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木村翔龍 川柳のかけら

気の向くままに5.7.5
批評、感想、その他 あらゆるコメント大歓迎です
(H25.5.5 ブログタイトル変更)

千里

2016-05-05 22:52:16 | 入選句
ライバルは憎き女房の千里眼  「ライバル」
迷わずに渡る 私であるうちに  「渡る」
打開策探るたばこの火が湿気る  「雑詠」
千年の命はぐくむ野焼きかな  「草原」
草原をゆけば遥かに涅槃像   「草原」

  H27.9.6  葦群 秋の句会

五月

2016-05-04 10:52:17 | 17音字の詩(川柳)
今日は昨日と打って変わって抜けるような晴天、そこで、
五月と言う文字が詠み込まれている句を集めてみました

「五月」
ランドセル肩に馴染んだ五月晴れ(伏見清流)
五月かなものみな天をこころざす(前田雀郎)
眼球は五月の空と知らず飛ぶ (石部 明)
五月闇生みたい人の子を生まず(時実新子)

相愛の五月 血の音聴き給え(時実新子)
狂えねば五月の花を食いつくす(時実新子)
予期できぬ日本へ向かう五月末(田中山海)
五月闇万年筆の痩せ具合(北野岸柳)

眉のない女と出会う五月闇(柿添 花子)
大空は鍵の要らない五月晴れ(及川洋一郎)
五月晴れ陽気に唄う洗濯機(市原冨士子)
いい顔をしてる五月の天守閣(跡夢)
細胞が笑いたがっている五月 (居谷真理子)


梅崎流青 句集「飯茶碗」より

2016-05-04 08:54:25 | 17音字の詩(川柳)
打楽器と呼応している春の月
人形の首がスポンと抜ける秋
溺愛の子の草笛の豊かなる
虫を食う虫を育てている街だ

失ったものを教えて牛啼けり
赤子泣く夜店の奥のものがたり
飯茶碗人に貧しい手が二本
身のうちに寄せては返す海がある

土くれの中のいのちと対座する
人間の奥でちろちろ火が燃える
蛍火や会えば傷つく人といる
人の世のからくり石は水に浮く

一つぶの米の重さを手に乗せる
下車をする水の匂いのする街で
釘を打つ今日がどこにも行かぬよう
死化粧の紅は師走の紅葉より

夏の夕暮れ

2016-05-03 23:59:38 | 入選句
預金などないが私に広い空 
独りでは広いと思う妻の留守
スイッチを切って私の顔になる
偉いのはいつも耐えてるぼくの方

      H27.6.7 葦群 夏の句会

飯茶碗

2016-05-02 10:04:22 | 入選句
まっ白になるまで狂う失意の日  「雑詠」梅崎流青 選
      H28.4.17 第38回 吉野ヶ里川柳大会

身の丈を越えぬ定めの火を燃やす  「火」木本朱夏 選
ふっくらと炊けた 男の独り飯  「飯」森中恵美子 選
飯のある暮らし 光りのある暮らし  「光る」古谷龍太郎 選
ブランコを漕いで地球を裏返す  「漕ぐ」渡辺圭太 選
わたくしのコンチクショウを軒に干す  「干す」柴田美都 選
口ぬぐう度に増えます薔薇の刺  「雑詠」梅崎流青 選
H28.4.24  葦群10周年ならびに梅崎流青第二句集「飯茶碗」発刊記念川柳大会

二つの大会で二つのうれしいことがありました。
吉野ヶ里大会では一句のみの入選でしたが「人」賞をいただいたこと。
葦群大会では、あの野沢省悟さんが青森から私のために「句集60」をお持ちくださり、プレゼントしてくださったこと。
野沢省悟さん、ならびにわたしのこのブログを見てくださったお知り合いの方(ごめんなさい名前をお聞きしましたが、メモを失くしました)ありがとうございました。

2016-04-30 09:34:02 | 入選句
雨宿りしては残り火また燃えて
担がれてみせるも楽し酒の席
門前へ落ち葉集まるわが家です
金のオノ選ぶ私は罪ですか

       川柳葦群 春の句会  H27年3月1日

2016-04-29 22:24:10 | 入選句
少しずつ崩れ男の顔になる
   第49回 大川川柳大会  H27.06.28
向き合えば幾千万の光りあり
昇ってみなはれ堕ちてみなはれ ようわかる
失敗と言うな私の顔である
ビンタより母の涙が突き刺さる
うかつにもネギの素顔をみてしまい
  葦群 冬の句会 H27.12.06

思うがままに160227

2016-02-27 23:23:20 | 17音字の詩(川柳)
それぞれの春それぞれの句読点
春そこに紙風船のわだかまり
雨垂れに重ね傷あと舐めまわす
瘡蓋をちょいと隠して夜光虫

無題

2016-02-14 18:19:01 | 17音字の詩(川柳)
往来を追われ居場所のない小石

無題 160214

2016-02-14 09:54:12 | 17音字の詩(川柳)
六十の林檎畑に青い空