不動産投資REIT
〇退職金をどう活用するか
① 一つの選択肢として不動産投資信託REIT
② 実物の不動産や株式・債券への投資との違いは?
〇株式と同様の売買が可能
① 基本的な仕組み→投資法人がREITを投資家に販売して集めたお金を元手に不動産を購入し、その収益を投資家に還元する。
② 日本で第一号が誕生したのが2001年。
③ 資産額は年々急増しており、2006年度までの類型資産額は6兆3000億円
④ 東京・丸の内の超高層ビルや福岡・博多のキャナルシティ博多など有名なビルをたくさん所有しています。
⑤ REITへの投資で、こうした個人では手の届かない物件を間接的に所有できるのです。
⑥ REITは数十万円程度から購入できるので、比較的少額で不動産への分散投資が可能になるわけです。
⑦ 投資すると、分配金が定期的に支払われます。原資は主に不動産の賃料です。
⑧ 投資法人は法人税がかからないように利益の90%超を投資家に分配します。
⑨ 利益を左右するのは、賃料の高い魅力的な不動産をどれだけ持つかです。
⑩ 基本的には株式と同様に売買でき、41銘柄が上場しています。
〇リスクと収益ともにミドル
① 収益性→平均で約3%
② 会社の業績次第で配当が変動する株式に比べて、REITの分配金の見通しは比較的安定している、と言われています。
③ REITは一般的にミドルリスク・ミドルリターンの商品といわれています。収益性もリスクも債券より大きいけれど、株式ほどではない。
④ リスクがミドルな訳→「投資法人の業務内容が法律で限定され、破綻リスクが比較的小さい」「投資法人の大半は財務内容のほか投資先物件の一つひとつについて賃貸収支や空室率、鑑定評価額を開示」
〇利回り重視で長期の保有
① REITは長期保有向きの商品
② 賃貸マンショウンへの投資とどう違うか?→REITの価格は賃貸マンションよりかなり安い。投資家が不動産の管理・修繕などをする必要もない。課税は株式と同じ。分配金は配当所得で、2009年3月までは税率10%。売却益は譲渡所得。さらに、立地がよく頑丈な建物に分散投資するため、空室発生、災害による倒壊などのリスクが比較的少ない。
〇注意点
① 誕生して歴史が浅いこと→米国のREITは30年以上の歴史があり、過去に暴落もあった。しかし、J―REITはまだ大きな下落を経験していません。
② 実際のところ価格が何を基に変動するのか、きちんとした分析や予測が難しいのです。また、地価と金利の上昇も将来の収益に影響を与える要因として注意が必要。
〇今は買い時か?
① 不動産はヘッジファンドなど海外マネーが相場を大きく左右するので、個人投資家が売買のタイミングを見極めるのは難しい。
② 利回りは低下しているが、安定的に2%超の利回りが得られるライバル商品は見つからないのが現状。
③ 配当収入を得ることを目的に、中長期的なスタンスで投資するなら、投資の選択肢に加えることができる。
〇予想利回りの高いものを選べばお得、という判断は危険
① 利回りだけで選ぶことはお勧めできない。
② 財務体質が脆弱であることが理由で、投資口価格が低迷し、その結果利回りが高くなっている銘柄もあるからです。
〇財務体質はどう調べるか?
