に反するというのだ。もっともな指摘だ。
 声明では、特定秘密の指定が、市民の関心事に及ぶ具体例を二つ挙げた。一つは、原発事故だ。安全性に関わる情報がテロ活動と結びつけられ、特定秘密に指定される可能性が大きいと法学者はみる。
 もう一つが基地問題だ。防衛省は普天間飛行場の移設先に予定している沖縄県名護市辺野古のジュゴンの環境調査結果を公にしていない。こうした調査でさえ、基地移設と関連づけ特定秘密になり得るという。
 原発や基地は全国に点在する。地元住民のみならず国民の共通関心事である。そうした重要テーマについて、個人やグループが情報を集め、議論をし、行政対応を求めるのはごく日常的な光景だ。
 だが、いったん特定秘密に指定されれば、情報に近づくことは、刑事罰に直結する。漏えいや取得についての共謀、そそのかし、扇動行為には、最高で懲役5年が科せられる。未遂の処罰規定もあるから、結果的に情報提供がなくても罰せられてしまう。
 また、万が一、逮捕・起訴されて裁判になっても、特定秘密の内容が法廷で明らかにされないまま有罪になる可能性を法学者は指摘する。刑事裁判の適正手続きという観点からも大いに疑問が残るのだ。
 法案が成立すれば、国民の知る権利は守れなくなる。
特定秘密保護法案の審議入りが近い。問題点を明らかにしていく。
 
 以上、ネットの神奈川新聞、毎日新聞からでした。


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