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遊名人壱實

まさかのものがまさかなものを作る意外性の面白さに溺れ狂っています。今後手遊びの作品を紹介したいと思います。

No70 近郊探訪9 大三島、フジと温泉

2016年04月29日 | 紀行・詠
 ゴールデンウイークを前に近くを一日遊んできました。別名《神の島》といわれる大三島には大山祇神社が祀られ、神社に勝るとも劣らない日本の甲冑の8割の国宝を所蔵している甲冑ファンには宝物館は目の離せない所です。
 その島の《藤の花》を見に行った。花はまだ5分咲きってところだったが、これが満開になる連休頃には、野点の会や句会、屋台村等々多くの人出で賑わいます。フジ棚は300メートルの長さは日本一だとか、5分咲きとはいえフジの花を愛で、香りを満喫、牡丹の花も咲いていました。
         

 私たちは近くのお店でお弁当を買い求め、春、桜の咲く頃は最高であろう、枝垂れ桜のみどりのすだれの中でお弁当を広げ寛ぎました。贅沢という最高の一味(いちみ)をふりかけ・・・。   
   フジの花香り漂う公園の
      桜のすだれ行く春偲ぶ


   県境は世界に誇る斜張橋
      チャリの聖地は神の清む島

         

 フジを堪能した私たちは島内にある塩湯温泉で二時間半、ゆっくり、のんびりのお湯に浸り、鋭気を補充。世界に誇る斜張橋、広島県境の快晴の多々羅大橋をカシャ。チャリの聖地と言われるほどに、多くの外国人の姿が見られた、勿論邦人の姿も。
 連休前のいい一日でした。連休?私たち朗人は休憩します。

№69 御衣黄桜

2016年04月16日 | 石庭結
 4月10日、我が庭《石庭結》のみどりの花≪御衣黄桜≫がやっと咲き始め、15日には皆さんに見ていただく程に咲きました。4月上旬、日本国中をピンクの花園に染める≪ソメイヨシノ≫の後、みどりの桜は咲きます。この近郊にはなく、それはめずらしく神秘な桜です。原産は京都、世界遺産の真言宗御室派総本山仁和寺。
 花言葉は《永遠、優美》永久にやさしく美しくあれ、雅な平安の絵巻を彷彿させる様に魅かれ、この稀な桜のとりこになり《ないものねだり》の私は、手作りの庭に咲かせたいとの欲望に駆られ、造園業者から手に入れ、6年目の春を迎えた。幹回り35cmと倍以上に成長し、今年も美しく、凛々しく咲き誇ってくれました。満開のみどりの花はやがてピンクへと変わる。御衣黄とは平安王朝の高貴な衣装、萌黄色に近いため命名されたと記されていた。
 咲き始めから満開まではみどり色の花は葉っぱと同化され判り難いのですが、徐々に薄くなり黄緑はやがてピンクから赤い筋状になり、他の桜のようにハラハラと派手に散るのではなく、茎から『ぽとり』と落散る(おちー)潔(いさぎよ)さは人生の午後の生き様を感じざるを得ない。今は6年前、庭作りの記念にと求めた二本の苗木、欝金の桜に抱合せて植えたもう一本の御衣黄桜も花を咲かせ庭も一層賑わっています。
 今日、近くの老人施設から数人の方が来「めずらしい、こんな桜は見たことがない、逝った爺さんに話してやろう」と婆さんの言葉は嬉しい限りです。
 私は日々この庭の床に佇み、春は紫の可憐なすみれの花が庭一面に咲き、御衣黄桜、真っ白い充庸牡丹や花菖蒲に紫陽花≪すみだの花火≫秋には白い曼珠沙華、数種類のもみじを愛でる。来年は芝桜を開いている地に植え、御衣黄のみどりと芝桜の赤とのコラボを・・・こんな花いっぱいの素晴らしい《石庭結》の中で黄昏の夕刻を暮せる幸せ者です。
 なお、5枚目は昨年の落散る御衣黄桜の写真です。
 
   御衣黄のみどりの花に足をとめ
       床に坐してひとり楽しむ


   いさぎよく落散る御衣黄に教えられ
      黄泉の国への理想の逝くさま


            

         

No.68座敷雛と路地のあかり

2016年04月04日 | 日本のあかり行灯
 昨年、八幡浜の知人の住む小さな村で≪あんどん≫をともした。その時「親戚が来年、跡取りに長女が生まれたんで、来年の座敷雛に、この≪行灯≫をやってもらえんかな」と頼まれた。私は断ることもなく了承。
 この地区では200年の昔より、跡取りの長女誕生には、座敷いっぱいにお雛様を飾りお披露目する《座敷雛》という伝統行事が4月2日3日の二日間、今に受け継がれています。それはそれは立派なもので、《大工》と呼ばれる棟梁始め、《結》という助け合いの精神の元、一週間も前から村中総出(一日約30人にも及ぶ日も)で作り上げて行くものです。
 両親から贈られた七段飾りの豪勢な雛様を始め、中世の都の再現、盆栽の立派な松や満開の桜や森、瀧や池を配した庭園は素晴らしい。ちょうど私が八幡浜に行く2日朝、NHKで以前の映像が流れていました。
 この日私が行ったのは、大野由莉ちゃん、昨年8月2日に生まれた可愛い、おじいちゃん、おばあちゃんにとっては大切な宝物。
私が行ったときちょうど、おじいちゃんに抱っこされた由莉ちゃん、じっとはしていなかったように思いました。それほど元気でしたよ。
        

        
     由莉ちゃんの初節句祝う座敷雛
           伝統の村行列の人


 この座敷雛から続く、宇和海を望む最高のロケーション、路地の緩い坂道に90灯近くの行灯を飾る。3時頃から知人やその友人と・・・、前日、下見していたとおり坂道から、幅1mに満たないほどの狭い路地を神社への順路を灯す。坂道には色とりどりの《四角錐》やいろいろな形の行灯を並べ、狭い路地はみどりの灯り、桜の下には《吊り行灯》を配す。この行灯の一番輝いた状態を頭に描き配置、皆さんにきっと堪能してもらえるだろうと。
 夕刻、宇和海には落日のあかりの道がのびる頃、行灯は自己主張をし始める。座敷雛を見に来た人たちも坂道の行灯に歩いてゆく。皆さんあかりの中をゆっくりとゆっくりと歩いている。狭い路地のあかりに吸い込まれるように神社境内の灯りへと。満開のさくらに吊るす行灯や散々と配された行灯の中を・・・、多くの人に満足してもらえたと感じ取れました。
        

        
    座敷雛延びるあかりに導かれ
      あんどんの路地歩く坂道