夢実現研究会2009

団塊世代の生き方を考えよう。

団塊世代のセカンド・ライフプラン:その16

2009-03-23 16:34:34 | 喜びの生活:生きがい
 半農半Xという生き方:塩見直紀「抜粋」

 半農半Xは、何を目指しているのか?
 半農半Xと田舎暮らし、ここが違う
① 半農半Xとは、持続可能な農ある小さな暮らしをしつつ、天の才(個性、能力、特技)を社会のために活かし、天職(X)を行う生き方、暮らし方。
② 半農半Xの特徴は、Xの社会性にある。半農半Xと田舎暮らしの大きな違いは、社会的な使命、ミッションの自覚にある。
③ つまり、自ら米や野菜などの農作物を育て、安全な食材と自然からのインスピレーションを手に入れて、かつ、個性を活かした自営的な仕事に携わり、社会から感謝されながら、一定の生活費を得るバランスのとれた生き方。
④ お金や時間に追われず、本当に大事なことに集中し、人間らしさを回復するライフスタイルの追及。
⑤ 半農半Xの農は、持続可能で健康的な生活であり、消費欲望を楽しく抑えられる小さな暮らし。
⑥ Xは、社会的使命で、自分の個性、特技、長所、役割、可能性を活かして、社会への何らかの貢献を目指すこと。好きなこと、心からやりたいことをすることで、社会に役立ち、それで収入を得る。
⑦ 自分も家族も社会も地球もOKな生き方、暮らし方を目指すもの。
⑧ そして、未来が少しでも社会にシフトしていけるように、3つのH(hand,head,heart)を使って、楽しく変革していこうとする、ライフスタイル。

 半農半Xな暮らしに、チャレンジできる人とは?
① 兼業農家は何らかの作物を出荷し、現金を得ることが前提。
② 半農半Xの場合は出荷を前提としない。自給、家族のための農、手づくり、手仕事、ヘルシー、持続可能などがキーワード。
③ 大好きなことを仕事にできている人は、日本では少ない。5人に1人もいないのではないか。
④ 多くの人は、好きなことややりたいこと後回しにしてきているし、好きなことでは食べていけない、と思い込んできたように思う。
⑤ 半農半Xな暮らしができるかどうかは、意識の差異にある。

 X探しに里山的空間が必要な理由
① 観光の語源は中国の易経にある「観国之光」で、国の光を観る、という意味。
② 若い女性が、「農家民宿」に興味を持つのはなぜか?
③ 新しい旅で自分探し、という意味があるのではないか?
④ おしゃべりは旅の大事な要素だと言うが、みんな「心の会話」「心のふれあい」をしたいのです。
⑤ 旅館の女将や仲居さんには、プライベートなことを言えないし、また、時間もなかなかなく聞いてもらいないが、農家民宿では、宿の主人がちゃんと話を聞いてくれる。
⑥ 農家民宿では、一泊すると宿の主人とお客がすっかり仲良しになっている。不思議な力が農家民宿にはある。カウンセリング機能もあるのではないか。
⑦ 農家民宿では、あれこれしようとせず最高に贅沢なこと、のんびりする、脱スケジュール、脱プログラム、脱体験メニューで、偶然性を楽しんで欲しい。

 ~er~istの肩書を持とう
① 自分の肩書を自分で考える人が増えている。
② メルマガコンサルタント、目標明確化コンサルタント、天職発見コーチ、田舎移住専門コンサルタント、など。
③ 終生「同行二人」となるようなコンセプトに出会ったり、つくったりするのはとても大切なことであり、お勧めしたい自己探求法だ。

 大好きなこと、を実践するライフスタイル
① 好きなことで、飯は食べていけない、と思い込んでいないだろうか。
② けれども、大好きなこと、を仕事にしようとする人が増えそうな兆候は、いくつもある。
③ 大好きなことを仕事にし、コミュニティビジネスを起こしたり、社会起業家やNPOとして、食、教育、福祉、まちづくりなど、社会問題にチャレンジしたりしている人が増えている。
④ 大好きなこと武器として生きていくライフスタイルが当たり前になってくれば、社会は素敵に変わってくるだろう。

 半農半Xの掟
① センス・オブ・ワンダー、自然の神秘さや不思議さに目を見張る感性を大事にしよう。
② 野菜も夢に自給率を高めよう。
③ Plain living hight thinkingでいこう。
④ あるものを活かして、ないものをつくっていこう。
⑤ 自分の型・ポジション、ミッションを定めよう。
⑥ 大好きなことで、小さな変革をしていこう。
⑦ 大事なことを発信し、後世に贈り物を残していこう。
⑧ WSSD事務総長のニティン・デサイの言葉「何をすべきかは、すでに分かっているし、合意もしている。今、我々に求められているのは、誰が、何を、いつ、やるかである」
⑨ これから、本当にすべきことは何か?
⑩ 多くの人は迷うかもしれないが、大事にしたいのは、大好きなことだと思う。

