真の動物福祉牧場を目指して

5. 酵母 (カビ)

前回、生産者である光合成細菌を紹介しましたので、今回は分解者を紹介します。

酵母とカビは同じ菌類で、酵母が単体の細胞なのに対してカビは菌糸で繋がりキノコの様な構造を持ちます。(キノコもカビの一種です)
しかし酵母も過酷な環境に曝されると菌糸を出して合体し身を守るので、両者に違いはそんなに無いと言えます。(カビも単細胞を遊離させる)

この菌類が分解者で、彼等はヒトに例えれば料理人みたいなモノです。
生では堅くて不味い小麦も、発酵させればパンやビールに成って美味しくて栄養豊富になります。
因みにビールは3千年前からメソポタミア(中東)で飲まれており、古代では小麦粉にビールを混ぜてパンにしていました。

ビール酵母というのは、発酵樽の上に膜を張って浮き出るタイプ(ドイツ風)と、下層に沈殿するタイプがあり、ドイツのビール酵母はビールと同じくフルーティーな薫りがあってパン作りに重宝されてます。
下層に沈殿するタイプのはそんなに美味しくはありませんが、栄養は満点(核酸も豊富)で一番リーズナブルなサプリメントと言えるでしょう。(ウシに与えてる所もあります)

酵母とヒトとの歴史を更に遡ると葡萄に行き着き、葡萄は皮に酵母を共生させているので勝手にワインに成ります。
このワインの酵母からビールとパンが生まれ、あまり生モノを食べない西洋人にビタミンと酵素を与えて寿命を延ばしまて来ました。

日本でも酵母は酒、醤油、味噌などに用いられ、生醤油や味噌ではビタミンや酵素が生きています。
酒でも生酒は火が入ってなく、そのため発酵が進んで味が変わって行きますが、それはワインの熟成と同じで味わいと栄養が高まる善いコトなので、日本酒の未来は生(ナマ)にあるかと思います。

発酵分解によって栄養が豊富になると言うのは納豆(放線菌)やヨーグルト(乳酸菌)と同じで、発酵過程で菌がビタミンや酵素を作り、腸内に入ってからもその菌達の貢献が続くからです。
もう一つ、栄養素の低分子化という働きもあり、これについてはリゾ(低分子)レシチンが一番注目されており何度も紹介して来ました。

酵素の栄養的な価値については、腸管から血流に吸収される時にはペプチド(アミノ酸が少数繋がったモノ)まで分解されるのでタンパク質と変わらない。 とする意見もありましたが、最新の研究では酵素が分解されたペプチドは効率的にすぐ酵素に戻れ、その為に体内の酵素量を増やす事が出来るとされます。(「病気にならない生き方」)

酵素ドリンク(生ジュース)の医療活用には長い伝統と実績があり、臨床で効果が有るコトから酵素の栄養的価値は疑う余地はありません(「生ジュースダイエット健康法」)。
それでもまだ信じない方は、現代の科学がヒトのメタボリズム(消化、代謝)をまだ殆ど理解していないコトを知るべきかと思います。

最後に、分解者がいるお陰で我々消費者が生きられるコトも注記して置きます。
ヒトも動物も植物も微生物も、死んだらみんな分解者のお世話になって遷化し、新しい命に成ります。
「たかがカビ なれど命を 経ぐ者」です。


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