鞄に演劇をつめこんで

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2022年 観劇のまとめ

2022年12月30日 | 目次

2022年 観劇のまとめ

 2022年の1年間の観劇本数は、演劇278本 映画58本 合計336本でした。ポップアップ劇場や演劇祭など1回で複数団体が上演する場合は1本として計算します。なお12月30日と31日の観劇予定4本を含んでいます。演劇の観劇数は昨年より38本増え、多い月で32本、少ない月で15本でした。
 新型コロナウイルスは未だ収束の兆しは見えないものの、ウィズコロナの下、演劇の日常が戻ってきたかと思います。また、短編集や短時間の公演が増え、1日に3公演を観劇できる日が増えた感じがします。これらのことが、観劇本数の増加に影響していると考えています。
 再演や過去の有名な戯曲を上演する団体も見受けられ、公演中止のリスクを考慮するなど、コロナとうまくつきないながら、舞台活動を続けている印象を持ちました。新作を出さなくても、良い作品は何度公演しても色褪せることはないですし、新作公演が中止になるリスクや、コロナの陽性者が出たとしても、いかに休演回数を最小限に抑えながら公演を続けるか、そんなことを考慮した運営が、益々求められるのかなと思います。いずれにしても、役者さんが、舞台で、劇場で、観客の前で上演できる機会が戻ってきたことに嬉しさを感じた1年でした。
 残念ながら、演劇界でのハラスメントが話題となった1年でもありました。環境が改善されることを強く望みますが、当事者同士が不特定多数に向けてSNSで呟くことには、とても違和感を感じました。そのことは、これまで声を挙げられなかった方の背中を押すことになるかもしれませんが、当事者にしか事実関係がわからないことについて、様々な呟きや拡散も招いており、演劇そのものや役者さんのイメージが悪くなることを懸念します。自分としては、色んな作品に出会い、演劇の楽しさを伝えていくことに、引き続き努めていく所存です。

【2022年に特に印象に残った25作品】

 今年も、「特に」印象に残った作品として、観劇した本数の約1割にあたる25作品をあげさせていただきました。
 毎年のことですが「特に」の基準は、単に「良かった」「面白かった」「楽しかった」というよりは、刺さったり・響いたり・突き落とされたり・温かくなったり・笑い殺されそうになったりと、自分の心をどこか大きく動かしたり、感覚を呼び起こしたものでしょうか。当たり前ですが、順位や点数はありません。

<25作品 タイトル(公演団体・公演月)>

〇 朝ぼらけ (teamキーチェーン 1月)
〇 さよならアトリエ特別公演 にづくり (gekidanU 1月)
〇 悪魔と永遠 (東京夜光 2月)
〇 
マリーバードランド (やみ・あがりシアター 3月)
〇 あたま山 (CHAiroiPLIN 4月)
〇 ロマンティックコメディ(ロロ 4月)
〇 グレーな十人の娘 (劇団競泳水着 4月)
〇 飛龍伝2022 (北区AKTSTAGE 5月)

〇 気にするエンゲル孫数 (右マパターン 5月)
〇 贅沢と幸福 (オパンポン創造社 5月)
〇 ラストナイトエンドデイドリームモンスター (悪い芝居 6月)
〇 薬をもらいにいく薬 (いいへんじ 6月)
〇 捨て身のハンサム (劇団晴天 6月)
〇 最悪な大人 (劇団献身 7月)
〇 ワンスアポンアタイムインバルコニー (東京にこにこちゃん 7月)
〇 〆! (ユトサトリ 8月)
〇 あつい胸さわぎ (iaku 8月)
〇 旅に出る (ソラカメ 9月)
〇 縁側で呼んでいる (藤原たまえプロデュース 9月)
〇 大豆生田家 の庭に咲く花は薔薇かスミレか (ライオンパーマ 10月)
〇 リップカレント (calmoプロデュース 10月)
〇 服が腐る (人間嫌い 11月)
〇 温暖化の秋 (城山羊の会 11月)
〇 奇襲王国 (少女東京奇襲 11月)
〇 ピーチの果てビーチのアビスつまりはノーサイド (キ上の空論 12月) 

【2022年 特に印象が深い役者さん】

てっぺい右利きさん (劇団スポーツ「怖え劇」など)
 これまでも下北沢や荻窪、ゴールデン街などで観てきたが、今年は「界隈」の違う団体の客演で観ることが数回あり、台詞はもちろん彼の持つ空気感や味に、改めて魅力を感じた。怖え劇での後半シーンは今でも印象深く残っている。来年も様々な団体・作品で化学反応を起こしていただきたい。

平川千晶さん (倉山創作活動隊 「君が好きだ」など)
 下北沢スターダストで観劇した作品に出演されていて、メインの役ではなかったのだが、限られた登場シーンの中で存在感を示す表現に、すっかり魅了された。その後の観劇した作品でも印象深く、力ある女優さんだなあと思った。どうも吉祥寺シアターなどでこれまでも出演作品をみていたようで、今後も、観劇する機会が多いかと思う。ご活躍が楽しみ。

今井彩奈未さん (北区☆AKTSTAGE「寝盗られ宗助」「売春捜査官」など)
 つかこうへい作品を扱う劇団で活動されているほか、他劇団の客演にも出演されていて、これまでも出演作品を通じて演技に魅力を感じていたが、活動の積み重ねを経て、「寝盗られ宗助」の主演女優として板の上に立った姿に感動!レイ子役は今井さんしかないと思わせる好演だった。来年も、劇団員としても客演としても、熱量とパワーで観客に好演を届けてもらいたい。

原彩弓さん リウジは悪くない「血は水よりも」など)
 コロナ前から所属劇団の作品を通じて観てきたが、客演として出演された作品での好演が印象深く、力のある演技と表情に惹かれた。彼女の出演がなければ、この作品の評価はガラリと変わったのではないかと思うほど、役者さんが持つ力の重要性を改めて感じさせていただいた。舞台だけでなく、映像でも観てみたいし、今後の活動も楽しみな女優さん。

倉田大輔さん (パラパラチャーハン「ヒチュセパコン 」 虚構の劇団「日本人のへそ」など)
 いまさらお名前を挙げるのはという感じだが、台詞の語りや仕草が生み出す独特の空気感は一度観劇すると忘れられず、それが今年の池袋の短編集で魅せた好演では、ツボにはまりすぎて年末になっても頭から離れない。高円寺での解散公演も印象深かった。笑わせる役からイラっとさせる役まで、様々な役で楽しませてくれる役者さん。来年の所属の再演作品には出ないのかな?また所属劇団での観劇も楽しみ!

【2022年の自分の取組】
 
今年は、演劇活動への支援を行ったほか、はじめて映画製作に企画からロケ地探し、撮影への参加などに関わらせていただきました。演劇や映画の関係者にとっては当たり前のことかもしれませんが、全く違う業種で収入を得ている人間にとっては、どれもが新鮮な体験で、全体を俯瞰できたのが特に良かったです。同時に、自分で伝えたいことは、自分が表現して形にする必要性も感じました。2023年は演劇と映画の支援を継続しつつ、自らも試行錯誤し、形にすることに向け、力を溜めていきたいと思います。
 また年内までには公開しようとしていたフライヤーの分析が進まなかったのは反省です。来年こそは、アンケート、当日パンフレットとともに、三部作として完成したいと思います。

【最後に】
 今年一年、劇場で上演されたすべての団体とスタッフ、そして出演された役者の皆様に敬意を表するとともに、楽しい時間を過ごさせていただいたことに深くお礼申し上げます。
 すべての方々の益々のご活躍を心からお祈りし、今年のまとめとさせていただきます。


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