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台本置き場

アニメ店長 ~シェアルーム&ディアフレンズ~ 第2話 恐怖の箱

2015-06-18 22:26:14 | 台本
【キャスト一覧】

兄沢 命斗(あにざわ めいと):
殿鬼 ガイ(でんき がい):
道玄坂 登也(どうげんざか とうや):

人物紹介は一話を参照願います。
アニメ店長 ~シェアルーム&ディアフレンズ~ 第1話 初めての一人暮らし


【本編】


兄沢 「よいしょ! はぁ~、しっかし三人分となるとダンボールの数もハンパじゃないな~」

道玄坂「どれが誰のか、間違えないようにしないとな」

殿鬼 「その点、俺のダンボールは分かりやすくていい。バトルアスリーテス大運動会 あかりちゃんのダンボールハウスを使っているからな!」

兄沢 「あ~、そういえばそんなグッズあったね」

道玄坂「デカいダンボールに窓の模様が印刷してあるやつな」

兄沢 「確かに。作品中には出てくるけどね」

道玄坂「出てくるけどな」

兄沢 「普通作んないよね」

道玄坂「デカくて店に置くとき邪魔だったよな~」

兄沢 「でもいいのか? お前。そんなレアグッズ実際に使っちまって」

殿鬼 「あ~安心しろ。俺はアニメイトのグッズは保存用使用用とかなりの数をストックとして買い込んでいるからな!」

兄沢 「マジかよ!? 伝説のセーラームーントランクスとかもいっぱい持ってるの?」

殿鬼 「持ってるよ!」

道玄坂「マスターモスキートンつけ牙セットも」

殿鬼 「持ってるよ!」

道玄坂「ゾロの腹巻も」

殿鬼 「持ってるよ!」

兄沢 「メタルファイター・MIKU リング型メモは?」

殿鬼 「も、あ、いやぁ、あれは流石に、ねぇ・・・」

兄沢 「へへっ、しかし、こんなけったいなアニメのダンボール使って引越し屋さんに変な目で見られなかったのか?」

殿鬼 「むしろ尊敬の目で見ていたね~。恐れ多くて話しかけられない様子だったから『まぁ、そう緊張するな』と言ってやった」

道玄坂「バカ・・・恐れ多いんじゃなくて、恐ろしかったんだよ」

  突然アラームが鳴り出す

兄沢 「うおっ! やべぇ、店の時間だ!」

殿鬼 「んだよ~、一日くらい空けとけって。荷物どうすんだよ?」

兄沢 「頼む! やっといて。俺の部屋に放り込んでくれればOKだから。帰ったら引越しそば奢るから!
    いや~、ラミカ君がさぁ、ファミレスで徹夜原稿大会とかいって休みとりやがったんだよ、ね? ね?」

