真の動物福祉牧場を目指して

季をつかみ 特別な時 描き出す

2月、長崎にも雪は降り少しですが積もります。
それは子ども達に雪合戦をさせて喜ばす程度の雪で、北国の人の暮らしを閉ざす雪とはまったく別物です。
私は今年、日本最北の宗谷地方で冬を越しましたが、雪解けと共に木々が芽吹いて来る今頃は、新たな旅立ちを予感させる良い季節です。(長崎の2月に近いかと)

南方の長崎において、冬の寒さに最も震え、春の訪れの気配を切実に喜んだのは、思想犯の囚人達であったかと想像します。 彼等の人生も描き出したく思い、実際の手記などは吹き飛んで残ってなくて(原爆はほぼ刑務所の上に落ちた)、手紙も検閲が入るので本心が書けずに残ってないので、創作で描くしかありません。。
彼等の人生を描き出した作品では、徴兵逃れの青年の一生を描いた「笹枕(丸山才一)」が有名ですが、他には知らないので教えて頂けると幸いです。

私はそんな囚人達を支える方の人達を描こうと思い、その筆頭に立つのはジョン-ジョード氏です。
この名字はもちろん渾名がジョジョになる様にですが、ジョードは日本語になり、なによりもスタインベックの名作「怒りの葡萄」の主人公トム-ジョードにあやかったモノです。これは大恐慌時代アメリカの彷徨える家族団を描いた作品で、この作品からは映画や歌が多く再創造されています。(ブルース-スプリングスティーン「 gost of Tom Jhoad」など)

ジョード氏は日本の歪んだ教育界に立ち向かう立派な教師となっており、彼が主催する教師会には多くの若き名教師が参加して、日本の世界に開いた新しい教育について大いに気炎を吐きました。
しかし戦争が始まると、そうした活動が祟って若き教師達は思想犯として監囚され、浦上の地に送られて来ます。
ジョンが彼等にしてあげられた事は、定期的な差し入れと面会の他に、彼等の正義を守る論説を著作で発表する事でした。
その著書では英国の不正義をキッパリと認め、新たな日英同盟と日本の進むべき道を広い視野から示したもので、検閲官に好感を抱かせますが、芯の所では国家権力の無謀な暴走を非難するモノです。

冬はこうした著作に向いた季節であり、ガネシヤは早くから反英闘争の系譜を描いた現代版「マハーバーラタ(偉大なるインド)」を書き上げ、これは国粋主義者(普通の人達も)からの熱烈な支持を受けました。
この時にはもう、インド最東部での日英戦争は日本の大敗で決着が付いており、インド国民軍も日本軍と共にジャングルの中を敗走していて、多くがその途中で命を落としました。
この歴史については、インパール作戦に従軍僧侶として加わった日本山の上人が「アラカンに轟く太鼓」というルポルタージュを残しており、インド人と日本人の絆も良く描かれております。

冬は本と共に過ぎ、次に春の土起こしのシーズンがやって来ます。




名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日記」カテゴリーもっと見る