山女と岩魚２

おはようがんす
こちらでは魚をさばいたり、鳥や獣を食べられるようにしたりする事を「りょる」という
だから昨日の状態を、山女をりょる、というように成る
或はスポーツでも。相手を手もなく破ってやる、といった意気込みの時に。「簡単に料ってやる」といった塩梅に使う
そんな風に、りょった、魚を串に刺して炙り焼きにする

　　　
　
毎年の事で、串や、炭をおこし串が周りに差せるように成っている道具が用意してあった
其方は女性軍に任せて、ずぶ濡れの体を風呂で温める
風呂は昔ながらの、五右衛門風呂、だ、屋根を掛けて雨を凌ぐだけの野風呂である
湯気を吹き払う川風が心地よい、水は脇の山から湧きだした清水でありとても柔らかい湯だ
野趣とはこんな事を言うのかもしれない



本番の食事会は友人宅の最近作った庵だ
陶芸家の彼はとても器用で何でも作ってしまう、家は勿論、風呂も囲炉裏もみんな彼が暇にまかせて作ったものだ
素人作りにしてはまずまずに造ってある、少し「曲」が違っているようなので訊くと１２尺で５寸５分くるっているという、それでもちゃんと合わせてあるのが素人作りの面白さであろう、囲炉裏の周りのは色色なご馳走が並んでいる、特に持ち寄りの山菜おこわは抜群にうまかった
囲炉裏の」ほど」に「くべて」置いた栗が良い香りを出してきた丁度よい塩梅の焼き具合なので戴く、美味だ

　　　

こうして楽しい時間はあっという間に過ぎて行く、また来年までお預けだ
此の話も来年までお預けにして

そんじゃあまたはなすべえ
遊童子