殿鬼 「ちっ、はぁ・・・」

道玄坂「分かったから、さっさと行け」

兄沢 「すまん!・・・ああっ!! いろいろ個人的な物詰まってるから、箱とか開けないでね?」

道玄坂「どうせマニアックなMS少女同人誌か何かだろ? 開けねぇよ!! じゃあな」

  兄沢が家から出て行く

殿鬼 「ったくよ・・・邪魔くせぇから兄沢の荷物から先に運んじまおうぜ」

道玄坂「ごほん、殿鬼、おい」

殿鬼 「ん?」

道玄坂「あの奇妙にデカい木箱、お前の荷物か?」

殿鬼 「俺のは全部バトルアスリーテスだって言ってんだろ」

道玄坂「じゃあ兄沢のか?」

殿鬼 「だろ」

道玄坂「何が入ってるんだ?」

殿鬼 「知るかよ。あ、あの、大きさだと・・・」

道玄坂「・・・・・・」

殿鬼 「あ・・・あ・・・」

道玄坂「ちょ、ちょうど、人が入る大きさだよな?」

殿鬼 「棺桶に似てるよな・・・」

道玄坂「ちぇ、チェーンと鍵で厳重に封印してあるぞ!? これは間違いなく」

殿鬼 「は、早まるな道玄坂! 俺のメガネに内蔵された超X線物質透視システムで」

  殿鬼が箱の中を透視する

殿鬼 「はあっ・・・・・・」

道玄坂「何が入ってるんだ?・・・」

殿鬼 「あ、ああ・・・・・・」

道玄坂「お、おい」

殿鬼 「ひ、ひ、ひ、人の形してますよ~・・・」

道玄坂「うわあぁぁぁ!!!」

殿鬼 「完全なる飼育!!!」

道玄坂「遂にやっちまったか兄沢!!??」

殿鬼 「よりによっていかにもワイドショーが喜びそうな猟奇犯罪!! アニメファンの評判はガタ落ち、アニメイトはお家断絶~!!!!」

道玄坂「確かに硬派ぶってる割には、萌えアニメが大好きな奴ではあったが。そんなことより、生きてるのか? まだ大丈夫なのか!?」

殿鬼 「早く開けろ!! 俺は警察に電話する!!」

道玄坂「分かった」

  殿鬼は警察に電話をかける

道玄坂「おい! 大丈夫か!? 返事をしろ!! 今開けてやるからな!!」

殿鬼 「もしもし! 警察ですか!? あっ、くっ、いつものクセで秋葉原店にかけちゃったよ。ええ、ええっと警察は801番じゃなくて110番!」

道玄坂「もう少しの辛抱だ。頼む! 生きていてくれ!!」

  箱が開封される

殿鬼 「はっ・・・こ、これは・・・」

道玄坂「これは・・・・・・12分の1スケール ザク」



兄沢M「恐るべきジオンの科学力。12分の1スケール ザクはバンダイさんから当時19万8千円(税別)で発売されていました! アニメ店長の同棲時代は続く! 待て次週!!」



第二話   終わり











アニメ店長 ~シェアルーム&ディアフレンズ~ 第1話 初めての一人暮らし

2015-06-18 22:21:11 | 台本
《キャラクター説明》

兄沢 命斗(あにざわ めいと):主人公。アニメイト池袋本店 店長。元々ただのアニメマニアだったのが前店長に店長職を託され、下積み無しで店長になった。

殿鬼 ガイ(でんき がい):アニメイト秋葉原店 店長。店員歴8年のキャリアを誇るベテラン店長。無類の美少女アニメ・ギャルゲーマニア。

道玄坂 登也(どうげんざか とうや):アニメイト渋谷店 店長。美形にもかかわらず、小さな女の子の事は「子猫ちゃん」と呼ぶロリ萌え・妹萌え属性だが、子供たちには人気がある。

引越し屋さん:若いお兄さん。
不動産屋さん:年配のおじさん。
山田さん:せつなさ高校三年生の普通の女子高生。


《キャスト一覧》

兄沢♂:
殿鬼&引越し屋♂:
道玄坂&不動産屋♂:
山田♀:


【本編】

タイトルコール

兄沢  「アニメ店長 ~シェアルーム&ディアフレンズ~ 第1話 初めての一人暮らし」

  兄沢の引越し先の自宅前
  SE:トラックの停止エンジン音

引越し屋「それじゃ、こちらにハンコお願いします」

兄沢  「あ、は~い。っしょっと」

引越し屋「確かに。じゃ、ありがとうございました!」

兄沢  「ご苦労様です!」

  引越し屋のトラックが去る
  SE:トラックが走り去る音

兄沢  「さあってと・・・」

兄沢M 「俺の名前は兄沢命斗。アニメグッズ専門店 アニメイトの店長だ。一人暮らしも良かろうと、物件を探し始めたのが2ヶ月前。初めての不動産屋巡りには戸惑ったものの、なんとかこうして良さげな一軒家を借りることが出来た」


  回想シーン


兄沢  「あ~、ごっほん。不動産屋さんは胡散臭い人間には堅い物件を紹介してくれないらしいからな。絶対にアニメオタクと思われてはマズイ。爽やかに、爽やかに。え~、髪型良し、ヒゲ剃り良し。ネルフTシャツの裾入れ良し。缶バッジは、Kanonからガンダムに変えたし。っし! どこからどう見ても完璧な一般人だ。ふぅ・・・行くぞ~」