① REITは情報公開が進んでいて、比較的透明度が高い商品です。
② 投資法人の決算発表資料やHPで公開している情報を見れば、財務状況だけでなく、具体的にどんな物件に投資しているかもわかります。
③ 具体的には、借入金や投資法人債など有利子負債の状況に注意しましょう。
④ 一般的に、資産総額に対する有利子負債の比率は平均40%程度です。この比率が低いほど安定性が高いといえます。
⑤ 借入金が多いと、今後金利が上昇すると収益にマイナスの影響を与えます。
⑥ 多くのREITが長期の固定金利の借り入れを増やす対策を講じています。金利上昇の対策をどれくらいできているかが問題になります。
⑦ したがって、有利子負債に占める長期固定の割合がどの程度あるかも確認すべきです。
⑧ 収益の見通しを考えるヒント→可能であれば投資しようと考えている物権を実際に見るべき。商業施設なら、客の出入りの状況、オフィスならどんな企業が入居しているかが確認できるからです。
〇市場規模は世界で96兆円
① 海外REITの状況→2007年3月末時点の世界上場REITの市場規模は約96兆円に達し、2006年3月末に比べ、27兆円の増加。
② 日本のREIT市場のシェアは世界の7%程度。
③ 海外への投資は分散投資の観点からも意味があります。
④ 各国のREITの配当利回り状況→米国=3.7%、豪州=5.7%、ユーロ=4.0%、日本=2.7%
⑤ ただし、日本の個人は外国のREITを買えない。海外REITを組み入れた投信を通じて投資するしか方法はないのが現状です。
⑥ REITファンドの状況→国内外を問わず、REITファンドの残高は急拡大しています。
☆危険なREIT?
〇手持ち資金積み増しの動き
① REITが手持ち現預金の積み増しに動いている。
② 増資資金を物件の取得に使わずに温存する例もある。
③ 資金の借り換えができないなど調達環境が一段と厳しさを増しており、運用資金を安定的に確保する狙いだ。
④ REITは期間利益のほぼ全額を投資家に分配するため、事業会社に比べ内部留保の積み上げが難しいことも背景にある。
⑤ REITは出資者からの資金と銀行借入を組み合わせて物件を購入し、そこから得られる家賃収入を出資者に分配する。借り入れが総資産の5割前後を占めるREITが多い。
⑥ 昨年10月にニューシティ・レジデンス投資法人が破綻し、資金繰り面の脆さを露呈。
⑦ REITは法人税が事実上課されないなど税制優遇があるが、それは利益のほぼ全額を投資家に分配することが条件になっている。黒字であっても外部から資金供給を受けられないと破綻する可能性がある。
⑧ 大和総研によると、国内に上場するREIT41銘柄のローンと投資法人債の残高は3兆5千億円。このうち1兆1千億円は09年中に返済・償還期日を迎える。金融環境は非常に厳しい。
〇退職金をどう活用するか
① 一つの選択肢として不動産投資信託REIT
② 実物の不動産や株式・債券への投資との違いは?
〇株式と同様の売買が可能
① 基本的な仕組み→投資法人がREITを投資家に販売して集めたお金を元手に不動産を購入し、その収益を投資家に還元する。
② 日本で第一号が誕生したのが2001年。
③ 資産額は年々急増しており、2006年度までの類型資産額は6兆3000億円
④ 東京・丸の内の超高層ビルや福岡・博多のキャナルシティ博多など有名なビルをたくさん所有しています。
⑤ REITへの投資で、こうした個人では手の届かない物件を間接的に所有できるのです。
⑥ REITは数十万円程度から購入できるので、比較的少額で不動産への分散投資が可能になるわけです。
⑦ 投資すると、分配金が定期的に支払われます。原資は主に不動産の賃料です。
⑧ 投資法人は法人税がかからないように利益の90%超を投資家に分配します。
⑨ 利益を左右するのは、賃料の高い魅力的な不動産をどれだけ持つかです。
⑩ 基本的には株式と同様に売買でき、41銘柄が上場しています。
〇リスクと収益ともにミドル
① 収益性→平均で約3%
② 会社の業績次第で配当が変動する株式に比べて、REITの分配金の見通しは比較的安定している、と言われています。
③ REITは一般的にミドルリスク・ミドルリターンの商品といわれています。収益性もリスクも債券より大きいけれど、株式ほどではない。
④ リスクがミドルな訳→「投資法人の業務内容が法律で限定され、破綻リスクが比較的小さい」「投資法人の大半は財務内容のほか投資先物件の一つひとつについて賃貸収支や空室率、鑑定評価額を開示」
〇利回り重視で長期の保有
① REITは長期保有向きの商品
② 賃貸マンショウンへの投資とどう違うか?→REITの価格は賃貸マンションよりかなり安い。投資家が不動産の管理・修繕などをする必要もない。課税は株式と同じ。分配金は配当所得で、2009年3月までは税率10%。売却益は譲渡所得。さらに、立地がよく頑丈な建物に分散投資するため、空室発生、災害による倒壊などのリスクが比較的少ない。
〇注意点
① 誕生して歴史が浅いこと→米国のREITは30年以上の歴史があり、過去に暴落もあった。しかし、J―REITはまだ大きな下落を経験していません。
② 実際のところ価格が何を基に変動するのか、きちんとした分析や予測が難しいのです。また、地価と金利の上昇も将来の収益に影響を与える要因として注意が必要。
〇今は買い時か?
