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マスコミは安倍政権の危険な道をなぜ国民に知らせない!?

2015年03月14日 | 政治・社会
過日ニューヨーク・タイムズの東京支局長の見解を目にしました。それに触発されて、新聞について、いつも思っていることを新聞社にも発信しました。
 今回は、憲法改正案を作成し、天皇元首化や九条を骨抜きにすることを公言している読売新聞や、それに同調している産経新聞はさておき、比較的政権に批判的とされる朝日新聞について、読者としての記事構成などについての見解を希望を込めて朝日新聞に送付しました。一読者の批判的意見などは目もくれないかもしれませんが、長年の読者ですから、今の状況下で少しでも警鐘を鳴らすような新聞であってほしいとの思いです。以下はその発信内容です。(色はブログのみ)
 

             朝日新聞社編集部 御中
 40数年来の読者として最近の記事のあり方についていろいろ疑問が生じております。以下の点について一読していただければ幸いです。

A,一面の見出しと二面の記事の比重に疑問

 重要な内容について、一面では政府の広報のような見出しのもと、その内容を伝え、二面に至ってやや詳しく解説し、批判的な意見も紹介するというスタイルが多い。この構成については、疑問があります。まず政府の発表を中心に見出しを作成する結果、NHKのごとき政府広報のような役割になってしまい、二面まで読み進まないとその問題点などは把握がむずかしいことになります。

 客観的にみえる見出しや紙面づくりのなかに、誰の目線で記事を作っているのか疑問のことがあります。客観報道とは、結局、情報発信力のある、つまりは政権党に有利に作用するのであり、朝日が意図的とは思えないが、朝日の姿勢が政権寄りに報道し、付け足しで批判をのせているように思えるのです。(後註①)

B,野党の扱いに疑問

 重要な問題点についても、野党の考えがほとんど紹介されないはどうしてでしょうか。時の政権の動向が重要なことは分かりますが、それに批判的な政党の見解の紹介なしに一部識者の見解で終わるような構成が多く、野党の存在を見えなくしています。
当然ながら、選挙では政権党は100%の国民の支持のもとに成立しているわけではありません。過半数に満たない支持にもかかわらず、不公平な小選挙区制(後註②)によって政権についているのであって、過半数は野党の支持者です。

C,戦後の反省生かす立場に疑問

 特に安倍政権が憲法改正や集団自衛権の行使など、戦後70年間の平和国家日本を根底から覆すことになるかもしれない時に当たり、朝日は政権にこびることなく批判論陣を張る覚悟がよく見えず、記事見出しや構成に見られるように「おっかなびっくり」ともいうべく、腰が引けていることがあまりにも明らかで、40年来の読者としては悲憤慷慨の日々です。
 戦前の国民を戦争に駆り立てた新聞報道の反省の上に戦後の新聞があるならば、このような時にこそ、全社挙げて戦争国家に向かうのを防ぐ報道に立たなくてはならないのではないでしょうか。

D,国民の具体的な運動の扱いに疑問

 市民や野党などの沖縄の基地反対運動や原発反対運動などは、無視したり、小さく扱うような習性が記者や編集者にできてしまっているのでしょうか。具体的な行動をすることの大変さや、それだけにその行動の持つ重い意味が取材する記者や編集者にわかっているのでしょうか。政権党に密着して取材活動をして、政府の言うことを伝えるのが役目だと考えるようなことはないでしょうか。貴紙だけとは思いませんが批判精神を無くしたマスコミはもう百害あって一利なしとさえ思います。
 高所から見るのではなく、行動を起こすほどの危機意識を持っている人々の動きについて、もう少し市民の側に立ってきちんと報道してほしいと思います。これが、朝日の寄って立つべき記事づくりなのではないでしょうか。

E,皇太子記事の扱いと言い訳に疑問

 今回の皇太子の記事の扱いについても前にネットで見て、おかしいと思っていました。多くの読者からの質問と池上彰氏からの指摘にこたえる形で、今回3月10日に疑問に答えています。しかしこの回答は十分に納得できるものではありませんでした。
 今回の皇太子の発言は、今までの天皇や皇后の発言の延長線上にあり、憲法99条に定められているように、天皇も憲法を守り擁護する義務があるもとでの、当然の発言です。昨今憲法を無視するという憲法違反の政治家がいるなか、日本の平和が憲法によって守られてきているという至極当然なことを言わなければならない皇太子の心中さえ想像してしまいます。その発言を朝日新聞はきちんと報道せず、端折って一部のみを報道したわけです。
それへの質問にたいして、貴紙の回答は4点だったと思います。(青文字)

①昨年はのせた。
⇒ しかし、昨年はのせて、昨年以上に問題が進行しているのに載せないのは、平和を是とするであろう社としてはおかしいのではないでしょうか。どのような問題意識なのでしょう。

