ネイチャーゲーム&自然・趣味

ネイチャーゲームで知った自然。テニスやハーモニカ、ウォーキングなど遊びの世界。

東京大空襲を忘れない!=コロナ禍での76年目の3月10日 

2021年03月11日 | 政治・社会
 今年の3月10日は、新聞各紙もTVも、「コロナ禍」と「東北大震災」のことで、いっぱいのようです。このブログでも過去、何度か書きましたが、米軍による1945年(昭和20年)3月10日の東京大空襲では10万人以上の死者が出たのでした。

 攻撃目標となった下町一帯が人口密集地で当時は木造家屋が多かったということが被害の大きさを増大させたと言われました。しかし、同時に、なぜ逃げなかったのかというと、作家の早乙女勝元氏の「東京大空襲」などにも、明らかなように、当時制定されていた「防空法」の存在がありました。
 防空法では敵空襲の際、市民に初期消火を義務づけており、その場を許可なく離れ、消火に参加しなかった者は処罰されるのでした。火の手が上がった瞬間でも逃げることなくその場に踏みとどまり、バケツリレーなどによって消火活動を行おうとしました。
 
 こうして、「東京大空襲」はアメリカ軍による残酷な焼夷弾を無差別に落としての、殺戮行為だけではなく、政府が決めた「防空法」で逃げるわけにいかなかった市民を巻き込んでの悲劇でした。
 それゆえに、裁判でも政府の責任を追及し補償を求めているのですが、残念ながら、日本の裁判は棄却し、国の責任は認めようとはしません。
 世界各国では一般市民の被害も、軍人の被害も同等に扱う流れになっているのに、同じ命のはずなのにという思いです。戦争始めるときに、政府の命令で出陣する軍隊には補償を認めることで士気を高めることが狙いなのでしょうか。

 米軍の卑劣な空襲も許せませんが、逃げることさえ許さなかった日本軍や政府の方針も異常です。日本軍は「戦陣訓」として、「死すとも敵に陣地を明け渡すな」とか、有名な「生きて虜囚の辱めを受けず・・・」と、軍人には死ぬことを強制してきたのでした。

 戦場で、特攻隊員に死んで来いと命令したり、兵士を虫けらのように扱うのが日本軍の特質ですが、トップは傷つかずに下級兵士に過酷なことを押し付ける軍隊や権力というものの恐ろしさを忘れてはいけないと思います。
 「東京大空襲」の日は、戦争をすることによる、敵の恐ろしさとともに、自国の政府や軍隊の恐ろしさをも認識すべき日と改めて思います。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