貯蓄から投資へ。
今聞くとなんだか虚しくなるくらい株価が冴えませんが、一方で今から入っていこうとしている人にとってはなかなか美味しそうな株価帯でもある難しい場面。
金融商品への投資といったらどんな商品を思い浮かべるでしょうか?
株、FX、国債、金、定期預金なんかが有名なところで、最近はFXの株版であるCFD(Contract for Difference)というのも出てきたようです。
でも忘れちゃいけないけど、なかなか気が付きにくい投資金融商品が「生命保険」!これも自分の「死(病気)」に対する賭けの勝ち負けに投資しているとみなすことができ、オプション的な性質を持っている立派な金融商品の一つです!
そうすると「いざというときの備え」という言葉一辺倒で考えと同時に「金融商品として投資するとしたら合理的か否か」という考え方も重要になってきます。しかしここで問題が出てきます…そう、保険商品は料金の内訳(原価+手数料)の内訳が分からないのです!!だから各社を比較してなんとなく安い、なんとなく高い、なんとなくサービスがいい・・・といった抽象的な判断しかできなかったのが今まででした。
投資としてその商品が「儲かるか否か」を事前に判断することは不可能ですが、「損するか否か」は事前に判断可能で、そうであれば「いかに損を減らすか」が有効な戦略として働くことになります。そしてそのもっとも大きく、かつ自分のコントロール可能な損失が「手数料」であり、あくまでマクロ的に見れば単純に手数料を小さくするだけでグッと価値の確立が高まるはずです。どちらにせよ投資する本人の絶対能力を急に高めることは不可能であるため、それならまず確実にできる損失減らしから始めようということですね!
(ただしマクロ的に見れば株は名目GDPの成長率分だけ「儲かる」はずで、FXなどはゼロサムゲームなので「儲けも損もない」はずで、競馬などのギャンブルは運営者が徴収しているテラ銭のお陰で「確実に損する」取引だと言えます)
しかしライフネット生命がついにやってくれました!
「保険料の原価」をばっちり開示してくれています。
⇒業界初!“保険の原価”を開示したライフネット生命に怨嗟の声
リアルのネットワークを持つ他の保険会社にとってはいい迷惑でしょうが、「顧客中心主義」なんて言う言葉を使っている会社がこれを「いい迷惑」というとすればそれこそユーザーからすればいい迷惑で、「顧客中心主義」という言葉があまりにも虚しく乾いた響きを持って歓迎されてしまいそうです(^^;
これによると保険料の原価は以下のような違いが見られるよう。
たとえば、30歳男性の死亡保険金3000万円の定期保険(期間10年)に支払う年間の保険料は、ライフネットが約4万円(純保険料約3万円と付加保険料約1万円)で、ある大手生保は約8万円。その差は2倍だが、付加保険料で比べれば、差は5倍に広がる。
これをもう少し違う角度から見ると、
ライフネットでは払った保険料のうち、75%が自分のものであり、25%はテラ銭として徴収されてしまう。
ある大手生保では払った保険料のうち、38%が自分のものであり、62%がテラ銭として徴収されてしまう。
ということです。
ちなみに競馬のテラ銭は単複勝だと20%で他の買い方だと25%、パチンコの場合は20%、宝くじの場合は52%です。つまり、保険という金融商品は手数料だけみれば宝くじよりも「割の合わない」賭けをしているということになります!!イメージとしては、300円宝くじを10枚セットで買うとたいてい300円くらいしか当たりませんが、保険の場合3000円買っても200円くらいしか当たらないということになります。
これは相当不利な賭けであることは一目瞭然ですね(--;
ではどういうときに保険に入るべきか?
というとまぁそれは人それぞれなので一概には言えませんが、私個人的な見解としては、タイミングは「子どもが生まれたら」で、「共済かネット保険の安いプラン」かなぁと思います。
高額の保険に入る必要がない理由は、たとえ私が死んでも「遺族年金」など国の制度が充実しているからで、また医療保険に入らないのは「高額医療費制度」などの制度が充実しているからです。なので高額の保険に入るよりも貯蓄なりそのほかの投資に回す方が明らかに有利だと言えるのではないでしょうか。
ここまで書きましたが投資は自己責任なので、上記を参考にするもしないも自分次第です!あくまで理論的な話でマクロで経済を見た結果ですので、「結果として」どちらが得か損かはそれこそ神のみぞ知る世界です。