 自分探しの舞台としての農村、特別な場所を持つ
① スローライフ、田舎暮らし、グリーンツーリズムなどに関心を持つ人が急増している。旅人が農村を訪れるのも珍しくない。
② 人はそれぞれ農村や自然を求める理由がある。それを敏感に感じるセンスが、ますます問われていくだろう。
③ 人はみな、老いも若きも自分探しをしているように思える。人生を変えるきっかけを探している人、希望を探している人が多い。
④ ルソーは「告白」の中で、
⑤ 一人徒歩で旅したときほど、豊かに考え、豊かに存在し、豊かに生き、豊かに私自身であったことはない。徒歩は私の思想を活気づけ、生き生きさせる何ものかを持っている。じっと止まっていると、私はほとんどものが考えられない。私の精神を動かすためには、私の肉体は動いていなければならない。田園の眺め、快い景色の連続、大気、旺盛な食欲、歩いて得られる優れた健康、田舎料亭の自由さ、私の隷属を思い起こさせる一切のものから遠ざかることが、私の魂を解放し、思考に一層の大胆さを与える。
⑥ 問題意識を持ちつつ、歩く、ことも大事な要素。

 なぜ、農とXの二つを追うのだろう
① 半農とは、丁寧に生きること。
② 持続可能な暮らし方であり、魂の表現を満足させる、それが半農半X。

◎ 楽しく豊かに! 半農半Xの育て方
⑨ わが家では、一反の田圃に6千本の苗を植えている。
⑩ 一株の苗で、茶碗一杯のご飯になる。
⑪ 一反で6千杯のご飯。一人が年間に食べるご飯は千杯。稲にすると千本。
⑫ 3人家族なら、一反で2年分のコメがとれる。
⑬ 地方の田舎では高齢化が進み、耕作放棄が進んでいる。だから、もっと若者が入ってきてほしい。一人千本の稲を育てるために。

 半農半X人にとってのコメ作りの意味
① 密植は稲にとってストレスになる。疎植は風の通りもよく、害虫もつきにくい。人間の都合ではなく、植物に合わせることができるというのは、手仕事の良さである。
② 田見舞い:農家では「肥かけ」は「声かけ」だと言う。「田褒め」、つまり作物に優しく声をかけてやれば、効果がある。
③ こうしたことは、草木と人との共振構造が生まれるのも、人に頭脳があるからではなく、同じ命のあるものとして同質構造を持ち、同じように感受し合う能力を持っているからだ。

 手仕事、自給力、自己防衛力、これが半農の基本
① 田圃には、この国で取り戻したいものがいくらもある。
② 田圃には、老若男女、誰にも仕事があり、一緒に汗がかける、憩いの時間がある、家族や人、自然とのつながりを結んでいく機能がある。
③ 私は、自分は農薬を散布しない、他者のそれは否定しない、という境地にある。
④ そのためにも、丈夫な身体が必要だ。
⑤ 私がコメ作りで最も大事にしていることは、田草取りの時間と落ち穂拾いの時間だ。
⑥ 素足で田に入り、土に触れる。畦に座り、風を感じる。トンボを見ながら、これからの生き方、暮らし方を考えたり、この国や世界に思いを馳せたりしている。田圃でインスピレーション、これを大切にしていきたい。
⑦ どうして、こんなローテクな農を私はしているのか?
⑧ それは「尊さ」のようなものを保っていたいから。
⑨ お金を出して買うのは簡単だ。だからこそ、汗の尊さ、一粒の米も大事にする心、人間以外の生命を敬う気持ち、そして、お天道様の力を借りる知恵、化石燃料にできるだけ頼らない業。
⑩ なぜ、「農」と「X」の両方いるのか?それは「農が天職を、天職が農を深めるから」
⑪ 農の世界を通して自然の営みや地球のリズムにふれ、感性を磨いていくことで、新しい発想が生まれ、創造を生む。深まったXがまた、農を深めていく。
⑫ 我が家にとって、自家製の米と味噌は、少しでも自給を始めだす象徴であり、原点だ。
⑬ 手仕事、自給力、自己防衛力を1%でも高めていく。

 半農力を高める、一生モノのセンスとは?
① アインシュタインの言葉、不思議なものに出会って驚くことこそ、素晴らしい経験はない。それは、真の芸術、科学を育んでいく大切な心の動きだ。何を見ても感動しない人、不思議に思うことができない人は、死んだも同然である。
② ないものねだりの20世紀は終わり、地域にすでに存在、または潜在する「宝」=「地域の資源、遺産、経験、記憶など」に光をあて、「あるもの探し」によって、地域を見つめなおす時代と言われている。

