LEGNIM

Qui es-tu?

地球は丸いんだなぁー

2006-10-07 03:38:44 | 建築
各国によって文化や宗教、気候が違う、言葉が違う。それだけで、生活の仕方は多種多様だ。
今回の旅の動機はこれがメイン。民家スタイルを見たかった。
人の持っている雰囲気や表情が空間にどんなエッセンスを加えているか、そういうのを観察するのがとても好きだし、建築をやり始めてから、風土と民家のスタイルが共通点があって、それが物流や時代の流れに沿って発展してきたという年月の重さに興味がとてもある。
逆に人がみる風景の瞬間は人の視点だけではなくて他にどんな要素をもっているのか、ていうのを考えることにも興味がある。

前置きが長くなってしまったけど、まあ、海もいけるし割と気楽にいけて民家も面白そうなバリは私にとって今回は丁度よかったのだ。

そんなわけで、バリの民家が色濃くのこる、バトゥワン村に行きたくてタクシーに聴いてみた。
バリといえば観光地は大体決まっていて、海ならクタ、ヌサドゥア。高原ならキンタマーニ。お寺ならタマンアユン寺院他。等極端に北や南になっている。
ウブドもフォーシーズンズとかあるし、高級リゾートの最高峰、アマンもその近辺。そのほぼ無名の村、バトゥワン村は、クタからウブドに行く途中にある小さな村。
タクシーで村まで約1時間半。
村には交通機関が全くないから、経由してウブドまで出てもらうようにお願いし、とりあえず金額はよく分からないけどレッツゴー


さて、バリの民家は必ず塀があり門がある。
ハウスメーカーがないから、勿論既製品もなく、日本に溢れている建材でできたような鉄のフェンスとかうそっぽい木の塀は無い。
大体が、モルタルだった。それに朱色の装飾をつけたり、笠木を工夫している。
門は絶対的に装飾している。

バリの家の基本は、この門を入るとわかるが、住宅の一部であるはずの「部屋」が各棟に分れているのだ。(トップ写真)その光景を初めて見たとき、部屋が分れているような感覚は慣れなかったけど、どこか懐かしい感じがした。神社の鳥居を抜けて、中の光景を見ている、そんな感じだ。


ただ単に分れているだけじゃない。ちゃんと位置が大体決まっている。
これは祠。(地元の人は、小さいお寺。といっていたけど)バリには沢山の神様がいて、ご先祖様も含めて沢山の神様を奉るため、その分の祠を区画内の角に沢山立てている。数は家それぞれ。
高床式の倉のような雰囲気で、日本の高床式倉の原型バージョン、または灯籠のような。


そこに奉られているものは基本的に扉をあけないとみられないが、たまたま大きい祠が口をあけていて、お供えモノをおいていたのでシャッターをきった。
この神様の前には、お香とお花を飾ったお供えがあり、これはバリの町中道路や車の中に置かれているもの。これも装飾好きバリを象徴している。


これは、台所。そう、バリの民家の各棟はほとんど屋根のみ。外周に沿ってプライバシーの確保なのか壁があるだけで基本的にオープン。虫や雨避けのためか、高床にはなっているけど、各部屋に移動するのに建具は使用しないのが基本。暑い国ならではかな。結構大きな台所だね、これは。
隣には書斎の棟があったけど、ここは書棚が壁面に沿ってあって、なぜかそこだけ土足禁止。なぜか?


屋根裏。
ん?傘亭?
いやいや、竹の径が太いね、バリは。
止め方も日本とは違うけど、でも懐かしいような作りだ。
茅葺きは今でもバリは多く残っている。クタ等は鉄骨造も多く、屋根は金属や瓦が多いものの陸屋根はあり得ない。
ここはもっと田舎だから茅葺きだけしか無いくらい。


こんな感じ。


装飾大好きなバリの人は、屋根の鬼じゃないところにも、こんな装飾が施されている。そういえば、バトゥワン村は芸術の都ウブドのベッドタウンというくらいの近さ。ウブドで売っている、ペインティングはほとんどここの人が制作しているというくらい。確かに道をあるけば、男の人がせっせと絵を描いたり木彫りをしている。遊んでいるわけではないみたいだ。

家の造りが新鮮ではあったり、装飾の仕方がバリっぽさをだしていたけれど、
なにか懐かしいと思わせるのは、日本の高床式の建物や屋根の素材が同じだったからか。
多棟型であるのも、日本の沖縄の民家と共通点があって、もしかしたらアジアの南側というくくりで宗教とはあまり関係のない風土的な観点で家が作られていたのかもしれない。

なんかそういう事を考えていると次第にバリの土地や人に愛着がわいてきた。
アジアの中の日本、地球の中の日本にも。