それはこの本が本格的な発酵合成土(浄菌土から発酵土、合成土へ進み完成)の作り方を述べたもので、種はそうした多様な微生物群の土と共生する能力に優れた種(自然のまま)です。
種を改良するのはあくまで土地に合わせる為であり、長い歴史の中で適応してきた種には多くの利点があります。
現代の高収穫品種とは化学肥料でアンバランスに過肥した土に適応できる一種奇形的な種で(農薬にも適応)、一代しかその奇形性が持続しないので農民は毎年種を買わされ、農業の本来の形を歪めるものです。
一方近年では、作物のDNAの発現が調べられる様になり、それは思いの他長くて遺伝子の数も多く(人の遺伝子数と同等)、人と同じく眠ったままの遺伝子も数多く存在する事が解ってきました。
そして豊かな土壌微生物群の共生する土には、そうした作物の眠っている遺伝子を目覚めさせる力がある事も解ってきました(深遠なる第九の栄養素の力)。この作物DNAの本来の力を引き出す農業は、小手先の遺伝子組み換えなどよりもずっと広範囲に、環境に適応した逞しい作物を生み出す事が出来ます。
そして何よりも、こうした本物の有機農業では収穫量も化学農法に決して劣らず、以前化学農法はインプット10に対してアウトプットが1だと書きましたが、(カロリーベースと経済効率の両面で)、これに対して有機農法では、インプット0.3でアウトプット(収穫量)は0.9まで見込め、これが1を超える限界突破という事例(農学的に画期的)も数多く「地球を救う大変革」という本で紹介されております。(論文報告も多数)
土起こしについては、土の中に種が沈み込み易くする為と、発芽した雑草をひっくり返してやっつける為で (緑肥になる)、有機農業は雑草との戦いという面があるので大事な工程です。
私も福島で有機米作りを手伝った事がありますが、この雑草のひっくり返し(さやかき)を三回やる所もあり、雑草の発芽促進にもEMが有効に活用されています。(もし興味が有りましたらEM研究機構のホームページから論文を見て下さい)
それだけやっつけても、雑草というのは逞しいものでまだ生えて来ます。これはアイガモに食べて貰える所もありますが、概ねテデトールを使う必要があり、これは一反当たり1000円程のインプットになります。(田んぼにかがんで手でとるのはボランティアでは酷)
話は1945年の浦上に飛びますが、ここは山沿いの坂の町なのでトラクターを使う程の畑はなく、時代的にも牛がトラクターの代わりだったと想像します。
そんなに広い畑でなければ雌牛でも十分耕せ、彼女らは土手や畦道の除草をしてくれて乳もくれるので(人と共生すると免疫ミルクになる)、インプットとしてはプラスマイナスで0に近づけるかと思います。
戦争末期は食糧難で、囚人達も畑で働かされてたかと思え、そこで浦上クリスチャン達は彼等を暖かく迎え入れて一緒に畑仕事をします。
もうこの年にはジョンは国外追放されて香港におり、彼の娘が意志を継いで囚人達の世話をします。
彼女はトゥルクのパーティーが浦上に来て最初に生んだ子で、この年で19才になってるとします。(名前は仮にアンナとする)
戦争末期には外国人捕虜も浦上刑務所に送られて来て、アンナはその中の父に似た男に特別な好意を抱きます。
新年度の春はそんなロマンスの芽生えを描こうかなと思います。