 育てて用いる、他者を思いやる半農の知恵
① 日本では女の子が生まれると、桐の木を植えて、嫁ぐとき、その木で作った桐ダンスを持たせた。
② 桐の特性を知り抜き、必ず来る未来、嫁ぐ日を見通して行動する先人の知恵には、未来への確かなヒントがある。
③ 育てて用いる、脈々と培われた日本の哲学、生活美学。
④ 桐ダンスには、日本の多湿から衣類を守り、また、虫が嫌うタンニンを多く含むことから、高い防虫効果がある。古くなるほど火に強くなり、火災に会っても、着物を守れるという。
⑤ 恵まれた日本の風土において、桐の生育のサイクルが人間の成長サイクルと適合し、それを巧みに用いた先人の知恵に感嘆する。
⑥ 小松昌幸の「豆を蒔くとき、3粒ずつ蒔け」一粒は小鳥のため、一粒は地の虫のため、一粒は人間のため。鳥や虫の住めない世界に人間が住めるはずがない。生態系全体の循環の中での人間の生き型、を昔の農民は何よりも大切にしていたのである。
⑦ 旅人のために街路に果樹を植える、という知恵。奈良時代、東大寺の僧、普照の提案で旅人の休息や飢えを防ぐため、全国の駅路の両側に果樹が植えられた。私たちが継承すべきは、このような哲学だ。
⑧ 残し柿。柿をすべて採らず、自然の恵みを与えてくれた神様への感謝の気持ちと冬を越す動物や小鳥のために残す。素晴らしい風習。
⑨ 昔の日本は今ほど物が溢れていなく裕福でもありませんでした。そんな中で、残し柿をする気持ちの余裕があったことに感銘します。
⑩ 文明の利器が少ないだけに自然と人間の距離が近く、自然の中に生きているということ、自然の恩恵で生きているということを感じることができたからこそ、残し柿の発想につながったのではないか。
⑪ 日本の文化や伝統、そして歴史をよく学び、他人を思いやる心、裕福でない他の国のことも考えることができる心、他の生き物も思いやる心、そういった心を持ちたいものです。
⑫ 柳田国男の「豆の葉と太陽」、村々を歩くと、火の見櫓が杉の木で作られている。うまい具合に二股になった枝に鉄棒を通して足場にしている。しかし、これは初めから計画して作っている。30年後の隣村の火事を発見して半鐘を打ち、かつ見舞いに行くべく、今からこの杉の木を植える。
⑬ 視野も時間軸も自分のことのみで、狭く、小さくなっていくばかりの現代人だが、今、取り戻すべきことは、こうした時間軸の哲学だ。
⑭ 私たちは未来の世代のために、後世のために何ができるだろうか。このことを考え行動に移すのが、半農半Xにおける農の持つ意味だ。

 半農半Xで食べていくには、どうする?
① 自分が食べていくことと、自分の生きる意味を考え、平和で持続可能性に満ちた世界を求めるなら、シンプルに生きつつ、社会的なアウトプットを高めるという理想を実現しなければならない。
② 起業を目指す人がすべて成功する訳ではない、半農半Xも同じ。成功の反対は失敗じゃない。途中であきらめたり、やめたり、最初からアクションを起こさないことだ。
③ エネルギーを散逸するのはよくない。エネルギーを自分の最も得意な分野、社会に最も貢献できる分野、最も創造性の高い分野、最もメッセージ性の高い分野、最もアウトプット可能な分野にフォーカスすることが大事だ。

 田舎暮らしが上手にできるための二つの条件
① 助けられ上手、という才能は大事だ。
② これは田舎暮らしにも言えることで、コミュニケーション能力が高い方が、田舎暮らしにもいい。
③ 傾聴というのは田舎暮らしには大事。みんな誰かに、自分のことが聞いてもらいたいのだ。
④ もう一つ大事なことは、手造りや手仕事に関するものだ。

◎ 私のX 使命多様性社会の追及
⑭ 山仕事も、農業も大事なのは、賑わい(交流)と静けさ(思索・自己探求)だ。
⑮ クリシュナルムティの言葉、花が好きだったら、庭師になりなさい。自分の好きなことをするとき、そこには恐れも比較も野心もない。あるのは愛だけだ。

 私を半農半Xに進ませたもの
① 使命多様体。一人ひとり、一生命一生命、みんな使命は異なるが、全体では大きな一つの使命を果たし、和の宇宙を形成している。
② 人間以外の生き物は、生きているだけで存在価値がある。生きている、ということ以外に、誰かの役に立ちたい、というのが人生の目的。
③ しかし、現代の職業で、誰かの役に立つ、という手ごたえを直接的に感じる職業は少ない。
④ そこで、多くの人の、自分のX探しの苦悩が始まる。
⑤ このとき、現世の役に立つ、だけではなく、後世の役に立つ、という視点が大切だ。

 人の数だけ、Xがある
 半農ボランティアは、晩年ライフの理想スタイル
⑯ 健康、環境、教育、観光、は21世紀の注目分野と言われた。
⑰ 健康で持続可能なライフスタイルLOHAS。今後、これに天職が加わるだろう。LOHASは、健康、環境。天職は、教育、観光を意味する。

 曼荼羅
① 人生で叶えたいものを、3マス×3マスのフレームの紙に書き出す。

 田舎で起業、その必須条件は何?
① 田舎起業倶楽部→田舎で暮らしたい、しかし、生活していけるか不安、会社勤めをやめて、起業したい、でも、やっていけるか不安、リスクの少ない起業をしたい、でも、それなりに金儲けもしたい、といった人たちを応援する。
② 週末起業の著者→起業のポイント=「大好きなこと」×「得意なこと」×「時流に合っていること」


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