石垣の春

お晩でがんす
愈々大寒に入った、と同時に寒さが一段と厳しくなった
然し此れで節分が終われば立春である、屋敷南の石垣の日だまりに春が来ていた
まず目につくのが「仏の座だ」
春先畑一面に覆い尽くして、濃い赤紫の絨緞を広げて見せる花だ
農家には始末の悪い害草だが、今の時期、寒さに耐えて花を咲かしている



唇弁に出た赤点が目鼻の様で可笑しいし中中愛嬌が有る
次は貧乏草とさげすまれている、「薺」だ「ペンペン草」とも言われている
春の七草だが此れも丈夫な強い草で農家の大敵だが、、、、、一面に生えている



そして花の綺麗さに反比例している「大犬の陰嚢」だ
碧色のダイヤの様な色をした花なのに、かわいそうな名前だ
、キリストがゴルタゴの丘で処刑されるとき、十字架を担いだキリストに、聖少女
ベロニカがそっと差し出してキリストに上げた花が此れだ
バードアイ。とかキャッツアイとかいう
かの有名な、キャッツアイは此の名前だが、大犬の陰嚢、かと思うと可笑しい



そして最後は「野襤褸菊」だと思うが、黄色の花を咲かせている
陽が陰ると花を閉じてしまう。寒い時期に咲く花の特徴で種を寒さから守る知恵だろう
名前の通り大した取柄もない、雑草だ、が今の時期は貴重な花だ
名前通り、ぼろの様な花だが、、、、、、、、、、、、



それでも石垣の昼間温まった熱が夜の寒さから守ってくれる、自然の温室だ
良い条件の所に生えた草たちだけがいち早く春をしらせる
石垣の春

そんじゃあまたはなすべえ
遊童子