妄想ジャンキー。202x

あたし好きなもんは好きだし、強引に諦める術も知らない

読欲と食欲

2007-06-30 03:05:36 | ○ひとりごと
読書欲と食欲はよく似ている。
ズッコケ三人組、宗田理のぼくらシリーズの時代を経て、僅かずつ成長した。
私にはハチベエやモーちゃん、ハカセみたいに頼りになる仲間もいないし、ましてや菊地や相原なんかの『ぼくら』や『解放区』もない。
理想は理想として、ここは現実だ――諦めたわけではなく、自分の置かれた環境が愛しくてたまらなく思えてきた頃。
熱っぽいほどに、病的なほどに、本を欲してやまなかった。
小説小説小説小説随筆随筆論文小説図鑑小説論文。
自分に近い世界、遠い世界。
本屋は食べ放題の店に似ている。
とりあえず食べてみよう、これ案外に美味しい、次でも貰ってこよう。
このケーキはうちじゃ絶対食べられないね。
なんかさっきのと味似てるね。
人生のうち短い青春を、お世辞にも爽やかとは程遠い趣味に打ち込むことで、私はがむしゃらに元をとろうとしていた。
運動オンチで何をさせてもセンスがない、私はそんな青春時代を送っていたから、唯一自慢出来る読書への熱が密やかな誇りに思えてしかたなかった。
そんな自分に潜むインドアな部分にもどかしさを感じながらも、人並みの恋や友情も堪能し、ハチベエや菊地の時代を卒業した。
膨大な空き時間が出来るようになってから、歩きながら本を開く程のアグレッシブさはなくなったけれども、鞄の中の本一冊はどうしてもやめられなかった。
青春時代とは明らかに種を異にする活字中毒になって以来、「作家は女流」の一辺倒を通している。
ドラマ原作をきっかけに恩田陸に没頭し、親戚から借りた宮部みゆきにも没頭した。
最近では両者を読み飽きるほどに読んでしまったので、そろそろ新境地をと思い、角田光代に手が延びている。
文学部に所属してはいるが、文学とは何ぞやなんて知ったことではない。
今日何食べよう、中目黒にでも行ってみようか。
今日何読もう、古典にも手を出してみようか。
食べ放題にあるような熱っぽさはないけれど、知らない町に出て美味しそうなレストランをくぐるような、そんな大人の読書欲。
やはり読書とは食べることなのだ。
活字は脳の栄養だ。




「人を簡単に殺せる薬があったなら、あたしだって欲しいと思うわ。だって、いつ必要になるかわからないもの。もしかしたら自分が使うことになるかもしれないけれど――あたしたちはそういう年代なのよ」


山Pからお借りしました、東野圭吾『放課後』の、気になった一文。
時間が過ぎるのを忘れてこんな時間まで読んでしまいました。

よかったです、非常に。
恩田陸の学園モノは学生主人公ですが、こちらは先生。
先生も学校に対し、あるいは生徒に対し色んな感情を抱いている。
女子高の雰囲気も爽やかながらエロティックだった。

批評が赦されるなら一点。
スッパリ感がある。
オチがフワフワ浮いてない。
男性の書いた小説というより、女性が書いていない小説ってほうがしっくりくる。
私の目線はどうしても女目線だからしかたないんだけど、もうちょっと余韻があるのが好きかなと思いました。

しっかし学園モノ小説を読むと、無性に母校を訪れたくなりますね。


そんな私が最近読んでいるのは昆虫図鑑だったりします。
タウンページ、辞書、イミダスなどどうも分厚いものに惹かれてしまうんです。



読んでる最中、蚊に食われまくりました。
かゆくて寝れん。
旅の準備しなきゃなのに。


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