  兄沢が不動産屋に入る

不動産屋「いらっしゃい」

兄沢  「こんにちは! ちょっと一人暮らししようと思いまして、良い物件がありましたら紹介していただけないかな~と」

不動産屋「まぁ不動産屋に来たんだから、家探すな~ね~。ええっと、お兄さん仕事何やってんの?」

兄沢  「専門グッズショップ店の店長を務めさせていただいております」

不動産屋「ほ~、店長さん! 若いのに、大したもんだね!」

兄沢  「あはははっ、いえいえ~」

不動産屋「いやいや~、大したもんだ、ん~! で~、専門グッズって何だい?」

兄沢  「専門グッズです」

不動産屋「いやいや、だから」

兄沢  「専門グッズです」

不動産屋「専門グッズって?」

兄沢  「専門グッズです」

不動産屋「専門グッズ?」

兄沢  「専門グッズです」

不動産屋「専門」

兄沢  「グッズです!」


 回想シーン 終了


兄沢  「はぁ~、一人暮らしか~。夕食の度に、『お隣の麻生さん家の息子さんは、来月結婚するわしいわよ~?』とか、おふくろにプレッシャーをかけられなくて済むんだよな~。幼女絡みの犯罪が起こる度に、親父が向ける不安げな視線にあえて気づかないフリをしなくてもいいんだよな~。うふふふっ、わっ!」

 子犬が兄沢に近づいて吠える

山田  「リリー! やめなさい! もう!・・・すいません、本当に」

兄沢  「あ、いえ・・・」

山田  「あの、もしかして越していらっしゃったんですか?」

兄沢  「あ、はい。今日からこちらに越してきました、兄沢と申します」

山田  「隣の山田です。せつなさ高校三年生です。どうぞよろしくお願いします!」

兄沢  「はっ、こちらこそ!」

山田  「何か不便があったら、おっしゃってくださいね?」

兄沢  「恐縮です!」

山田  「兄沢さんは、お一人なんですか?」

兄沢  「ええ、一人で!」

山田  「カッコイイな~、一人暮らしなんて~。今度遊びに行ってもいいですか?」

兄沢  「もちろんろんのすけ!」

山田  「あはっ! 兄沢さんて面白~い!」

兄沢  「あははっ! あはははっ! あはははははっ!」

山田  「ところで兄沢さん、どんなお仕事してらっしゃるんですか?」

兄沢  「え? あ~、あ、あに、アニメ関係・・・」

山田  「あっ! アニメですか!? 私も見るんですよ! この前も映画館まで見に行ったばっかりだし!」

兄沢  「マジ!? マジっスか!? いや~、嬉しいな~! 同じ趣味の人とお隣さんなんて~! 実はね、僕はですね、アニメイトの店長をやってるんですよ~! あ~、劇場っていうと何ですか~? あっ、ちょい待ち。女子高生といえば・・・最遊記でしょ!? 当たり? ズバリ当たっちゃってます~!?
あれね~、忙しくて自分見に行けてないんですけど、雑誌で見る限りクオリティめっちゃ高いですよね~! オンラインの友達が! あっ、僕アニメのファンサイト開いてるんですけど。その~、舞台挨拶見に行ったらしくて、すっごい盛り上がりだったって! いや~! あはははっ! で、どうでした!? 感想は!?」

山田  「・・・千と千尋の神隠しなんですけど」

兄沢  「あ~・・・すいません」


 自宅に戻る
 SE:ドアを勢いよく閉める


兄沢  「やっちまった。はぁ~、ぐすっ、はい! おしまい! 今日から夢の一人暮らしが始まるんだ! しょっぱなから薄暗い気持ちでいたら損! 損! パパっ~と荷物を片づけて、引越しそばでも作るとするか」

殿鬼  「悪い、それ~取って」

兄沢  「このハサミ?」

殿鬼  「そそっ・・・サンキュー。ダメだ、やっぱ電源イカれてるはコレ」

道玄坂 「マジかよ~。日が暮れるまでに直さね~と、夜真っ暗だぜ」

殿鬼  「任せとけって。電気といえば秋葉原。アニメイト秋葉原店 店長 殿鬼ガイ様の仕上げをご覧あれっと・・・どうだ、道玄坂?」

道玄坂 「おっ、点いた点いた。OKOK」

殿鬼  「な? 言ったとおりだろ? はぁ~、電気周りはこれで良しっと」

  SE:豆腐屋のラッパ

兄沢  「あ~・・・」

殿鬼&道玄坂「あ~・・・」

兄沢  「・・・・・・」

殿鬼&道玄坂「よお」

兄沢  「よおじゃねぇよ!? なんでお前らが俺の家にいるんだよ!?」

殿鬼  「不動産屋がな~」

兄沢  「うん」

道玄坂 「詐欺師でな~」

兄沢  「うん」

殿鬼&道玄坂「俺達も騙された」

兄沢  「うん」

殿鬼&道玄坂「よろしくな~」

兄沢  「うん・・・」



兄沢M 「かくして始まったオタク三人地獄の同居生活。はたしていかなる事件が起こることやら。待て! 次週!」




第一話 終わり