① 不動産はヘッジファンドなど海外マネーが相場を大きく左右するので、個人投資家が売買のタイミングを見極めるのは難しい。
② 利回りは低下しているが、安定的に2%超の利回りが得られるライバル商品は見つからないのが現状。
③ 配当収入を得ることを目的に、中長期的なスタンスで投資するなら、投資の選択肢に加えることができる。
〇予想利回りの高いものを選べばお得、という判断は危険
① 利回りだけで選ぶことはお勧めできない。
② 財務体質が脆弱であることが理由で、投資口価格が低迷し、その結果利回りが高くなっている銘柄もあるからです。
〇財務体質はどう調べるか?
① REITは情報公開が進んでいて、比較的透明度が高い商品です。
② 投資法人の決算発表資料やHPで公開している情報を見れば、財務状況だけでなく、具体的にどんな物件に投資しているかもわかります。
③ 具体的には、借入金や投資法人債など有利子負債の状況に注意しましょう。
④ 一般的に、資産総額に対する有利子負債の比率は平均40%程度です。この比率が低いほど安定性が高いといえます。
⑤ 借入金が多いと、今後金利が上昇すると収益にマイナスの影響を与えます。
⑥ 多くのREITが長期の固定金利の借り入れを増やす対策を講じています。金利上昇の対策をどれくらいできているかが問題になります。
⑦ したがって、有利子負債に占める長期固定の割合がどの程度あるかも確認すべきです。
⑧ 収益の見通しを考えるヒント→可能であれば投資しようと考えている物権を実際に見るべき。商業施設なら、客の出入りの状況、オフィスならどんな企業が入居しているかが確認できるからです。
〇市場規模は世界で96兆円
① 海外REITの状況→2007年3月末時点の世界上場REITの市場規模は約96兆円に達し、2006年3月末に比べ、27兆円の増加。
② 日本のREIT市場のシェアは世界の7%程度。
③ 海外への投資は分散投資の観点からも意味があります。
④ 各国のREITの配当利回り状況→米国=3.7%、豪州=5.7%、ユーロ=4.0%、日本=2.7%
⑤ ただし、日本の個人は外国のREITを買えない。海外REITを組み入れた投信を通じて投資するしか方法はないのが現状です。
⑥ REITファンドの状況→国内外を問わず、REITファンドの残高は急拡大しています。
☆危険なREIT?
〇手持ち資金積み増しの動き
① REITが手持ち現預金の積み増しに動いている。
② 増資資金を物件の取得に使わずに温存する例もある。
③ 資金の借り換えができないなど調達環境が一段と厳しさを増しており、運用資金を安定的に確保する狙いだ。
④ REITは期間利益のほぼ全額を投資家に分配するため、事業会社に比べ内部留保の積み上げが難しいことも背景にある。
⑤ REITは出資者からの資金と銀行借入を組み合わせて物件を購入し、そこから得られる家賃収入を出資者に分配する。借り入れが総資産の5割前後を占めるREITが多い。
⑥ 昨年10月にニューシティ・レジデンス投資法人が破綻し、資金繰り面の脆さを露呈。
⑦ REITは法人税が事実上課されないなど税制優遇があるが、それは利益のほぼ全額を投資家に分配することが条件になっている。黒字であっても外部から資金供給を受けられないと破綻する可能性がある。
⑧ 大和総研によると、国内に上場するREIT41銘柄のローンと投資法人債の残高は3兆5千億円。このうち1兆1千億円は09年中に返済・償還期日を迎える。金融環境は非常に厳しい。