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こころが生ずる場

絵本のこと、日々の生活のこと、研究のこと、折々に書き留めていきます。OCNから引越しを命ぜられ移り住むこととなりました。

許せないことはあるのだ

2007-10-15 21:43:09 | 

この腹立たしさは何なのだろう?

この腹立たしさはだれに対してだろう?

・・

いつの頃からか,

感情まかせに人に怒りをぶつけるということをしなくなった。

怒っていないわけではない。

それどころか,ものすごく怒っている。

そういうときでさえ,

怒るという地点から一歩身を引く。

怒って変わるなら,

怒鳴って変わるなら,

いくらだってしただろう。

・・

大体,なにを変えたいのだ?

だれが変わるというんだろう。

自分以外の何者かを変えようというのなら,

それこそおこがましいし,いやらしい。

そういう醜い心根にはなりたくない。

変わるならこのわたし

変えたいのはこのわたし以外の何者でもない。

・・

だが,

許せないことはある。

許せない人はいる。

・・

この腹立たしさは何なのだろう?

この腹立たしさはだれに対してだろう?

・・

マザーテレサのことばを引用しながら,マザーを知らず,

フローレンス・ナイチンゲールのことばを引用しながら,フローレンスを知らず,

宮沢賢治のことばを引用しながら,賢治を知らない。

そんな大言壮語の虚栄心の強い,

行いが伴わない,

自己の貧弱な人。

・・

・・

そういう人に出会うと思う。

この人はまさに自分の未熟さを,

自分の心の奥く深くから引きずり出す,

鏡のようなおぞましい他者だと。


こうして出会ったんだもの

2007-08-01 21:35:08 | 

Photo_235 なにを見ているの? カエル君。

どこかにいきたいの? カエル君。

いつだって,そうさ。

だれだって,そうなんだよ,カエル君。

いつだって,だれだって,自分ではないものに,

自分が所属していない世界に,憧れるものなのさ。

だけどね,カエル君。

やっぱり,君は君。

僕は僕なのさ。

そうは思わないかい?

君だってよくわかっていない,

けれど,込み上げてくるような憧れ,

僕も持っているよ。

どうせわかってもらえない,と思う。

その淋しさや悲しみを,

僕は多分,少しだけわかるのさ。

ねぇ,カエル君。

一緒に,少しだけ話をしないかい?

君が見ているもの,

もしかしたら,一緒にみることができるのかも知れないよ。

僕たち,こうして出会ったんだもの。


哀しみの音色(もうひとつのこころ)

2007-07-12 23:37:16 | 

Photo_213哀しさをひとつ抱え込んでしまったんだなぁ。

ばかだなぁ。

そうなりたくないから,

ずっと押し込んで,押し込んで

きたんだろうに。

・・・

うれしさと哀しさは,

おもてうら。

いつだって,こころの隙間に,

勝手に押し寄せてきたかと思うと去ってゆく。

・・・

雨粒は,

哀しみをつたっていく,

なみだ。

くだけてしまったビードロは,

決してぽぴん,ぽぴん,と泣くことはない。

・・・

いつだって,哀しみの音色をオシコロシ,

暗闇へと静かに重く沈んでいくだけ。


ある春の夜にだけ

2007-05-08 23:48:42 | 

目を閉じると,

家という隔たりもなく,

ただ真っ暗な世界いっぱいに,

カエルの鳴き声だけが存在するように思える。

わたくしを包むものは,

真っ暗な空間にちりばめられた,

無数の星の破片のような,

声だけだ。

宇宙いっぱいに充満する,

鳴き声を聴きながら,

わたくしはわたくしという制約から,

一瞬だけ開放されるのだ。

すべてが平等であると感じる,

束の間の時間へ。


本当は,何なのか

2007-04-11 00:05:41 | 

ひとりになりたいような,なりたくないような,

さびしいような,さびしくないような,

筋肉の奥のほうから,しみ出してくる疲れを,感じているような,

もうどうでもいいような,

きしむくような,きしむような,・・・。

それは痛みなのか,悲しみなのか,それとも,何かへの渇きなのか,

ほんとうは何も感じてはいないのかもしれない。

自分が感じているものが,なんなのか,

必ず,わかる日が来ると,

信じている,なんて,

それこそが,幻想なんだろう。

わからないことを,必ず言葉でわかる必要なんてないのかも知れない。

とにかく感じている,

そういう感覚だけは,本当のものだ。