②今年はデジタル版には載せた。
⇒ デジタル版にのせたことが新聞に載せないことの理由にはならないでしょう。却って載せる必要があると実は考えていたのに新聞にはあえて載せなかったともとれます。それに読者すべてにデジタル版が読めるわけではありません。

③スペースが限られているから新しい内容の部分をとりあげた。
⇒ 皇太子の話の前の部分が新しい内容なのでしょうか。前の部分の、あの戦争の悲惨さや反省をふまえて、貴紙が載せなかった後の部分で、今日の時点で平和憲法の 大切さに言及されたのでしょう。いま安倍政権が憲法を変えようとしている最も今日的な問題をわざわざカットして伝えるという感覚に、朝日新聞の危うさを感じます。まるで載せない読売新聞は特別としても、多くの他紙はのせている中でのこの感覚です。

④今後は人々の関心が高いテーマについては丁寧に伝える。
⇒ 人々の関心の高いテーマをこれからしっかり扱うというけれど、記事は人々の関心だけで決めるのではないでしょう。社会の木鐸という役目を放棄しているのでしょうか。人々が気付かないうちに進められている危険なことや不正を調査して報道することが大切な場合もあるでしょう。それは皇室の記事でも同じ姿勢で臨まないことには、戦前と同じ過ちを何度も繰り返します。

 貴紙の戦後の反省を考える時、このような反省の仕方ではなく、皇太子の表明の全文をのせ、賛同するような見解を堂々と述べていくことが貴紙の対処の仕方ではないでしょうか。とても残念です。


 以上のように、政権への姿勢や皇太子記事の扱いを考えると、「ああ、朝日新聞のあの反省はなんだったのか」」と思ってしまいます。それは、戦後の決意や福島原発での虚偽報道についての反省、従軍慰安婦問題での誤報道の反省です。
 社の姿勢がもし、平和を希求し憲法を守る立場ならば、今こそ明確に一面の見出しや紙面構成に反映させるべきではないでしょうか。私は福島の事故以後、重要な事件や政策がある時には、貴紙だけでは不安で東京新聞や神奈川新聞などを購入して比較して読むようになりました。とても残念です。

 貴紙の長い間の読者として、読売や産経の危険な方向へ向いている政権を後押しするような論調は、戦前の反省を生かさずに誤った方向に導くのではと、とても心配です。それというのも、これらの関係者が前に首相と会食を共にするようなマスコミ人と報じられましたが、このようなマスコミ人に政権批判などは期待できるでしょうか。貴紙には時の政権と会食を共にするような方はいないと信じたいのですが、この面でも政権によるアンダーコントロールのマスコミという現状に危惧の念を持っています。

 貴紙にはもっと国民目線で記事づくりをして、警鐘を鳴らすべきは鳴らすような立場に立ってほしいと思い、非力ながら訴えを書きました。貴紙を手にした時にジャーナリズム精神が発揮されていると思えるような記事に多く出会えることを期待しています。              2015年3月14日 (神奈川一読者より)

(後註①)
例えば、3月14日の紙面の一面では、「安保法制 公明が大筋容認」の大見出しのもと 自衛隊派遣「一定の歯止め」とあります。歯止めがあるんだなと思うようになります。所がコラムの解説で「普通の軍隊」近づくとの解説があります。また、二面では「膨張する自衛隊活動」の大見出しのもと「周辺事態法も範囲拡大」「正当性・安全策どう担保」との見出しで課題を述べてあります。この扱いでは、一番の問題は二面の見出しではないでしょうか。それをなぜ堂々と一面に述べないで、二面を読まないと課題がよくわからないような紙面構成にするのでしょう。平和の旗色を鮮明にするのに圧力でもあるのでしょうか。

(後註②)この不公平な選挙制度について、貴紙も始めは少数の支持で多数を得る横暴さについて反対していました。やがて、二大政党を人為的に作るとの論理で小選挙制度に賛成の論陣に変わりました。今、小選挙区制度は民意を反映しない非民主的なものであることが問題になっています。貴紙はこの点も、小選挙制度を推進する立場のままなのでしょうか。或いは方針転換したのでしょうか。国民のわずかの支持で政権を握る仕組みの小選挙区制を改革しないことには、選挙の公正性も保たれませんし、国民の無力感も大きくなり、投票率も上がらないと思うものです。


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1 コメント

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物言わぬ報道機関 (木漏れ日)
2015-03-15 16:33:17
こう言っては失礼ですが、皇太子のお言葉には、国民目線で分かりやすく、心に響くものを感じます。一方
NHKの*クローズアップ現代*という番組の内容にまでいちゃもんをつけた、官邸の影響か、ここ数週間では政治的な問題は一切扱わない。よって今では、この番組を見ないことにしています。
新聞代は今や月¥4037です。それに応えられる内容を求めます。
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